電子計算機使用詐欺事件を考える

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦は話し合ってはいけません

山口県阿武町が誤って振り込んだ新型コロナ対策の臨時特別給付金4630万円を取り込んだとする田口翔容疑者が5月18日に逮捕されました。
当然、悪い事をしたら、罰を科せられるという事においてはひとまず、一段落したというところでしょうか。

ただ私は仕事柄、この事件の発端は別の観点から考えています。
それは何かというと夫が浮気をした場合の夫婦の関係に大変似ていると感じる点があるからなのです。

そもそもが、職員の不注意による振り込みのうっかりミス。
これを夫の浮気になぞらえて考えると、要は、本人はこれほど大した事になるなんて考えていない事。
浮気も 最初から夫婦関係を壊してまで、浮気がしたかったわけではないという事です、この事件の入り口はとても些細な事なのです。
ミスというか、浮気で言うと、魔が差したようなものです。

しかし、それがミスだと気付いた時の対応の仕方がまずかったと思います。
つまり、今になって容疑者の田口翔を犯人として罰するという事以前に、犯罪と言うなら、容疑者の銀行口座を凍結するという方法もあったはずです。

でも、役所の人たちも穏便に済ませたかった事もあり、「返金してくれ」と話し合いに行ったのです。
もちろん最初から犯人扱いを出来るハズはないけれど、口では「返す」と言いながら、返さずに逃げた段階で、ある程度の期間があったわけだから、ここで銀行を凍結すればせめて、ここまでの金額の引き落としはさせずに済んだはずなのです。

これは、役所側も、全額を取り戻そすと言う事は叶わなくても、被害を最小限に抑える為に、逃げている段階で約束不履行な訳だから、速やかに銀行口座を押えたらよかったのに、と思うのです。

でも役所側は犯人扱いしたくないという気持ちもあったせいで、話し合いや説得で、お金を戻させようとしたのです。

でも 人間って弱い物で、特にお金の誘惑には勝てない物です。
それを、その人を信じて、倫理観に訴えたのが、間違いだったのです。

浮気も同じこと。
目の前に人参をぶら下げられたら、誘惑されますよ。
それよりも、その誘惑される「ブツ」を残したままで、精神論と言うか良心に訴えかけたというのが間違いの元だったという事です。

田口容疑者を出来るだけ犯人扱いをしないように、という優しさはよく分かります。
でも、それほど、彼と役所は信頼感はないのですから、その彼を信じたという事が間違いです。

田口容疑者も最初からそんな大それたことをする気持ちは無かったと思いますが、目の前の大好物には勝てないのが人間です。

浮気だって同じこと。
確かに倫理的にはよくない事だけど、すでに入り口に立った夫を信じるというのも、無理な話。

夫の良心を信じるというのは言葉は綺麗だけど、色んな誘惑に負けないように、あえて忍耐力を与えるようなもの。
それって、もう拷問のような物なのです。

人間は誘惑に弱い。

浮気は誘惑の塊で、浮気相手から誘惑されるという意味ではなく、甘い蜜という誘惑に勝てるほど、男性は強くないのです。

と、言う事で、今回の電子計算機使用詐欺事件が、ここまでの被害になる前に、「田口容疑者の良心を信じた」という役所側の甘さです。

最終的に指名手配の様に連日連夜、ニュースを流し犯人扱いをするくらいなら、最初からは「犯罪」と認定し、被害が決定打になる前に、事務的に事を進めるべきだったと思うのです。

正直、お金を使い込んだ田口容疑者が一番悪いように言われているけれど、発端は振込ミスです。
ミスである限り、その被害を最小限に食い止め、そして一人の人間に犯罪を犯せないような先手を打ち、未然に防ぐ手立てをしたら、田口容疑者にも、変な気を起させないようにできたと思います。

誰かを責めるという事ではありませんが、あまり物事を良心的に性善説で考えるのは、危険と言う事です。

という風に、考える私はひねくれてますかね?
夫は浮気をしないような自制心に問いかけるよりも、浮気を継続させないような防波堤が、急遽でも用意するべきだと思うのです。

でもギャンブルにしろ、そんな大金を短期間で使い、さぞかし、面白かっただろうな、と私は思います。
そして、その後は、とても怖くなったと思います。
ワザワザ、そんな機会を与えてしまい、その後に彼を叩きのめすというのは、ある意味彼も哀れです。
何か、田口容疑者の運命が大きな渦に巻き込まれてしまった運命のいたずらに思います。
そもそも、田口容疑者が逃げたきっかけは返金を求められただけではなく、500万円の弁護士費用まで余計に請求すると脅かされたから。

たったひと月で、こんなに人生の歯車を狂わせられるという事に彼自身が驚いていたのじゃないだろうか。

そもそもの彼の良心に問いかけながら、同時に弁護士費用までという脅かしをされた時点で、信頼関係が失せたと思うのです。

どうだろう、同じことが私にも起きたらどうしたかな。
これが拾得物のように落とし物を拾って正直に届けたら、落とし主から、1割貰えたなら、話は変わっていたかな?
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

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Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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