後ろめたさ
【夫の事しか見てない事の結果】
これは前回,書きました浮気相手の事を知らないと分からないのです。
たいてい、相談者の妻は自分と、夫との今後しか考えていません。
でも実は、当方に相談に来られた後、残念ながら離婚になってしまった方もいます。
それは、当方に相談に来られた段階が遅すぎたという場合が離婚になるケースがあります。
また、相談に来られた時期がいくら早くても、離婚される夫婦もいます。
その理由は 私がいくら相談者に向けて努力目標をお伝えしても実行して頂けない場合もあるので、私も無理のない方法をお伝えしますが、離婚になったという報告を受ける際に「先生からのアドバイスを守ろうとしましたが、夫の方から、喧嘩を吹っかけられて、我慢が出来ず、言いたい事を言ってしまいました」と言われます。
そうです、皆んな人間ですから、「そうしたらいいよ」と教えられても、我慢の出来ない事が起きるのが日常ですから
仕方がない事もあります。
【夫の事しか見たくない】
でも、そんなことも分かった上で、貴女が見ているのは、夫の事だけなのです。
本当に、貴女方、夫婦にというより、貴女の夫に影響を及ぼすのは、実はその浮気相手の動向だと言えるのです。
だから、貴女はつい目の前の夫だけを見がちですが、本当に知らないといけないのは、その浮気相手が何を考え、
その浮気や貴女のご主人に何を求めているのかを知る事が、後で気が付けば手遅れだったという事にはならないでしょう。
それには、その浮気の持つ性質と言う事を知る必要があります。
ここで、数年前の相談事例ですが、ある家庭の話です。
夫が、浮気症で、何人かの女性と、軽いのから重症?な浮気と繰り返す夫がいます。
そこで相談に来られ、何人かは、私と一緒に鬼退治ならぬ浮気相手退治をしました。
これで安心していたのですが、実はほどなくして、そのご主人は、あろうことかまた別の女性と浮気を始めました。
【浮気相手の事を知ろう】
つまり、以前の女性とはキッパリ別れても、また新たに浮気相手を見つけてくるのだから、これはもうその夫の体質のような物で、相談者の失望は半端ではなかったです。
これは私も少し計算違いで、申し訳ないと思いました。
そして後々分るのですが、その浮気相手は、もうセックス依存症のような女性で、男性からすると、ホイホイ尻尾を振って付いてくるような人でした。
【モグラたたき】
だから、モグラたたきの様な事ではありましたが、その新らしい浮気相手にも警告を発し、排除に努力をしました。
でも、一筋縄ではいかず、そのご主人も妻の目を盗んでは、デートしたりをするのです。
しかし、そうな私ながらその夫は妻には優しくし、昼間に妻と一緒にランチデートもする夫で、妻と決して仲が悪いと言う事ではないのです。
つまりこの夫は浮気をしながらも家庭を壊す気が無く、妻と離婚をする気などは毛頭ないのです。
でも妻にしたら、この浮気相手を憎み、自分の夫を独占出来ない嫉妬に苦しむのです。
勿論この相談者の望みは、夫とその女性を切り離す事ですが、この妻の不安を取り除くには、浮気相手の事を少し冷静な目で観察することをおススメしたのです。
その夫の事を観察してみました。そうしたら、その浮気相手の事を決して大切にしているとは思えない。
要は、セフレなのです。しかも、その女性に会いたくてたまらないという事ではなく、その夫の都合のいい時だけ呼び出すという都合の良い女性という立ち位置です。
確かに他の女性に心を奪われている夫を見るのは辛いとは思いますが、本当に心を奪われているとは思えないのです。
また、その浮気相手の女性もセックス依存症の部分があるので、その夫から呼び出しがあると尻尾を振って付いてくるという事ですので、ある意味女性も哀れだと思うのです。
1つ前のコラムにも書きましたが、浮気相手の事を知るという事は、何も住所や名前が分れば、それでいいという事ではありません。
それよりも、その浮気相手の女性の人と也りって、知っているでしょうか。本当に大切なのは浮気相手が性に対してどういう考えを持っている人か、それを知る事で、今後の行く末が想像つきます。
