女性のゴルフウェアの今と昔
ゴルフ場が定めるドレスコードの調査
ゴルフの服装については、各ゴルフ場やゴルフ競技団体において、ドレスコード(服装規定)が定められています。
しかし近年では、進化した素材を使った「インナーウェアによる上下レイヤード(重ね着)スタイル」、「UVカット機能付きポロシャツやショートパンツ」、また「スパイクレスのスニーカーゴルフシューズ」「デニム素材のパンツ」など、今までの枠にあてはまらないアイテムや着こなしが増えています。
デザイン的にも、カーゴポケットパンツやミリタリー(迷彩)デザインなど多くのドレスコードで禁止されているデザインが、ゴルフウェアメーカーから数多く販売され人気となっています。従来の感覚では好印象を与えないスカル(どくろ)柄も多くなっています。
現在、ゴルフ用としてメーカーが販売しているウェアは、レディースウェアを筆頭に「ゴルフファッション」というジャンルがしっかりと確立され、最新の流行を取り入れたファッション性に富んだものが多数販売されています。さらにゴルフのカジュアル化によって、流行の普段着をゴルフウェアとして着るなど、個人の主観による多様化が進んでいます。
ゴルフウェアメーカーとゴルフ場業界やゴルフ競技団体との“意識のズレ”が、年々大きくなっているように感じます。
若年層だけでなく30代40代にまで広がっている個性的なゴルフファッションに対し、ゴルフ場や競技団体などでは、従来からのドレスコードを守りたいという想いと、流行や時代の変化に対応できないと新たなゴルファーを獲得できないかもしれないという想いが交錯しているような状態です。
そのような状況の中、現状それぞれのゴルフ場のドレスコードでは、どの程度の違いがあるのでしょうか?
そのことについて、ゴルフダイジェスト社が発刊しているゴルフ業界向け専門誌「ゴルフ場セミナー」誌で、服装規定の調査結果が掲載されていましたので、少しご紹介したいと思います。(※2015年 有効回答数303コース)
まず、ゴルフ場にドレスコードがあると答えたゴルフ場は80%。そしてそのドレスコード違反者に対して、「注意をしない(「あまりしない」を含む)」と答えたゴルフ場が50.2%の約半数となっています。
この「注意をしない」が、「何を着ていったらいいのか分からない」状況をつくってしまっている要因のひとつといえます。
「ジャケット着用」から見る地域差
この調査の中で「ジャケット着用の義務」について地域差が大きくあることに驚きました。
さらに勝手な考えで、関東地方が最も服装に厳格で、もちろん「ジャケット着用義務」の比率も高いだろうと思っていました。
しかし意外な結果が出ていました。
「着用を義務」の比率が最も高いのが近畿地方の80.9%(「酷暑期のみ着用義務なし」のコースも含む)、次いで中部地方の56.6%、そして関東地方は38.7%という結果でした。2012年、2007年の過去の調査結果も似かよったデータとなっていました。
なぜ関東地方の比率がここまで低いのでしょうか。
関東には厳格なゴルフ場が多いと思っていたのですが、先進的なゴルフ場が多いということなのでしょうか。
分かりません。
そこで雑誌の編集部に直接問い合わせをして、その理由を考えてみました。
すると考えられる大きな理由が見つかりました。
「ゴルフ場の立地」、すなわち「プレーに行くゴルフ場までの距離」です。
例えば、大阪駅を中心に考えると50㎞圏内では、大阪府全域はもちろん、西は兵庫県のゴルフ銀座と言われる三木・吉川エリア、北は京都市内全域、東は滋賀県大津市から奈良県北部をすっぽり覆い、南は和歌山県の橋本市まで含まれます。このエリア内に近畿の約60%のゴルフ場があります。
同様に東京駅を中心に考えた場合、50㎞圏内では、都心部を少し広げたぐらいのエリアとなり、圏内にあるゴルフ場の数はそんなに多くはありません。
編集部によると50㎞圏内(埼玉、東京、神奈川、千葉)のゴルフ場では、ほとんどが「ジャケット着用の義務化」をしており、50㎞圏外(栃木、茨木、群馬)のゴルフ場の多くは、義務化されていないということでした。
