上司が怖い時の対処法5選。委縮して質問できない人のメンタルヘルス
転職して仕事が覚えられず、
ミスを連発するということはよくあります。
- 社会人1年目
- 転職したばかり
- 異動したばかり
- 転勤したばかり
このように環境が変わり、
慣れない仕事を日々こなしていくことは、
大変なストレスとなるでしょう。
仕事でミスが続くことで、
上司に怒られたり
同僚とも馴染めない。
そんな悪循環が起こりがちです。
『仕事のストレスが限界で仕事を辞めたい!』
『でもこれって甘え?』
『ストレス限界ってどういう状態?』
こんなふうに思っていませんか?
この記事では、
あなたが辛い状況から抜け出し、
安心して仕事をしていく為の
ポイントをお伝えします。
こんにちは。
公認心理師の大城ケンタです。
よろしくお願いします。
目次
ストレスが限界かどうかの見極め方
人間関係や職場環境、労働条件など
ストレス要因はたくさんあります。
- 長時間労働
- 低賃金、ボーナスなし
- 体力的に辛い
- 仕事の進め方がわからない
- 上司が怖くて質問できない
- 仕事が終わらない
- 上司に怒られる
- 相談できる人もいない
- 休日も仕事のことを考える
- 身体がだるい、不眠、食欲不振、頭痛、胃潰瘍
- 頭がぼーっとして、仕事に身が入らない
こうなるとストレスが限界で、自分が壊れそう。
そう感じるのも無理ありません。
もう会社に行きたくないし、
仕事を辞めたくなりますよね。
『でも、仕事を辞めるのは自分が甘えているだけ?』
『ストレスの限界の状態ってどういう状態?』
そんなあなたのストレスの限界かどうかを
チェックする方法をご紹介します。
下の図をご覧ください。
全然ストレスなく、
安心して自信を持って過ごせる状態を0点
もう限界!これ以上耐えれない。
ストレスMAX!という状態を10点
だとしましょう。
今、あなたは自分のストレスは何点だと思いますか?
何となく直感で点数をつけてください。
もし、9点、10点だとしたら、
ストレス限界と思ってください。
ストレスが限界な状態かどうかというのは、
あなたの主観です。
他人の声は関係ありません。
もしかしたら、
他人はこんなことを言うかもしれません。
「せっかく入った会社なんだからもうちょっと頑張ったら?」
「みんな頑張ってるんだよ」
「働くことは我慢すること」
「まだ入社して1年目だから、仕方ないよ」
そんなこと言われても、
ストレス限界!!(ですよね?)
あなたが限界と感じているなら、限界なのです。
これ以上、我慢して続けると、
本当に身体を壊してしまいます。
ある日、突然、朝起きれなくて、
会社に行けなくなって、そのまま休職。
こういうケースは少なくありません。
したがって、まずは今の自分の
ストレス度合いを数字で表して、
それを自覚することが大切です!!
仕事のストレスを見直す2つのポイント
仕事のストレスは大きく2つに別れます。
①仕事内容
②人間関係
【①仕事内容がストレス】
仕事の内容がストレスになっている場合に
気をつけるべきポイントがあります。
それは自分に合った仕事を
しているかどうか?
例えば次のようなことはありませんか?
・接客が好きなのに、事務仕事をしている。
・営業が苦手なのに、営業の仕事をしている。
・リーダーシップが苦手なのに、そういう仕事をしている。
苦手な仕事や自分の適性に
合っていない仕事をしていると
毎日がストレスになります。
ちなみに筆者(大城ケンタ)は
保育士養成の短大を出て、
実際に幼児教育の仕事をしました。
しかしピアノや手遊びが苦手、
リーダーシップを取るのも苦手で、
大声で話すのも苦手で、
数年で転職しました。
せっかく高い学費を親に出してもらったのに
申し訳ない気持ちでしたが、
今となってはお金(学費のこと)より
自分の気持ちを優先した経験があります。
つまり、あなたは今の仕事が
自分の適性に合っているのかを
一度振り返ってみてください。
もし適正に合っていない仕事を
しているのであれば、転職することも
視野に入れて考える必要があります。
【②人間関係がストレス】
一方で、仕事自体は楽しいけれど、
人間関係がしんどいケースもあります。
- 理不尽に怒る上司が怖い
- 職場のピリピリした雰囲気
- 職場の人間関係に馴染めない
- 分からないことを質問できない
- 自分に自信がない
- 他人に気を遣って疲れる
こういった場合、転職を考える前に、
自分の心の内面を見直したり、
他人へのアプローチを変えることで
状況が変わることがあります。
友人や家族に相談したり、
心理カウンセラーに相談することで
辛い状況を打破できることもあります。
ぜひ周囲の人を頼って
相談してみてください。
ストレスで仕事を辞めるのは甘え?
