危機殿の高い夫婦は会話で分る
今日のテーマは夫の本音をどこまで分かっていますか?という問いかけです。
妻からのよくある相談の中で、夫に浮気に対し、「夫に、浮気を止めて…って言いたいのですが、どんな風に言えばいいですか?」と問われます。
今日の話題は、夫の浮気がある程度、明白で、夫もある程度、浮気は妻に認めているというケースの相談です。
妻の悩みや苦しみを夫に伝えたいのだというのですが、どんな風に言えば分かって貰えるのかという相談です。
そこで、私はその相談者に「ご主人が、貴女の訴えを聞いてどう思うか、想像できますか?」尋ねます。
つまりご主人が何を思って、浮気に走るか、です。
それくらいは分かっておく必要がありますが、それは夫側を理解して許しなさいという事ではありません。
【夫の胸の内3選】
私がお聞きしたいのは、相談者のご主人が妻の願いを聞いて、ご主人がどう思うかを、告げる側も多少想像できますか?と言う事で、つまり夫に妻の願いを伝える前に答えのパターンを3種類くらい想定しておいた方がいいのです。
その3パターンとは
1、「そうか、そんなに妻の君を苦しめていたんだね、ごめんね、もう浮気はすっぱりやめるから」
2、「浮気は認めるけれど、夫婦の距離は、浮気とは関係ない」
3、「浮気の事よりも、妻の君の~こういう行動が、とても耐えられなくて、家庭が苦痛なんだ」
大きく分けてこの3パターンだとすると、それぞれに対する妻の返答も用意というか準備しておく必要があります。
普段から、夫の気持ちをよく分かっている妻ならば、1~3のどれかを言われたら、夫の胸の内として聞けるでしょう。
でも日常、あまり会話がない夫婦で、妻も夫の気持ちを分からないという人は 1は嬉しいかもしれませんが、2と3はただただショックだと思います。
そのショックから、返す言葉も見つからないというのが、実際の話になるだろうと思います。
それに対し、1を言って貰ったら妻としては、嬉しいでしょうけれど、その前に、妻が夫の本音もこれまで全く想像もしていなかった夫婦は、ある意味冷めているので、そんなに夫側もそんな美しい心情でいるとは考えにくい。
と、いう事は、1で言っている言葉も額面どうりに解釈するのは、ちょっと、危険と言う事になります。
【逆の発想】
では、1から3は、考えようによっては、逆の答えの場合があります。
裏読みのような事になりますが1は夫が完全に妻の心を溶かそうと優しさ全開で嘘の謝罪をしている事もあります。
2に対しても同じことが言えて、妻の目線を他に向けるように、話のすり替えの可能性もあります。
3はもっと悪質で、家庭人として、夫の自分の役割放棄を正当化させている言葉です。
この様に1から3も、深読みや、裏読みをすると全く逆の発想が出来るのです。
【分かって欲しい、の前に夫を分ろう】
妻から「◯◯について話したい」と言う事は、夫に伝わるかどうかというより、恐らく妻の願い虚しく夫には伝わってないという事です。
ここでショックを受けているだけでは、話をした意味がないので、ここは夫の胸の内と言うのは、おおよそ妻の気持ちを聞いて、応えてあげようという、夫婦の関係じゃなかったという事が分かる事になります。
弁護士の先生もよく言うことばですが、依頼者から、相談を受け、受任するかどうかへの返事に「やってみないと分かりません」と言われます。
私も同じく、よく使う言い回しですが 「どんな波紋が広がるかは、池に石ころを投げ込まないと分からない」と言ってきました。
その波紋を見てから今後の事を考えるのがいいのですが、石を投げ込む前から美しい波紋しかおきないと思っていると結果はショックしかありません
と、いう事で話をもとに戻すと相談者が言う「話したい」は、思いをぶつけたいという事にほかならず、
夫側が、どう思っているかは予想していないという事になります。
【話の一方通行】
相手の胸の内を想像できずに、妻の胸の内を伝える。
これでは、話が一方通行になるのは無理がないという事になります。
他人が何を思うかは、分からないのは仕方ないのですが、自分の夫が、夫婦の間に横たわる問題に、どんな考えを持っているかを推し量る事は必要です。
それを分かった上で、話し合いをするのは、いいのですが、タダ胸の内を分かって貰いたいと思いをぶつける事は
単なる一方通行と言わざるを得ません。
そして今日、私が言いたかった事は、そういう風に、夫に対しては、妻の思いをぶつけたら分かってくれるという自分の考えを認識していますか?と言う事です。
確かに、「話せば分ってくれるだろう」と言う願いは分かります。
しかし、そんなにすんなり妻の願いを受け入れる素直な夫であれば、不倫もそこまで重症化しないのです。
また、これまでの夫婦のもめ事で、夫婦がぶつかっていった理由を思い出せば、妻も意外と攻撃的だったりする。
そういう事で夫婦の会話が成り立たず、関係に溝が出来て言ったとしたら、相談者の妻も、自分の話し方とかの特徴をよく分かっていません。
夫へ伝えたい事を、それほど上手に伝えられたという経緯をたどってきていないのです。
それが、思い立ったように、妻が夫に話し合いを持ちかけても、そこで、問題がすんなり解決する程、交渉術が高くないという事です。
【自分の事が分からない人は、伝え下手】
自身の事があまりよく分かっていない。そんな人は人の気持ちも見えにくいのです。
皮肉な言い方ですが、自分の事が分かっていない人が夫という他人に妻の思いを分かってもらう事は難しいのです。
【夫の本音】
夫の本音については、ここで私が全部、分かっているかというと、人の夫の事ですから、
全部わかっているとは言えません。
でもこれだけは言えます。
妻からの話合い要求は、夫からはたいてい迷惑に思っています。
夫にだって心の準備があるし、妻から何か言われるのは、「今じゃない」と言う事だと思っているし、話し合おうというのは、夫からいずれ、そういう時期が来たら、と考えていると思います。
もちろん、その時では手遅れになると困りますが、少なくとも、急には困るというのが本音です。
そして話すとしたら、「夫の自分から話す」とタイミングモ、自分が決めると思っている可能性があります。
そういう時に、不意打ちを妻が付いて、話し合おうと持ち掛けても、恐らく夫は不機嫌な顔をするだけだと思います。
【仏頂面の実は・・・・】
だからこれまでも、妻は腹を割って話したいと思っても、恐らく夫は仏頂面だったと思います。
男性は、女性のように、困った時に困った顔をしません。
多くの男性は、心の弱さを仏頂面と言う事で乗り切ります。
だから夫が不貞腐れている時などは、「困っている」と考えるのが妥当です。
厳しい言い方をしました。
夫の浮気で苦しむ妻には、それだけでも厳しい仕打ちなのに、私までが貴女に鞭打つ言い方をしました。
でも、貴女の「夫に分かって欲しい」という事を伝えるには、少しは夫の心情を読み取る技術が備わってからでも遅くないと思います。
では今日は、ここまで。