夫と妻、考え方の違い
私は相談を寄せて下さる相談者の方にこう聞きます。
「これからどんな夫婦になりたいですか?」と。
そうするとどなたも異口同音「信頼をし合って会話のある夫婦に」と仰られます。
これは今の現状の真逆の状況を言ってらっしゃるのだと言えます。
つまり、今は夫の浮気のせいで、信頼感は全くなくなってしまい、嘘もつかれたから信用も出来ない。
だから諍いも多かっただろうし、不倫の事で裏切られたせいで会話も減っていったのだと思います。
もちろんここは希望だから叶うように進めていかなければなりませんから、全力でサポートはさせて頂きます。
しかし、そもそも論で言うと、夫婦の互いのタイプと言うのがあって、元々会話は多かったの?
元々夫婦として信頼感は存在していたの?という事もあります。
要するに、元々無かったものを、これかた夫婦を立て直したからと言って、そういう信頼感が生まれるという事でもありません。
大事な事は、今ここで立ち止まって、これまでの自分たち夫婦はどうだったのか?という事で、元々がそういう関係性でなかったというのなら、そういう関係性を生むように、今から新たに作り上げて行かないければなりません。
それには何が大事かと言うと、建設的な関係性という事です。
結婚をしたから、良い夫婦になれるのではありません。
夫婦になったから、添い遂げるのが当たり前でもありません。
妻という籍が入った関係性だから、誰もその権利を脅かす事は出来ないという事でもありません。
形あるものは壊れる事があり、安泰と言う事は人間関係において永遠に保障されるものでもないのです。
では、こうした危機感を持ちながら、どうやって行かなければならないかと言うと「作り上げる」という事を意識しなければなりません。
家でも同じです。
長年暮らしていると、色んな所が痛んで来るし、屋根だって劣化してきたら修繕やリフォームは必要です。
夫婦という人間関係は、そうした事と似ていて、若い頃は単なる好きだ惚れたという感情だけで結びついたとしても、そういう感情は直ぐに色褪せます。
常に補強をしながら、その都度の現状に添わせていかなければなりません。
若い時は、お肉やグリルのような料理が得意であっても、年齢を重ねると、お浸しや魚の煮つけに好みも変わってきます。
そして何よりも健康面にも気を配ろうとしたら自然と和食が多くなったりします。
そんな風に無理に何かを替えなくても子供が巣だって、夫婦が年を取って、色々変わってきます。
それが夫婦が同じような足並みで変わっていける事が理想です。
どちらか一方がいつまで経っても、脂っこい物を好んで、片やどちらか一方が、あっさり好みになっても
押し付け合ったら、そこには溝が出来ます。
だからそういう場合は、二人が話し合いをし、どちらか一方が自分の考えを押し付けるのではなく、夫婦で話し合って、互いが妥協できる点を見つけないといけません。
例えば健康面を配慮して、夫に極端なダイエットを強いても、夫が納得してそれを受け入れないと、妻に隠れ食べをするだけです。
つまり自分の価値観だけのごり押しは、相手の為を思ってと言っても、うざったく思ってしまいます。
私も人には偉そうには言えませんが、母からは良かれと思って言われた事も、沢山反抗しました。
こんなことを経験したから、私は自分が子育てをする時に、子供には「栄養があるから食べなさい」的な言い方はしませんでした。
子供が幼い時には、ウルトラマンや好きなヒーローもこれを食べて強くなったんだって、というような
子供が喜んで食べる工夫をしました。
これは何も食事とかの事だけではありません。
例えば家を全く片付けられない妻だっています。。
その妻をどうやったら、少しづつでも暮しを快適に出来るような片づけをしてくれるようになるのか?
