愛情のケチ
ご家族が集う事も多いお盆休み。
色んな問題事は ちょっと、横において、一応は家族仲良くされていられるのではないでしょうか。
そんな事で、私へのご相談も、今、少し小休止ですが、ここでちょっと時間もあるので、過去の相談を振り返っています。
そこで、色んなタイプの相談者がいるのですが、ざっくりと分けて、夫の浮気を発見して、静観している妻と、大騒ぎする活発な人です。
ただ、相談をされて今後の対策を提案する中で、腹が座っているのは、静観している方で、逆に、腰が引けてしまうのは、これまで大騒ぎした人の方なのです。
この違いは何かな、と思うと、後者の方は、やり過ぎたものだから、今後何かやる事で、夫婦仲の溝が一層開いてしまうと恐怖心を持っているのです。
そしてその恐怖心の根本的な事は、これまで夫の浮気に対して、浮気相手に電話を掛けたり、何なら乗り込んだりとしてしまっている為、これ以上、手が出せないというか、万策尽きてしまっている状態です。
その上で、夫からは、「これ以上、要らぬ事をするな、もし、それをした場合、妻の君とは一緒にやっていけないから離婚をする」と、宣言されてしまっている状態なのです。
その為、にっちもさっちもいかなくなり、夫の浮気問題には手も足も出なくなっているという状態です。
では、ここで考えて頂きたいのは、夫の言いつけ通り、何もしなかったら、夫との平和な老後が来るかというと、そうではありません。
私の所の相談事に限らず、他社の統計を見ても、夫の浮気問題で離婚に至ったケースは ひと悶着はあっても、結果的に最後まで、解決の策を取らずに、結局は夫のやりたいように、任せておいたというケースが、やはり離婚へと進んでいます。
私の所に相談に来られたケースを見ていても、相談後、特に何も言って来られない方は ご自身でその後、対策をとられたかと、いうと、そうではなく、結局は何も対策を取らずに、夫の言うがままに、夫の浮気を野放しにしたというケースが、結果的に、数年してから、はがきを下さり、近況報告として、離婚をされた連絡を頂きます。
そして必ず、そこに書かれてある文字は、「あの時に村越さんの言う通りにしておけば離婚にならなかった」と書かれてあります。
いくらお褒めの言葉を頂いても、ちっとも嬉しくありませんし、それよりも何故、あの時に・・・と残念でなりません。
アドバイスは アドバイスとして受け止めて下さっても、それを実行するか、どうかは、本人の問題です。
でも 私もあまり、ご提案は押し付けません。
あくまでも それを実行するか、どうかは本人がどれだけ、真剣に取り組むか、腹が決まらないと、何か耳障りのいい慰め的な方法を求めているようでは、私の提案も、一歩が出ないでしょう
それは、なぜかというと、やはり、これまでやり過ぎた為、それで逆に夫から離婚をちらつかされ、何もできないと感じてしまったという事です。
でも、この心理は分からないでもないのですが、ここから取るべき対策は、成功する自信はないと、言われるのです。
では、これまでその妻が取ってきたやり方は、自信があったか、というと、恐らく自信よりも、過信があったのだろうと思います。その結果、上手く行かなかったと思い、失望し、その上、夫からは愛想を尽かされたような事を言われ
「大人しくしておくことが、ベスト」と勝手に思い込んでしまうのです。
そして、おとなしくした結果、夫から離婚をそれまで以上に迫られて、もう抵抗が出来なくなるという事が 離婚という結果を生みます。
失敗すると分かっているなら、誰も最初から そういう道筋を辿らなかったと考えられますが、ここで、思い違いをしているのは、自分の考えが正しいと根本的には思っているので、自分のやる事も間違ってないと考え、やり過ぎてしまうのです。
つまり、これは過信のほかなりません。
この過信とは、自信過剰という意味とは少し違うのですが、やはり自分の考えで、やっていこうという限り、それは自分の考えが間違っていないという事なのです。
なので、それを確信とか、いう事も言えますが、実は、それこそが、夫婦の立ち位置を記す物なのです。
夫の浮気は確かに、褒められたことではありません。
