ホールインワン保険がいるような慣習はもう止めません?

谷光高

谷光高

テーマ:ゴルフマナーニュース

先日、ゴルファー保険の補償のひとつであるホールインワン費用補償、いわゆる「ホールインワン保険」を使った詐欺と思われる事件が発生しました。
有馬カンツリー倶楽部がある三田市内のゴルフ場で起こった事件ということもあり、すごく身近に感じてしまいましたので、少し触れてみたいと思います。

プロゴルファーら3人逮捕 ホールインワン詐欺の疑い


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兵庫県警は10月2日、兵庫県在住のプロゴルファーAとB2名と同県在住の無職のC1名の計3名を容疑者として詐欺の疑いで逮捕しました。プロゴルファーBは容疑を認めているそうです。

警察によりますと、容疑者のプロゴルファーAが4月、上限100万円の「ゴルファー保険」を契約し、そのうえで3人が共謀し、兵庫県三田市内のゴルフ場で5月9日、A容疑者がホールインワンを達成し、記念品購入などの出費があったとする虚偽の報告書を保険会社に提出。保険金100万円をだまし取った疑いがあるということです。容疑者Bとプレーし、容疑者Cがキャディーだったと報告しています。
3人が関わる同様の保険金請求が3回あったことを保険会社が不審に思い、県警に相談し、事件が発覚しました。
日本プロゴルフ協会によると、容疑者AとBは昨年、プロテストに合格していたということです。
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ここで、疑問点を整理してみます。
①プロゴルファーや指導を職業としている人(インストラクター)は、ゴルファー保険に加入できないはずです。加入時に身分を偽ったのでしょうか?
②ほとんどの保険会社では、ホールインワンの証明には、証明する第三者の目撃(アとイ)証明が必要となっています。
ア.同伴競技者
イ.同伴競技者以外の第三者(同伴キャディー等。具体的には次の方をいいます。)
同伴キャディー、ゴルフ場使用人、ゴルフ場内の売店運営業者、ワン・オン・イベント業者、先行・後続のパーティーのプレーヤー 等
※セルフプレーでキャディーを同伴していない場合は、同伴キャディーの目撃証明に替えて前記イ.の目撃証明がある場合に限り保険金をお支払われます。)

今回は容疑者Cがキャディー役だったということですが、証明書には、最終的にプレーしたゴルフ場の証明が必要なはずです。ということは、このキャディー役の無職C容疑者は、ゴルフ場に呼ばれた時だけ勤務する派遣登録者なのか、もしくはプロゴルファーの帯同キャディーとして事前にゴルフ場の許可を得ていたのかなどが考えられ、いずれにしてもあらかじめゴルフ場は「キャディー」ということで認識されていたと思われます。
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別にこれ以上、深く詮索していくつもりはありませんが、同様の事件は過去にも起こっています。
あくまで個人の見解として、この「ホールインワン保険」は、こういう事件が後を絶たないことを考えると、もうそろそろ無くしてもいいのではないかと思います。そもそも、この「ホールインワン保険」が必要となっている日本の慣習自体がなくなればいいと思っています。

ホールインワン保険の成り立ち


日本では1982年に共栄火災が販売を始めたのが最初と言われています。
日本ではホールインワンやアルバトロスを達成した場合、「喜びや幸運を皆と分かち合う」という名目で祝賀会や記念コンペ大会を行う慣習が、このころすでに定着しており、下記に示すような多額の支出が発生していました。

・祝賀会や記念コンペ大会を開くこと
・記念品やご祝儀を他のプレーヤーやキャディーに贈与すること
・ゴルフ場に記念植樹すること

その費用は規模により異なりますが、通説では少なくとも30万円くらいであり、中には軽く100万円を超える場合もあるといわれています。一般会社員がゴルフを趣味としていることを考えると容易に負担できる金額ではなく、無保険でこのような事態に陥ると、滅多に起こらないことを成し遂げた喜びよりも、金銭面のダメージによる苦しみの方が格段に大きくなってしまいます。

そのために、ゴルファー保険にはこれらの事態に対処するための保障として「ホールインワン保険」が組み込まれるようになりました。

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なぜ、日本人はこういう慣習になってしまうのでしょうか?
欧米人とは明らかに違う点ですね。もっと気軽に周囲に祝ってもらえるようになればいいのにと思います。ホールインワンをした人が、お金をかけて、あちらこちらに、ばらまくようにおすそ分けなんて・・・
もうそういう慣習は必要ないのではないでしょうか?
これからゴルフが、ゴルフをしていない多くの人たちに受け入れられるためにも、
ゴルフだけの常識、一般感覚での非常識は、できるだけなくしていく努力をした方が、これからのゴルファーにも受け入れられやすいと思いますが、いかがでしょうか。

一生に一度あるかないか分からないせっかくのホールインワン!!
本人はもちろん心から喜べて、周りの人に心からの祝福の拍手をもらえたら、それで十分ではないですか?

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谷光高
専門家

谷光高(ゴルフ場経営者)

新有馬開発株式会社(有馬カンツリー倶楽部)

一部の人が楽しむゴルフから、誰もが気軽に楽しめるゴルフへ。日本のゴルフ文化を変えるため、ゴルフ初心者へのサポートや子どもたちへのレッスン、学校の授業などを行い、初心者にゴルフを楽しむ機会を提供している

谷光高プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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