「ジャケット着用」などのドレスコードは本当に守らなきゃいけないの?
ニッカーボッカーズ(Knickerbockers)はズボンの一種で、長さが膝下までで、すそが括られた短ズボン。19世紀末頃から野球、ゴルフなどのスポーツウェアとして広まりました。
略称「ニッカーズ」とも言われています。ここでは、以下「ニッカーボッカーズ」ではなく、「ニッカーズ」とします。
現在の日本では、土木・建設工事の作業服として多く見られます。
ニッカーズが、日本に入り「ニッカポッカ」と略されるようになりました。理由は定かではありません。
ニッカーズの起源
ニッカボッカーズの起源は、オランダからアメリカへの移民が着用していた「ブリーチズ」と呼ばれる短ズボンということです。
この「ブリーチズ」とは、フランス語でいう「キュロット」にあたるもの。17~18世紀にはヨーロッパの宮廷に出入りした男性のぴったりした「下体衣」を意味していました。
まさに“ベルばら”の世界です。
現代においては「ライディング・ブリーチズ」として乗馬などに用いられています。
ニッカーズの語源
アメリカ人として初めてヨーロッパで有名になった小説家W・アービックが、1890年「ニューヨークの歴史」を出版した時、オランダ系の名前であるD・ニッカボッカー (Diedrich Knickerbocker) というペンネームを用いました。この本が人気を博してくると、次第にニューヨークのオランダ人移民とその子孫のことを「ニッカーボッカー」と呼ぶようになり、さらに本の挿絵で彼らが穿いていた短ズボンが「ニッカーボッカーズ」という名前で呼ばれるようになったということです。
今でも英語で“Knickerbocker”というとオランダ人移民のことを指すそうです。
ニッカーズがゴルフウェアとして定着
ゴルフウェアとして、ズボンが主流となる1840年頃までは「ブリーチズ」が主流でした。その後、ズボンにまさってニッカーズが流行し始めるのは1890年以降のことです。
ニッカーズが穿かれ始めた英国ゴルファーは、《ノーフォーク・ジャケットにニッカーズのスタイル、足元はスパッツ(短い脚絆「ゲートル」)と多色編みのストッキング、これにハンティング帽を被る》というゴルフスタイルでした。その姿は、まさにハンティング(狩猟)ウェアそのものでした。
ノーフォーク・ジャケットとは、当時男性のスポーツ用ジャケットとして利用され、現在では主に軍や警察の制服として利用されています。元々は狩猟用の上着でした。
ゴルフウェアの歴史には、ハンティングウェアの存在が色濃く映し出されています。
ニッカーズは、足場の良くない狩場と同様、英国のリンクスコースで見られる生い茂る常緑低木「ヒース(heath)」の中を分け入るときに足を傷だらけにならないように守るため、ゴルフでも好まれたと考えられます。
1900年代に入っても、一般的なゴルフウェアは、シャツにタイをきちんと結び、ベストに上着を重ね、ズボンまたはニッカーズを穿いていました。
ジャケット、ベスト、ニッカーズを共地で組み合わせて、スリーピーススーツに仕上げたものが「ニッカースーツ」です。
ニッカースーツは、あらゆる素材を使用し、動き易い柔らかさ、組み合わせの流動性、快適さを中心としたデザインが強調され、いかにも紳士の嗜むスポーツというにふさわしいコスチュームでした。
ニッカーズの衰退
1920年代になるとゴルフの状況が一変し、同様にゴルフウェアにも革命が起こります。
英国の国技ともいうべきゴルフにおいて、その英国を押しのけて、アメリカが台頭してきたのです。
アメリカの選手は、上着を脱ぎ捨てて軽装でプレーし、全英オープンなどで勝利するようになりました。
それからというもの英国ゴルファーの間でも軽装でのプレーが主流となっていきます。
1930年代以降は、ウィンドブレーカーやセーターが続々登場し、ネクタイがはずされるようになりました。さらに、それまでブラウン系、ダークグレー系、もしくは白の基本色に加えて、ブルー、グリーン、イエロー、レッドといったスポーツウェア・カラーが登場し始めました。
これらトップス(上)の変化はボトムス(下)の変化をも呼び、必ずしもニッカーズがベストと考えられなくなり、スラックスを中心とした動きになっていきました。
第二次世界大戦が終わり、1950年代のゴルフウェアは、合成繊維の開発、スリムなスラックス、そしてポロシャツが登場し、ニッカーズを穿くゴルファーは一気に少なくなっていきました。
ゴルフ用ニッカーズの別称「プラス・フォアーズ」
ゴルフ用とその他の用途のニッカーズには違いがあるそうです。
それは、「長さ」と「膨らみ」。
例えば登山用の場合は、出来るだけ丈は短めにして膝のすぐ下のところで絞ります。
一方ゴルフ用は、もう少し長めで太めに作ります。
標準の形は膝下6インチ(15㎝)、ゴルフ用の長い物で膝下8インチ(20㎝)に仕立てるそうです。登山用では膨らみや長さは邪魔になるので、ゴルフのようにゆったりとしたデザインにはしません。
この8インチのニッカーズを別名「プラス・フォアーズ(Plus fours)」と云い、ゴルフの達人が着用するニッカーズとされています。
理由は、標準より2インチ長く、両足で倍の4インチ、これをゴルフのハンディに見立てて「ハンディ+4」から来ている呼び名だそうです。
「上手くなければ穿けない」と言う噂が広まったということもニッカーズを見かけなくなった理由の一つかもしれません。
再び脚光を浴びるニッカーズ
1999年の全米オープンで優勝し、その4カ月後に不慮の飛行機事故により42歳という若さで亡くなったペイン・スチュワートは、ニッカーズスタイルとハンチィングの帽子がトレードマークで、今も多くのゴルフファンに愛されています。
最近では、人気プロゴルファーのリッキー・ファウラーもニッカーズをよく穿いています。日本では、すし石垣プロが有名ですね。
また、2014年「日本グランドゴールドユニデンシリーズ」では、出場プロ全員がニッカーズスタイルで参戦し、来場したギャラリーを楽しませていました。
今、クラシックスタイルのニッカーズスタイルが再び脚光を浴びています。
軽井沢や大阪でもニッカーズのクラブが結成され楽しまれています。
少しお洒落をしてゴルフを楽しむ。
今時のカジュアルスタイルだけじゃなく、「クラシックスタイルもいいよね。」と若い人たちが感じて、ニッカーズが新たなゴルフウェアアイテムのひとつになればいいなと思います。
「卵が産めない」ニッカーズはフェアプレーの申し子
ゴルフのニッカーズには、こんな別の意味もあるそうです。
ゴルフ専門隠語に「卵を産む」という言葉があります。
ゴルフプレー中にラフとか際どいところに打ち込んだ場合、ボールが3分以内に見つからないとペナルティーを受けるので、ズボンのポケットにあらかじめ穴をあけておいて、そこからボールを下に落とせば、不自然でなく裾から足元にボールが出てきて、「あった!あった!」となる、これを「卵を産む」といいます。
しかし、ニッカーズはズボンの裾が締まっています。
つまり、ニッカーズではインチキできない、ルールに基づいてフェアプレーを遵守するというアピールスタイルとも言われているそうです。
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