愛情のケチ
私は離婚するつもりは、一切なかったので 元夫からの離婚宣言は、腰から砕け落ちる感覚でした。
それまでは、家に生活費を入れてくれなくて、2年間も家に帰ってこなくても、元夫の良い所だけをみて
いつかは苦労が報われると信じ、働きました。
多少不満は持っていても、愚痴は言わず、明るく過ごしたら、ある日突然の夫からの離婚。
この頃は、女性の存在も知ってはいましたが、見て見ぬふりをしていました。
何故なら、私の元夫には、欠点を上回る長所があると思っていたので、こんなはずじゃないというか、このまま、私を裏切り続ける人じゃないと、どこか根拠もないのにいつか幸せになれると信じていました。
今にして思うと、どこにそんな自信があったのか、自分でもわかりませんが、ある意味、そう思わないと苦しくって、踏ん張っていられなかったのだと思います。
そんな中、元夫は、下の子が高校を卒業した時点で離婚を言って来たというのは、ある意味、息子の卒業を待ってのタイミングと思いましたが、私はまだ元夫を信じていたのでしょう。
実際は、女性の存在があったのが大きな離婚理由で、直ぐに再婚したとSNSで発表している事をみると、息子への影響もさることながら、やはり元夫は自分の結婚を待っていた事も理由のひとつでしょう。
結果的に、離婚が成立した時は、「これまでの自分の苦労は何だったのか」と、悲しくて寂しくて、失望感も一杯で、1日、泣きました。
そして2日目には、泣くだけ泣いたからなのか、本当に気持ちが軽くなりました。
信じていた物があっけなく無くなるという事と、
逆に信じていた物が簡単に形を変えるという理不尽さに、バカバカしくなったというのが実はの所です。
つまり、信じていたという事の、値打ちのなさに驚きましたが、実際は 私は本当に心の底から夫を信じていたのではなく、自分を奮い立たせる為に、自分の為に信じていただけだったのです。
何がいいたいかというと 相手を信じるという事は、美談でも何でもなくて、私は自分の為に、信じていたという事でした。
私に寄せられる相談の中に、夫に裏切られている事は明白なのに、夫の浮気に何年も気づかない妻がいます。
それは、子育てが忙しく、夫に干渉している暇がない人もいるでしょう。
また、自分の夫は浮気などをする人じゃないという風な妻もいるでしょう。
でも中には、夫の浮気を疑いつつ、夫婦の関係を保つ事の方が大事と考え、私に相談を寄せて下さいます。
そういう方の特徴は、夫の浮気はそれはそれとして、夫婦関係が希薄だったので起きた問題だから、浮気問題に手を入れるより、夫婦の関係を改善したいと希望されます。
これは、浮気問題が夫婦関係の希薄にいっさい影を落としてない場合は確かに夫婦関係修復を優先するべきかもしれませんが、浮気問題が夫婦の関係に影響を与えていないはずはないのです。
これは妻が今の夫婦の関係を、夫と妻の二人称で考えているからです。
実際は浮気相手を、加えると今の問題が三角関係と表現するのが耐えられないからと言う事もあります。
と言う事は、浮気相手の存在を認めていない(当たり前ですが)から。夫婦二人だけの問題として考えたいという気持ちの表れです。
現状を、夫と妻の二人だけの問題にしたいという事です。
夫を信じていて、夫だけを見て来たその結果、夫の浮気を疑いもしませんでした、という現実に蓋をしていた事は、自分では認めたくないのです。
何がいいたいかというと これは離婚する前の私にも言えるのですが、私は本当に心の底から元夫を信じていたのではなく、自分を奮い立たせる為に、自分の為に元夫を信じていたと言えるからです。
そこで今日のタイトルですが「離婚後の気持ち」ですが、結論から言うと、離婚後、特に何か気持ちが切り替わったとかではなく、憑き物が落ちたような感覚で、長い眠りから目が覚めたという感じです。
私はこの年齢まで、長い夢を見ていた感触です。
孤独を恐れひとりになる事を恐れ、生活をどうしようかと不安を抱き、子供には父親が必要と思って、元夫にすがっていた私は、考えると、生活費を入れない元夫は 私が稼げばいいと割り切り、30年間の結婚生活の大半が子供にも無関心の元夫に対してでも、いつか気づいてくれる、今は過渡期なのだと解釈していました。
いつかは・・・・いつかは・・・・と期待する私の夢は叶えられないまま、終わりましたが、不安をもつ必要もありませんでした。
何故なら 私はそれらの不安は、結婚生活の中で、やり遂げていたからです。
ただ、私のように頑張っている妻が、最後は裏切られたままで終わる訳はないという自分への慰めであったと自分を信じていたのです。
夫の事を信じているのではなく、自分を信じていたのです。
離婚をしてから思った事は、「長い夢を見ていたなあ」という感覚です。
そして、感触でいうと、ウェットではなく、ドライ。
意外と、カラッとした感じでした。
最も色んなケースがあるので、一概には言えないと思いますが、もし、ご主人を信じてやまない人は、それほど、離婚後の事を恐怖に想う必要はありません。
意外と、不安の正体がわかると、「なぁーんだ」と言う感覚になります。
思った以上にドライな気持ちが蘇ると思います。
では、今日はここまで。