芝を傷める時は、ゴルフボールを打つときだけにして!
ゴルフマナーは、ゴルファーみんなが楽しく、安全にプレーするための基本的なルールです。
そのなかで「マナーの象徴」とも言うべき最も大切なマナーが、パッティンググリーン上における「ボールマークの修復」です。
パッティンググリーンにできるボールマークとは
ボールマークとは、ボールが空中の高いところからパッティンググリーンの上に落ちたときにできる凹みのことを指します。
特にベントグラスのパッティンググリーンでは、ボールの衝撃によって芝生の痛みは激しく、ボールの回転とその衝撃でその部分の芝生は死に、床土は固く締めつけられます。これをそのまま放置すると、その回復には長い期間を要することになります。
パッティンググリーンは、ゴルフのスコアにおいて雌雄を決する場所であり、競技かプライベートかに関わらず、パットのひとつひとつが、とても慎重になります。
とてもデリケートになってしまうパットが、思わぬ場所で跳ねたり曲がったりせず、スムーズなボールの転がりを出すために、グリーンキーパーは、細心の注意を払って、パッティンググリーンを日々管理しています。
「ボールマークの修復」はゴルフ規則第1章エチケットの「コースの保護」内にうたわれています。
そこには自分自身が付けたもの以外も修復するようにと明記されています。
ボールマークを修復することは、芝生の保護だけでなく、後から来るプレーヤーが適正なパットを行えるようにするための大切な心くばりとなっているのです。
ルール上、「ボールマーク」だけは、パットの如何に関わらず、いつでも修復することができます。
ボールマーク以外でつけられたパッティンググリーンの傷は、歩き方など、あらかじめ注意をしていれば防ぐことができるものとされ、唯一「ボールマーク」だけは、パッティンググリーンに傷をつけても仕方がないとされているために、このようなルールになったと考えられます。
ボールマークを放置しない
ボールマークをそのまま放置することは、後続のプレーヤーに対して迷惑を掛けるだけではありません。ゴルファーに良質なグリーンを提供するため、日夜細心の注意を払いながら管理しているグリーンキーパーや関係者への冒涜にも値します。
パッティンググリーンに上がったら、自分のものだけでなく、気づいたボールマークは、すべて直すように心掛けましょう。
ボールマークの直し方
ボールマークを修復するためには、必ず道具が要ります。
ここでは、ボールマーク修復ツールのディボット・スティックを使って直し方を説明します。
まず、ボールマークを修復するための道具は、ポケットなどすぐに取り出せるところに携帯するようにしてください。
ちなみに「ディボット・スティック」はロングティーとしても使えるので、携帯しておくと便利です。
パッティンググリーンに上がったら、まず自分のボールマークを探しましょう。
自分のパットの線上にあるボールマークが優先ではありません。自分のつくったボールマークから修復していきます。
修復手順①
「ディボット・スティック」を地面に深くしっかり差し込んで抜くという「抜き差し」の動作をボールマーク全体に繰り返していきます。まっすぐ「抜き差し」を繰り返すだけで、凹んだところが自然に上がってきます。
このときに、ボールマークの中心に芝生を寄せたり、中心を持ち上げたり、ねじったりしないようにしてください。まっすぐ「抜き差し」することにより、少しでも芝生に悪影響を及ぼさないようにし、回復を早くさせることができます。
修復手順②
ボールマーク全体が持ち上がったところを、パターのソールなどで平らになるようにトントンと軽く押さえてください。これで完了です。
グリーンフォークは?
グリーンフォークといわれる従来品では、ボールマークの中心に向かって、芝生を寄せたり、持ち上げたり、ねじったりしなければ修復できませんでした。これでは、放置するよりは早く回復しますが、芝生の根が切れたりすることにより、回復のスピードは決して速くありません。
パッティンググリーンの上にボール大の大きさで褐色になっている部分を見たことがありませんか?
これは、グリーンフォークで修復して、平らになってもボールマークの芝生の回復に時間が掛かり、その間、ボールマーク跡はずっと褐色に枯れているからです。
グリーンフォークのもう一つの問題点は、先端が二股になっているので、表面が少し固いと非力な女性や高齢の方では簡単に修復することができません。
それを意識して地面に差込み易いものは、先端が鋭利になっているので、携帯していると危険です。
世界最大のゴルフ大国アメリカでは、従来の先端が二股のグリーンフォークと同型のものでははく、先端が1本のスティックタイプが、主流になりつつあります。この形状の方が芝生にも優しく、修復も簡単にできるのです。
機会がありましたら、ぜひ「ディボット・スティック」で直してみて、実感してください。
パッティンググリーンに上がったときに、ボールマークを2、3個サッサッと直してから、ボールをマークして拾い上げるという、ごく自然な流れでの修復する姿を同伴プレーヤーが見たとき、「デキル!」と思われることは間違いありませんね。
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