でも、その浮気に至るまでにきっと、シグナルを送っていたはずなのです。
そのシグナルを受け止める事が出来ず、浮気へと発展します。
そうなると、夫は、浮気を隠そうとして、妻と距離を置くことになります。
そうして、夫の足跡を掴ませなくして、水面下で浮気は進行します。
その結果、夫の行動を詮索し、追いかけまわし、浮気現場に乗り込んで・・・・
夫も それ以上されては、浮気相手への手前もあるので、一件落着を装います。
それと並行して、今度は妻を叩いてきます。
「浮気相手とはもう別れたから、妻のお前も、これ以上、僕の行動を詮索するな」と、釘を刺します。
そんな事を繰り返しながら、夫の行動には口を出さず、冷たい態度を取られ、夫婦のすれ違い生活が続きます。
そして、ある日突然、夫が家を出たり、と言う結果になります。
でも、この家を出たりと言う所がミソで、無理くり出るというケースもあれば仕事などの、もっともらしい理由で
単身赴任や別居を申し出ます。
しかし、この根本的な理由は 水面下で浮気が続いている事が殆ど。
それが数年後の、私への悲しいお知らせとなります。
今日、お伝えしたかった事は、自分だけの見解で、物事を進めていると、自分の知識にない事は
想像が出来ません。
つまり夫から、行動を詮索するな、と言われたら、詮索すると、最悪になるという脅かししか、貴女には残らなくなります。
でも 私の立場から、色々なケースを見て来た場合、夫の「詮索するな」は浮気継続宣言と同じという事を知らないのです。
だから、夫を疑ったり、詮索する妻は最低だ、と言われても本当の言葉の意味さえ知っていれば そこで引いている場合じゃないのです。
でも、そんなことを私が言うと、夫を信じないと前に進めないと言われます。
だから、表向きには、何も詮索しないポーズを取らないといけません。
夫婦は信じあって・・・と言うのが美談ですが それはもっと前にしておく作業で、貴女は夫を信じずに追っかけまわしたのですから、そんな後で、夫を信じるという姿勢を示しても、実は夫は貴女をもう信じてはいないのです。
こういう観点で考えないといけないのに、相談者は「夫はこんな風に言いました」とか「夫の帰宅が遅いのは残業だ」と言いました、とか・・・・・
いやいやいや、今信じている段階じゃないのです。
本当に信じるなら、夫の浮気が始まる前。
夫婦には何もなかった頃に夫を信じないといけなかったのに、妻がどちらかと言うと、全部仕切り過ぎた。
その結果、夫も面白くないから、自分を信じて慕ってくれる女性に惹かれるのです。
だから、夫婦は支え合い、信じあい・・・・というのは確かに必要ですが、それを使うのは、本当はもっと前の事でした。
色々、夫を疑い倒して、今 夫を信じると言っても、夫も妻を信じてはいないという事を分かって下さい。
そういう風に、頭のスイッチが切り替わったら 私の所で相談してみる価値はあります。
でも、今は夫の脅かしに屈し、少しでも妻が要らぬことをしたら、離婚だぞ、と夫から宣されている中で、
それが本当に、信じあうという夫婦の姿でしょうか?
貴女も、もう気づいて下さい。
貴女は信じるふりをしているだけで、本当は夫の事を信じてはいないのです。
信じるとは、お互いに、信じあわないと本当の信頼感は生まれません。
ちょっとでも、この線から出たら離婚だというように、脅かされている夫と、フェアーな信頼関係を結べるでしょうか?
貴女と夫は、脅かし合いの県警である事に気づいたら、もう貴女の考えを方向転換してください。
中には 相談に来られて、「夫がこんな事を言ってました」と私に夫の言葉の信ぴょう性を力説されます。
そんなに夫を信じたいなら私に、相談する必要はありませんが、夫を信じたいという気持ちを私と共有されたいのだと思います。
お気持ちは分かりますが、そもそも、貴女は 夫を信じているのに、夫婦の間に冷たい空気が流れていると感じているから、相談に来られたのでしょう。
だったら その夫の言葉を、もう一度、疑ってみる事も必要なのに、信じる事が美談のように、夫を無理くり信じようと、自分に言い聞かせているように感じます。
本当に信じるとは そんな無理がない事だと思います。
では今日はここまで。