せっかちな関西人は、ゴルフ場までの所要時間として目安は1時間以内、ほぼ50㎞圏内です。この中には、プレーフィーも手頃なゴルフ場がたくさんあります。
しかし関東ではそうはいきません。
ゴルフ場までの所要時間として、1時間30分から2時間掛けてゴルフ場に行く人が多いということです。
理由として考えられるのは、都心50㎞圏内にはセルフでも平日1万5000円~2万円、土日ともなれば3万円近くする高額プレーフィーで、厳格な会員制を保っているゴルフ場が多く、サラリーマンゴルファーはよほどのことがない限り、都心から離れた茨城、栃木方面にあるプレーフィーが安いゴルフ場を目指して出掛けるそうです。
そうした郊外のゴルフ場側も、集客のために服装にこだわらないカジュアルさをウリにするところが多いように感じるということです。
いや、それだけが理由ではありません。
ゴルフ場業界の現状から、そのように「変えざるを得なくなった」といった方が正しいのでしょう。
ゴルフ場業界は20年前のバブル経済の崩壊以降、法的整理などを経て目まぐるしく経営交代が進みましたが、依然経営状況が厳しいのは変わりません。郊外のゴルフ場はさらに深刻な状況にあります。
一方、一般ゴルファーもインターネット予約サイトの普及により、会員でなくても、いろいろなゴルフ場に直接予約してプレーできることが当たり前のことになりました。
そのため、数多くのゴルフ場を回るうちに、ゴルフ場毎にドレスコードが違うといっても、いちいち事前に調べることが面倒になってしまったということもあるかもしれません。
ドレスコード(服装規定)に対する相互理解に努める
今回の調査で「ジャケット着用」以外の服装については、どうでしょうか。
Tシャツやタンクトップ、ブルージーンズ、スウェットの上下やトレーニングパンツ、女性ではキャミソールなどが、全国的に9割前後のゴルフ場が望ましくない服装としています。これには地域差もなく、従来から大きく変わったというところもありません。
こうした結果から、「来場時のジャケット着用」以外に、大きくドレスコードを変えるような動きは出てきていません。
メーカーは多様な商品を販売したい、ゴルファーもそれを着てお洒落を楽しみたい、でもゴルフ場は相変わらずドレスコードで禁止している、にもかかわらず注意はされない。
このままでは、最も大切なゴルフの精神である「定められたルールの遵守」ということ、そして「他人に迷惑を掛けない」ということまでもが脅かされるかもしれないと危惧してしまいます。
これからゴルフを始める人からは、「何を着てゴルフに行ったらいいのか分からない・・」という不安の声をよく耳にします。
これからゴルフを始める方には、まずプレーするゴルフ場のホームページか直接問い合わせをしてドレスコードを確認して、それを遵守していただくことが大切です。いきなり個性的ファッションを発揮されない方が良いのでは・・・としか言えません。
600年以上の歴史を持つゴルフ、日本においても114年の歴史を持ち、すでに日本のゴルフは、ひとつの文化(カルチャー)として、欧米とは別の道を歩み始めています。
現状を打破し、日本ゴルフの活性化を目指すのであれば、ゴルフ場やゴルフ競技団体は、歴史を踏まえたドレスコードの正当性をメーカーやゴルファーに理解してもらう努力をし、そして時代のニーズに合わせて、変えるべきところは変えていくという見直しが必要な時期に来ているのではないでしょうか。
それぞれがそれぞれのニーズに合わせて、役割を持って変化をしていく。
多様なゴルファーニーズに合わせて、それにピッタリ合ったゴルフ場を選択して、みんなが安心してゴルフを楽しめるようになればいいなと思っています。
■参考資料
「ゴルフ場セミナー8月号」ゴルフダイジェスト社
編集部の皆様、ご協力ありがとうございました。
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