「仕事がしんどいのは、お前だけじゃないんだ!俺だってしんどいんだぞ!」
「甘えてるだけしょ!?」
他人から見るとそんな風に
言われた経験があるかもしれません。
もし身体症状が出ているなら、
理解してもらいやすいかもしれません。
例えば、
- 胃潰瘍
- 頭痛
- 不眠
- 食欲不振
- 倦怠感
- 集中力・記憶力の低下
- ぼーっとして頭が回らない、等々
しかし、
そういった身体症状もない。
一応、身体は元気。
ストレスで仕事を辞める、
休職することが甘えかどうか。
これは捉え方の問題です。
「甘えだ」と言う人もいる。
「甘えじゃない」という人もいる。
だから、甘えているかどうかを
議論しても意味がないのです。
先述したように、
仕事が自分の適性に合っていない場合、
どんなに頑張っても結果がでません。
甘えているというより、
仕事が自分に合っていないだけ!
ということも案外多いものです。
心療内科・精神科を受診したほうがいいか?
うつ病じゃなかったとしても、
ストレスの限界が続くようなら、
うつ病になるのは時間の問題と
考えたほうがいいでしょう。
私たちは、病気になったら対処する。
そんな傾向があります。
うつ病になって、動けなくなって、
働けなくなってから対応するよりも、
今の段階で対応したほうがいいと言えます。
病院を受診したからと言って、
必ず薬が処方されるか分かりません。
あまり重く考えずに
精神科医の先生の話を聞きに行く、
くらいの気持ちで初診を予約して
みてはいかがでしょうか。
どうしても受診する勇気がないなら、
「あと2週間、この辛い気持ちが
続いたら病院に行こう」
と、自分で期限を設けるのも良いでしょう。
仕事を続けるか辞めるかの判断
仕事のストレスが限界という時、現状の選択肢としては3つ。
- 仕事を続ける
- 仕事を辞める
- 仕事を続けながら、環境を調整する
それぞれメリット・デメリットを見ていきたいと思います。
(a)仕事を続ける
【メリット】
- 収入が入ることで、生活が安定する
- 家族や友人・職場の人から色々言われず済む
- 転職活動による負担が掛からない
【デメリット】
- いずれ身体を壊す
(b)仕事を休む、辞める
【メリット】
- ストレスが減り、心身への負担が減る
- 自分らしい生き方への軌道修正ができる
【デメリット】
- 収入が不安定になり、生活が不安になる
- 周囲からの声や目が気になる
- 親や会社に対して罪悪感を感じる
- 自己嫌悪に陥る
- 転職活動に労力がかかる
(c)仕事を続けながら、環境を調整する
- 配置転換してもらう
- 仕事を手伝ってもらう
- 仕事量を減らしてもらう
- 勤務時間を減らす
- 勤務日数を減らす
【メリット】
- 心理的ストレスが減る
【デメリット】
- 上司に言いにくい
- 環境調整後、周囲の目を気にしてしまう
ここまで各メリット・デメリットを紹介しました。
それらを踏まえて、どういう選択が
現実的かを検討してきましょう。
a)仕事を続けながら、
ストレスを減らすのは、
実際には難しいことが多いです。
まずは環境を変える、
環境を調整することができないかを
検討しましょう。
したがって、
最初の選択肢としては、まず(c)です。
とにかく、「今しんどい!限界です!」
という意思表示をすることが大切です。
正直に現状の自分の状態を
上司に相談して仕事量を減らしたり、
配置転換や勤務日数を
減らしてもらいましょう。
もし(c)が難しいのであれば、
次の選択肢は(b)です。
仕事を休むか辞めるかです。
一旦仕事から離れて
今後のキャリアを考えましょう。
「仕事」と「自分の健康」
どちらを優先するかを考えてください。
仕事を優先している間は、
ストレスから抜け出すことは
困難だと思ってください。
会社を辞めるに不安があるなら、
キャリアカウンセラーや心理カウンセラーに
相談することが役立ちます。
仕事を辞める時の心の持ち方
会社を辞めるとなった場合、
就業規則により、事前に
申し出る必要があることでしょう。
思い切って、退職を希望している旨を
上司に伝えましょう。
業務の引き継ぎがあるなら、
退職までにできる限りのことをしましょう。
しかし、仕事を辞めれない理由として、
次のような心のブロックがあるかもしれません。
・仕事を辞めたら、次就職する会社が簡単に見つからないんじゃなか
・転職するにしても、やりたい仕事がない
・今仕事を辞めたら、会社や職場の人に迷惑がかかる
・こんなにすぐに辞めるなんて、自分は弱い人間だ
・この先の人生、どうなるんだろうと不安になる
・親や職場の人に色々言われるに違いない
あれこれ考えてると、
仕事を辞めれません。
繰り返しになりますが、
仕事よりも自分の健康を優先すべきです!
