ゴルフコースの総距離とホールの距離
日本といっても、北と南、北海道と沖縄では気候が全く違います。そんな気候の違いによって、ゴルフコースの芝生の種類も何が最適なのかが変わってきます。日本の一般的な牧草としてコウライシバやノシバは、日本での生育には適していますが、低く刈込むゴルフコースのターフとなると話しは変わってききます。
ゴルフ場で使われる芝の種類
芝草には多くの種類がありますが、寒地型芝草(Cool season turf grass)と暖地型芝草(Warm season turf grass)の2つに分けられます。いわゆる北海道などの寒冷地でも生育する芝種と夏の高温期に生育旺盛な芝種ということです。
また別の分け方として、日本では、日本芝と西洋芝の2種類にも分類することができます。
ここで、日本のゴルフ場で一般的に使われている芝種を簡単に分類してみます。
日本芝
●コウライシバ類(暖地型芝草):
主にティーインググラウンド、フェアウェイで使われ、ベントグラスが主流となる以前のグリーンにも使われていた芝種です。本州から九州に分布し、生育適温は30°Cと高くなっています。耐寒性は劣るために、北海道では生育しません。
●ノシバ類(暖地型芝草):
主にラフで使われている芝種です。北海道北部以外の日本全土に分布・自生し、平野や海岸によく見られます。アスファルトの隙間から生えている芝はこの芝であることが多いです。最大の特徴は葉の硬さで、日本芝のなかではもっとも固く、座ったときにチクチクすれば、ほぼノシバに間違いありません。この芝は、節間が粗く繁殖方向が直線的で伸びが速いために、緻密な芝になりにくいために、ティーインググラウンドやフェアウェイで使われにくいとされています。
西洋芝
●ベントグラス類(寒地型芝草):
主にパッティンググリーンに使われている芝種です。グリーンで使用されるために3~4㎜で刈られていますが、本来、草丈は30 ~50cm程度伸びる強い芝生です。生育気温は15~ 25°Cと耐寒性が高いために、温暖な地域では通年緑のパッティンググリーンとして採用されています。
●バミューダグラス類(暖地型芝草):
ティフトンシバとも言われ、オーバーシーディングの夏用の芝として主に用いられている芝種です。日本芝に近い性質を持ち、ランナー(ほふく茎)で繁殖します。日本芝より休眠期間は短く、ほかの西洋芝より葉は細かく濃緑色で鮮やかです。暑い地方のサッカー場やラグビー場などでよく使われています。
●ライグラス類(寒地型芝草):
オーバーシーディングの冬芝として用いられる芝種です。生育が速く密度が濃いために、運動場などで利用されます。寒さに強いが、暑さにめっぽう弱い特徴があります。
あとで簡単に説明しますが、「ウィンターオーバーシーディング」では、夏用のベースの芝として暖地型芝草にはバミューダグラス類(主にティフトン種)、冬のオーバーシード用の寒地型芝草としてライグラス類(主にペレニアルライグラス)という組み合わせの相性が良いとされ、多く採用されています。
「ウィンターオーバーシーディング」は、「カラーリング」に比べて費用が掛かります。
近年では「ウィンターオーバーシーディング」を採用しているゴルフ場は経費削減から、その割合は急速に減少しています。
ウィンターオーバーシーディング
「冬でも緑のフェアウェイでプレーしたい」というニーズに応える方法のひとつとして、「ウインターオーバーシーディング」があります。
この手法は、「ダンロップフェニックストーナメント」で有名なフェニックスカントリークラブや弊社有馬カンツリー倶楽部でも採用しており、また阪神甲子園球場やMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島、その他Jリーグの多くのサッカー場でも採用されている手法です。
「ウィンターオーバーシーディング」とは、「冬に向けて、上に種を蒔く」といった意味で、初秋の気温が高いうちにベースの暖地型芝草の上に寒地型芝草の種を蒔き、冬期間も芝生を使用できるようにしようという管理手法です。この間は休眠中の暖地型芝草と緑色の寒地型芝草が共存していることになります。
この2種類の芝種を生育させるという、いわゆる二毛作方式によって1年中緑のフェアウェイを維持するという手法です。
カラーリング(着色)
毎年11月中旬に「三井住友VISA太平洋マスターズ」が開催される太平洋クラブ御殿場コースは、国内ツアーを代表する美しく整備されたコースとして、ファンにもプレーヤーにも高い人気を誇っています。その中でもコウライシバのフェアウェイの美しい緑は、その重要な要素となっています。
気温が下がり始める11月のコウライシバは、何もしなければ枯れて色が変わってしまいます。その芝生を自然な緑に保つために、同コースでは「カラーリング(着色)」を行っています。
カラーリング(着色)は、コースの見た目が美しいだけでなく、芝生に色が着くことで太陽光の吸収効率が上がるため、芝生が枯れる時期を遅らせる、雪や霜が溶けやすくなる、春先の芽出しが早まるなど、芝生にとって多くのメリットがあります。太平洋クラブ御殿場コースでは現在、芝の退色が始まる前の10月初旬から2度、肥料成分も混ぜ合わせた着色剤を撒いているそうです。
着色というと、枯れた芝に人工着色料を吹き付けたというイメージを持ってしまいがちですが、現在の着色剤は技術が進んでいて、当然ながら芝生や生物に害のある素材ではありません。また以前は、シューズやボールに色移りがあったということもよく聞きましたが、現在の着色剤は一旦乾燥すると色移りの心配はありません。安心して緑のフェアウェイでプレーを楽しめます。
ただし、芝生自体は休眠状態ですので、削り取られてできたディボットが、冬の間にターフになるということはありません。冬の間そのまま残ります。
手法は違っても「冬でも緑のコース」を楽しんで!
冬のゴルフ場は、「カラーリング」「ウィンターオーバーシーディング」、あとは冬枯れのコウライシバそのままのフェアウェイなど、ゴルフ場によってコースの状態は様々です。
寒い冬ですが、この時期は名門コースでもお得な料金でプレーできます。
ぜひ、いろいろなコースでプレーを試してみてはいかがでしょうか?
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