そこで、私の出番だった訳ですが、その浮気相手を、ご主人はちっとも大切にしていない、と言う事を色んな例を用いて、分析をし、お伝えしたところ要らぬ嫉妬を抑えようという事に切り替えられました。
【ここからが本番なのです】
でも、ここからが、本当の意味でのカウンセリングを行いました。
実はこの相談者の嫉妬と、浮気相手に対する怒りは、実は自分の夫に向けた物だったのです。
本当は、結婚以来浮気を繰り返す夫に怒りを持っていたけれど、相談者が本気で怒ると、その結婚生活を手放さないといけないという恐怖心があり、夫を憎むという事をしてはいけないと自分に無意識のブレーキをかけていたのです。
だから、その怒りの矛先を浮気相手の女性に向ける事で、夫を愛している風に自分に言い聞かせていたと言う事です。
だから夫が妻の事をいくらデートに誘い、一見夫婦が仲良く過ごしているように思っていたけれど、本当は、その浮気相手の女性をセフレという物のように扱う夫そのものに失望をしていたのです。
でもそれを自分で認めてしまったら結婚生活を妻が投げ出したくなるのではないかと恐怖に思い、その浮気相手を憎む事にシフトしていったようです。
つまり夫にセックスで手なづけられているのは、妻である自分も同じじゃないかと言う事を認めるような事になる為
夫を尊重する演技を続けていたのです。
そしてその浮気相手を憎むという事で、夫への怒りをすり替えていたのです。
妻はここの本当の自分に気付いてからが、サア本当のお仕事が始まります。
この相談者は心根はとてもやさしい女性です。
私が、「この浮気相手の事を哀れだと思いませんか?」と言った時に、首を横に振り「ちっとも可哀そうじゃない、人の夫にちょっかい出す厚かましい人だ」と言い放ちましたが、カウンセリングを続けていくうちに、段々、その女性に自分を投影していて相談者は、女性への憎しみは、実は妻自身、自分を憎んでいる投影だと気付いたのです。
で、どうなったかというと、別に夫婦が破綻した訳でもありません。
ただ、自分の夫を見る目を変えたのです。
【仮面夫婦からの脱却】
自分達夫婦は、夫と仲睦まじい夫婦なんだという仮面夫婦から脱却したのです。
だからと言って、直ぐに夫の事に風当たり強くしなさいと言っているのではありません。
それまでは、仮面夫婦で、夫に対しても怒りを抑え、演じて来ていた、その演技を止めなさい、と言う事をご理解頂けました。
夫に裏切られ、おまけにその浮気相手の事も、物のような扱い。
そんな夫と思うと、妻の自分がどうなるか、怖かったという事ですが、案ずるより産むが易し、です。
この妻は、ちゃんと演技が出来たというより、本当の自分が出せて、本当の言葉を話す事が出来ました。
そうすると、この夫も自分も本性を見抜かれた事で良き夫を演じる必要がなくなったのです。
つまり夫婦がお互いに善き妻、良き夫を演じていたのです。
ではここで夫婦が破綻したか、というと、そんなことはありません。
この夫婦は、落ち着く所に落ち着いたという事です。
これまでは、綺麗ごと過ぎたと反省されていました。
【日本人夫婦はベタベタしないが本質では繋がっている】
そんなに、年齢を重ねても仲がいい夫婦なんて、多くありません。
特に日本人同志の夫婦なんて、年をとれば口も利かなくなるくらいが普通です。
それなのに、このご主人は、妻に対して優し過ぎました。
結婚してからも浮気を繰り返してきた夫が、妻にだけ優しい愛情の持ち主と言う事は考えにくい。
逆に、いい年になっても過度に優しいという男性は、何かやましい事を抱えているに違いない。
とひねくれものの私は思います。
【年をとっても仲良い夫婦】
なかには本当に、仲良しの夫婦はいらっしゃいます。
でも、それはほんの一握り。
過去からずーっと浮気ばかりを繰り替えてきた夫がそのひと握りのグループにいるはずがない。
また、浮気ばかりをしている夫を、妻もそんなに、何もなかったように愛せるハズはないのです。
それなりに、夫婦はぶつかりながら、やっていくのです。
それが普通とは言いませんが、そういう夫婦の方が圧倒的に多い。
仲などはよくなくても、それなりに、みんな生きているのです。
その等身大の自分達に、いつ気付けるかが、楽になれる入り口だと思います。
では、今日はここまで。