なぜゴルフには、シャツの裾を入れる「タック・イン」規定があるの?
岡三証券の広報誌Adesso(アデッソ)の別冊Adesso GOLF(アデッソゴルフ)最新号(平成30年12月1日発刊)にて『覚えておきたいゴルフの服装マナー ~ゴルフにドレスコードが生まれた理由~』という私の記事が掲載されました。
広報誌Adesso(アデッソ)
岡三証券の広報誌Adesso(アデッソ)は株式情報のみならず、様々な事柄を紹介する総合情報誌です。口座をお持ちでない方でも、インターネットから見本誌を請求できるそうです。なお、Adessoとはイタリア語で、“今” “現代”の意味です。
岡三証券広報誌Adesso(アデッソ)ページ:
http://www.okasan.co.jp/marketinfo/profitable_service/adesso.html
今回はゴルフ情報に特化した別冊です。
ゴルフの別冊アデッソは不定期の発刊ですが、これから連載する予定です。
記事『ゴルフにドレスコードが生まれた理由』の内容
他のプレーヤーへの配慮を特に重んじるゴルフの世界では、一人の主観による「愉快」より、誰か一人の「不愉快」の方が問題だとされている。だからゴルフでの「身だしなみ」は、そのゴルフ場に適した良識で考えるべきである。その場合の良識とは、そのゴルフ場に集う人々全員に不愉快を感じさせない配慮と、スポーツウェアとしての実用性のことを指す。これらの条件が備わった服装がゴルフにふさわしいということになる。
ゴルフの装いは時代とともに移り変わってきた。たとえばスーツ(背広)にネクタイ姿でゴルフをしている写真を見たことはないだろうか? そのスーツは、イギリス発祥の「ラウンジスーツ」と呼ばれ、現在の紳士服の定番「スーツ」の原型となっている。このラウンジスーツが、ゴルフの服装規定、いわゆるドレスコードに大きく関係していた。ここでゴルフの歴史とともに初めて定められたドレスコードを簡単に振り返ってみる。
史実に初めてゴルフが現れるのは1457年にイギリスのスコットランド(当時はスチュアート王家が治めるスコットランド王国)で発令されたゴルフ禁止令。当時、スコットランド王国と南部のイングランド王国は犬猿の仲で戦争を繰り返していた。そんな折にも関わらず兵隊がゴルフやフットボールばかりして軍事訓練をしないのを憂えた国王ジェームズ2世は、直々に禁止令が出した。この法律は、その後も3代に渡って発令されたが、国王ジェームズ4世が法を犯してゴルフに夢中になってしまい、それ以降は発令されることはなかった。それほどまでにゴルフはスコットランド人の心を虜にしていった。
次にゴルフが史実に登場するのは、スコットランド女王のメアリー・ステュアート(在位1542~1567)の時代。彼女は世界で初めてゴルフをした女性だと言われている。メアリーの息子でスコットランド国王のジェームズ6世が、1603年にイングランド王国とスコットランド王国の統一王ジェームズ1世となった。ジェームズ1世らスコットランド貴族は、ゴルフの楽しみを供にイングランドに移り住み、以後「貴族のスポーツ」としてイギリス全土に広がっていった。
1400年代からゴルフの発展の中心的役割を果たしてきたスチュアート家には、次のような家訓があった。
「相手に敬意を払い、周囲に不快感を与えない服装こそ“作法”の第一と知るべし。服装は自分のために非ず、相手に対する心の底からの礼儀なり」
つまり、この家訓は、自分さえ満足すれば何を着ても良いということではなく、自分の身だしなみを見た相手がどのように感じるかが問題だということを伝えている。この「スチュアート家」の作法に従い、ゴルフでは機能性より儀典性が重んじられた。こうした歴史からゴルフは、「貴族が正装でやるもの」となっていったのである。
時は変わり18世紀後半にイギリスで産業革命が起こると、産業の発展により庶民の経済力が上昇して中産階級や資産家が現われ、それまで一部の貴族や上流階級のスポーツだったゴルフが庶民のレジャーとして盛んに行われるようになる。それに伴いゴルフの服装も変わっていき、それまで正礼装とされていたフロックコートやモーニングコートに対して、コートの裾を切り落としたラウンジジャケット、すなわちラウンジスーツがイギリスで流行し始めた。
身体を動かすために筒型のゆったりとしたシルエットで作られたラウンジスーツは、レジャー・アウトドア用としてたちまち普及し、ゴルフでも着用が認められるようになった。
19世紀に入ると、イギリス人は海洋貿易による世界進出とともにゴルフを世界中に広めていく。ゴルフが伝わったばかりのアメリカンでも、そうした伝統に敬意を払い、スーツにネクタイ着用の決まりが遵守された。
1894年にUSGA(全米ゴルフ協会)が設立され、全米オープン選手権などの競技会が開催されるようになると、アメリカでもゴルフ熱に火が付き、全土へと広がっていった。そして気候に恵まれたフロリダやカリフォルニア地方に多くのゴルフコースが建設されていった。
だが、カリフォルニアの30℃を超す暑さの中でイギリスの伝統に沿ったスーツにネクタイでゴルフをするのは無理な話。
ジャケットは脱ぎ捨てられ、ネクタイは外され、シャツの袖も半分に‥‥‥、と服装は簡略化されていった。そんな流れに危機感を持ったUSGAが、「せめて、シャツの襟だけは付けておきなさい。これはゴルフゲームに対する畏敬の念であり、相手に対する礼儀でもあるのだから」と正式にドレスコードを定めたのが1927年。
「Men must wear shirts with collars.」(男性は襟付きのシャツを着用しなければならない)
カジュアル化が進み過ぎ、ゴルフの伝統を壊してしまうかもしれないという危機感から生まれた規制であり、これがアメリカにおける最初のドレスコードとなった。その後、このドレスコードはイギリスへも「逆輸入」され、やがて世界中へ広がっていった。
※参考文献
「ゴルフの歴史」石川洽行著エムシーアール
「王者のゴルフ」夏坂健著日本ヴォーグ&スポーツマガジン社
という記事でした。
機会でありましたら、ぜひお手に取って読んでみてください。
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