ゴルフの特別ルール『マリガン』と『ビリガン』
初めてのゴルフ場でプレーするとき、真っ先に「特設ティー」があるかどうかを確認する癖が、すっかり身についてしまいました。
右へ!左へ!どこに飛んでいくか分からない初級者の私にとって、『ティーショットがO.Bの場合、前方特設ティーからのプレーイング4にて、プレーする事ができる』という処置は本当に“ありがたいルール”となっています♪
これがあるおかげで、上手な同伴プレーヤーにご迷惑を掛けることなくスムーズに前進できます。
もしもこのルールがなければ、何球打ち直していることやら…
同じように“ありがたいルール”と思っているプレーヤーも大勢いるのではないでしょうか?
それぐらい日本のゴルフ場では、なじみのあるルールとなっています。
前方特設ティーからのプレーイング4(前進4打)とは?
「前方特設ティーからのプレーイング4(前進 4打)」とは、 ティーショットが OB やロストボールになった時の救済措置として、 ローカル・ルールが定めるプレーの仕方の俗称です。
正式なルールに則った処置としては、1罰打を科して打ち直す処置となりますが、この「前進4打」ルールはの場合は、2罰打のもとで前進し、4打目を打ってプレーを続行することになります。
「特設ティー」もティーインググラウンドとしてティーアップできる?
「特設ティー」とは次打(4打目)を打つ地点として特別に定められた場所のことです。
この特設ティーからのプレーに際しては ティーアップをして打つことが出来るのか否か、疑問を持つ人も少なくないでしょう。
ゴルフ規則のティーインググラウンドの定義は、「プレーしようとするホールのスタート場所をいう。」とあるので、4打目を打つ「特設ティー」は、正式なティーインググラウンドではありません。
ただし慣例として「ティーアップ出来る」ということになっています。
このルールは、正式なゴルフ規則に存在するものではなく、何度もOBを繰り返す場合を想定した遅延防止と初級者救済のための日本特有の例外的な処置となっています。
進行を優先するために日本のゴルフ場が作り出したローカル・ルールとして定義されているのです。
特設ティーがあるホールでは「打ち直し」はダメなの?
規則の適用で考えると矛盾するルールですので、公式競技で利用できるものではなく、プライベート用の救済ルールです。
JGA(日本ゴルフ協会)の見解では、これ以上矛盾を大きくしないためにも、「特設ティーからの前進4打」か「1罰打で打ち直し」かの決定は、プレーヤーの自由裁量によらなければいけないということになっています。ですから、プレーヤー自身で選択できるということが基本となっています。
プレーイング3での特設ティー
混乱しやすいのが パー 3 ホールなどの「プレーイング3(前進3打)」です。
ゴルフ場で設定されるのは、ティーインググラウンド前にO.Bではない大きな池(ウォーター・ハザード)があり、ティーショットがその池に入った場合の救済処置として「前方、特設ティーからのプレーイング3」が設けられているケースがあります。
しかしパー3ホールだから「プレーイング3」という考え方ではなく、ハザードかOBかによる救済処置の違いという考え方です。
パー3ホールでも「前方、特設ティーからのプレーイング4」のルールを設けられているゴルフ場は数多くあります。
ローカル・ルールですので、そのゴルフコースの特徴や考え方によって異なっています。
「前方特設ティーよりプレーイング3」と「ドロップエリア」の違い
パー3ホールの「前方、特設ティーよりプレーイング3」と同じような看板で「前方、ドロップエリアよりプレーイング3」という看板のあるゴルフ場があります。
ティーイングラウンド前の池の救済処置で、ドロップエリアを池の前方に設けているのですが、ここでは「特設ティー」と「ドロップエリア」という言葉の違いにより、ティーアップのできるできないを決めるのが妥当と考えます。
看板で「特設ティー」とある場合はティーアップができるとし、「ドロップエリア」の場合は、エリア内でドロップするということになります。
「特設ティー」を使用することによる問題点
ゴルフ場の月例競技などで、「特設ティー」の使用を可とする場合に問題がでないとも限りません。
例えば「特設ティー」の設置場所よりはるか前方にボールが飛んだが、もしかしたらOBかもしれないというような場合、ボールを探しに行く前に、先に「特設ティー」から暫定的に打つことが可能かどうかなどの問題がでてきます。
暫定球同様にボールのある位置を越えなければ、暫定的に打っても良いという人もいるし、「特設ティー」から打った時点で、それがインプレーのボールになるという人もいます。
どちらが正しいかは、ゼネラルルールにはない概念のために分かりません。あくまでゴルフ場の決めたローカル・ルールですので、現状では各ゴルフ場の判断を最優先とするべきではないかと考えます。
深く突っ込むと様々な矛盾がでてくる日本独特のローカル・ルールですが、これからゴルフを始める人にはとっても便利なルールです。上手く使っていきましょう。
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