すぐに転職先を見つけなくていい。
ゆっくり見つけたらいい。
やりたい仕事がなければ、
とりあえず、できる仕事をしたらいい。
会社や職場の人に
迷惑がかかるかもしれないが、
何とかするのが会社の役割。
あなたが辞めた後のことまで
考える必要はありません。
自分は弱い人間ではなく、
単純に職場が自分に合ってないだけ。
あなたがもっと輝ける場所を見つけましょう。
転職する際の3つのポイント
①やりたい仕事がなければ、無理なくできる仕事を選ぶ
転職する際に、
やりたい仕事がないかもしれません。
そういう時は、
無理なくできる仕事を
選んだほうが無難です。
仕事を「人間関係」と「仕事内容」に分けた時に、
仕事内容が無理なくできるというのは、
仕事をする上で、非常に重要だからです。
仕事ができないから、
人間関係が余計に辛くなるという
悪循環が起こりやすので、
比較的シンプルな仕事を
選んだほうが無難と言えます。
②同じ職種で選びたいなら、雇用形態を変えるのも一つ
専門職として働いてきた人が、
まったく畑違いの仕事に就くことに
抵抗があるかもしれません。
まして大学や専門学校を卒業して、
社会人1年目で転職となると、
「せっかく学校を出たのに」と思うかもしれません。
今さら新しい知識やスキルを身に付けて、
採用してくれる会社もあるかどうかわからない。
そういう場合、
今までやってきた職種は変えずに、
働き方を変えるというのも、
選択肢の一つでしょう。
正社員で働くのもいいですが、
それが難しいのであれば、
契約社員やアルバイトなど、
雇用形態を変えるのも一つです。
そのほうが心理的な
負担が軽くなるのであれば、
雇用形態を変えるのも選択肢の一つとして、
考えてもいいのではないでしょうか。
③転職する際の、退職理由や志望動機は前向きに!
実際は仕事や人間関係が辛くて
退職するにしても、転職先に
そのことを伝える必要はありません。
言うメリットがないからです。
嘘は良くないですが、
言わないというのはOKでしょう。
採用する側としては、
前向きな人と、やる気のない人なら、
やはり前向きな人を採用したいところです。
今の会社を体調不良で辞めてもいいのですが、
転職先では前の会社の愚痴や不満を言うより、
「ステップアップしたい」「心機一転がんばりたい」
という前向きな思いを伝えるほうが、
お互い円滑に話が進められると思います。
今後、安心して仕事をする為に必要な2つのこと
転職する際のポイントとして述べましたが、
今後、無理なく仕事をする上で、
環境以外にも大事なことがあります。
それは自分の心の持ち方です。
ストレスを生みにくい考え方や行動ができるかどうか。
ストレスを生みにくくするための
2つの実践についてご紹介します。
①全力で自分を肯定すること
新しい環境で慣れない仕事をすると、
仕事ができなくて当然なのですが、
どうしても自分の立場が下に
感じてしまったりして、
自分を責めてしまいがちです。
人に迷惑をかけてしまう自分はダメだ
仕事ができない自分はダメだ
『仕事でミスをする=自分はダメ』
『能力がない=人格否定』
このように自分を全否定するパターンに陥ると、
いくら環境を変えてもしんどくなるでしょう。
だから、全力で自分を肯定することが大事です。
どんな人でも失敗する
最初はできなくて当然
できないものはできない。
自分がダメではない。
『できないこともあるけど、
私は私でOK。失敗することもある』
このように考えるとよいでしょう。
②わからないことは質問すること
仕事をするうえで、
報告・連絡・相談がしっかりできていると、
コミュニケーションがとれて、
人間関係がうまくいきやすいですね。
しかし、
わからないことをわからないと言えない。
わからないことを質問できない。
困っていることを相談できない。
ということが、よくあります。
・上司に聞いても、まともな答えが返ってこない
・質問や相談できる雰囲気じゃない
・また怒られるんじゃないかと思うと質問できない
・「そんなこともわからないの?ダメな奴」と思われるのが怖い
では、そもそも仕事って
誰の為にするのでしょうか?
会社の利益やお客様の為ですよね?
もちろん、自分や家族の生活の為、
というのもあるでしょう。
よく考えて欲しいことは、
自分がわからないまま仕事をすることで、
会社やお客様に不利益を与えることになる、
ということです。
わからないことを、わからないと言えずに、
仕事ができないというのは、
突き詰めて考えると、会社やお客様の為にならない。
上司が怖くて質問できない時は、
「質問しないことで、会社やお客様に不利益が生じる」
「質問することは業務上必要なこと」と考えて、
淡々と質問しましょう!
自分がダメとか、上司が嫌いとか、
上司が怖いとか、一旦横に置いて、
会社やお客様の為に、淡々と質問する。
ぜひこのようなマインドでお試しください。
まとめ
ここまでこの記事で述べてきたことをまとめます。
まずは今、自分が限界の状態にあると自覚すること。
うつ病であろうと、うつ病でなかろうと、
まず環境を変えることが大切。
仕事を休んでも、仕事を辞めても、
人生終わりじゃない。
自分の心と健康を第一に考えよう。
人生、いつでもやり直せます。
再スタートすることを恐れず、受け入れましょう。
それが今後、自分らしく生きていく上で、
大切なことと言えるでしょう。