夫婦には夫婦の数だけ課題はあると思います。
若い時にはあばたもえくぼだったものが、しっかりあばたが見えてくる時期がくるのです。
その時に、片方が自分の考えを一方的に、言い下すだけではなく、相手がどうしたら、受け止めてくれるか、という考え方をしないといけません。
「掃除はするべきでしょ」と断言する事は簡単です。
大事な事は、掃除をする事を自然と受け入れられる言い方は、どういうことなのか?と考える事から
相手を尊重するという気持ちが生まれます。
つまり、相手がこちらの意図する事を受け止めない限り、単なる家庭内パワハラになるだけなのです。
夫婦も長年暮らしていると子供だましのような事は通じないので、「整理整頓をするべき」というだけではなく、どうやったら伝わるかなと考える事が必要なのです。
相手の事を考える。
それは思いやりなのです。
健康面を心配してと思っても相手がそれを受け止めないと単なるお節介になります。
勿論、夫婦が健康でいる事は大切です。
どちらかが病気になって、何年も介護をしているという話を聞くと、いくら大きな家に住んでいても暮しは辛い物になります。
家族の疲労度も増し、ヘルパーさんに多少助けてもらっても、心の底のどんよりした気持ちは拭えません。
という事で、健康第一というのは、誰しも願うものですが、そういう事を夫婦が理解し合い互いに
協力し合う事が理想的です。
その事の中心になる考え方は、「建設的」という事です。
どちらかに考えを押し付けるのではなく、夫婦がどうやったら健康で、幸せになれるのか?
そういう生活を作り上げていく、という考え方が大切です。
何度も言いますが 夫婦は結婚したから、いい夫婦になれるのではないのです。
結婚した時は、結婚ゼロ歳です。
1年目は結婚2年生です。
未熟だという事です。
そして長年夫婦をしてきたら、今度は劣化が始まってると思わないといけません。
要するに、いつまで経っても油断が出来ないと言うほど、緊張はしなくていいれど、胡坐はかいてはいけないという謙虚さは忘れないでほしいのです。
私がこれまで相談を受けて来て感じたのは、一番夫婦として、仲睦まじいという事の反対側にいるのは
胡坐をかいた考え方を持った人からの相談でした。
そういう場合は、夫の浮気相手は妻と正反対の相手を選んでいる事がありました。
勿論、浮気相手を擁護する事はしませんが、男性は妻を怖がる人が多いのです。
そんな夫が選ぶ浮気相手は「従順」というタイプです。
その従順はもしかしたら その夫の前だけのポーズかもしれませんしブリッコしているだけかもしれません。
でも、偽物のブリッコだって、夫にはそちらの方が、気が休まるという事もあります。
今現在、浮気はしてなくても、家に帰って、夫とは会話も殆どないという場合は、ちょっと考えてみて欲しいのです。
例えば、直ぐに自分の部屋に入ってPCを相手に、時間つぶしをしているとか、全く一緒にテレビを見ないとか、要は同じ時間を全く過ごさないとしたら、それはちょっと、貴女を恐れている場合があります。
夫はそもそも妻を怖がる生物なのです。
これは殴る蹴るという怖さの話ではなく、精神的に怖がるものなのです。
だから、もし夫が貴女に対して逆切れをしたりDVをするタイプなら、それは「窮鼠、猫を噛む」です。
だから、妻は夫から怖がられていると思った方が良いでしょう。
だから、避けるのです。
ましてや、実際浮気でもしている夫なら、妻を怖がっているに決まっています。
そんな中、浮気の事を嫌味言ったり、夫に注意事ばかりをしては単なる、煙たい存在になります。
だけど浮気も疑がわしい中、夫に優しい態度で接しなさいと言っても、無理だと思います。
そうしたら、どうしたらいいか、というと、建設的に希望的に話すという事を考えて下さい。
夫に対して、何かしてほしいと事や希望があっても妻の話し方は「何故~してくれないの?」と不満モードの話し方をしてしまいます。
でも その不満的な話し方は夫には恐怖なのです。
だから、その代わりに「〇〇してくれたら嬉しいな」というように、希望的な言葉を使うのです。
「〇〇をしてくれて、こうなったら嬉しいな」というような「この先○○になるといいな」というような
建設的な言い方をしてほしいのです。
それがより良い関係性を作るという建設的な関係つくりと言う訳です。
今日のコラムは説教がましくなりました。
ね?嫌でしょ?こんな説教がましい事は。
私は、相談者が、夫に対して家庭内パワハラのような思いやりの押し付けをよりも、妻の希望や喜びを表現する柔らかさを、心がけて欲しいと思います。
これが私の希望です。
じゃ、今日はここまで。