「仕方がない」ではなく、仕方はある。

村越真里子

村越真里子

テーマ:離婚回避緊急対策

相談者の方と話をしていて、夫婦が壊れていった理由に、妻の貴女が行った夫に対しての言動の事を言われます。
その事を思い出しては、その方法が正しかったかどうかはともかく、悩んだ挙句、どうしていいか分からなかったから、と、いう発言をされます。
でも分からないなりに、何らかの発言や、行動は、悩みつつも、夫にぶつけています。
これを「じゃ、私が悪かったというのですか?」と食ってかかるような口調で、私に怒る方もいますが、そういう事を言っているのではないのです。

正解が分からなかった故に、自分なりに考えて、夫に思いをぶつけたというのです。
これを相談者は「分からなかったから仕方がなかった」と表現します。

でもよく考えて下さい。
人間、人生で初めての出来事は沢山起きます。
その度に、自分なりに自分が出来る事をするのです。
言い換えれば、全く自分の「素地」にない事は出来ないのです。

だから、仕方が分からなかったのではなく、その時に起こす言動が貴女の「仕方」なのです。

でも、これすらも私が指摘すると、貴女を責めていると憤慨するならかなり、貴女は怒りっぽい人です。
そういう怒りっぽい人は、夫と言う近しい人には、もっと全面的に出てしまいます。
そこに気が付かないと、夫婦の修復を願っても、その怒りっぽいという過激な部分を、貴女の夫が良しとするか、なのです。

ですから、貴女が自分の気持ちに逆らわず、一生、その事が改められないなら、例え浮気事件が終息しても、貴女の夫が貴女を見直すという事にはならないのです。

仕方がなかった・・・・・それは、仕方を知らなかっただけです。

では仕方とは何でしょうか?

夫の浮気に勘付いて、夫を問い詰める事でしょうか?
一度や二度は、問い詰めたくなるのは分かります。
でも そうしたけれど、何も変わらなかった場合、別の方法を考えないといけないのではないですか?
せめて、どうしていいか分からないなら、今、夫を責めているのは、効果がないと分からないといけないのです。

そういう意味で、貴女のするべき事、つまり「仕方」は、とりあえず黙る事です。
何でもかんでも、話せばいいというものではありません。
貴女のその話は夫への攻撃でしかないのです。

じゃ腹が立ったらどうしたらいいのですか?という貴女の声が聞こえて来そうです。
とりあえず、黙って、夫の様子を見るのです。
貴女は、夫の浮気を何とかしたいと思っているかもしれませんが、貴女が文句を言ったくらいでは、止まりません。

それよりも、貴女の頭の中は、夫の浮気が許せない気持ちが強く、それ以上に、貴女が夫の浮気で苦しんでいる事を夫に分かって貰いたいのです。
だから、貴女が訴えているのは 自分の胸の内なのです。

ね、これだけ、整理したら、仕方がなかったのではなく、自分の胸の内をぶつけたという
「仕方」だったと、もう気づいてもいいでしょう。

私はこの仕事をしてきて、四半世紀。
それで感じたのは 夫の浮気で離婚になったというケースはあまり多くありません。

むしろ、離婚へと進んでいったのは、浮気の事を巡り、妻の言動が過激すぎて、もう妻の元に戻れなくなったというのは 浮気をした夫の本音なのです。

では夫が言う過激とは?
夫の予定を全て監視し、何なら手帳から女性の名前を割り出し、夫に妻の目の前で電話をさせて、妻が浮気相手とやりあったり、何なら、浮気相手の元に妻が乗り込み、別れるようにと直談判して、大騒ぎになったりと。
中には、夫との過激な夫婦喧嘩で警察を呼んだりする夫婦も珍しくありません。

もう、何年か前に相談を受けたケースですが 夫はある大手企業の社員。
妻は専業主婦。
夫の浮気相手は 夫の勤務先から仕事を貰う立場のフリーランスの女性。
確かに、こうしたキャリアウーマンは、夫にとれば、話も合うし、趣味も合う。
仕事を一緒に取り組んで、その浮気相手と、達成感を共有すれば、打ち上げで酌み交わす安酒も美酒に変わる。

そういう事は妻の目にもとまり、穏やかでいられるはずがない。
妻は常に夫を責め続け、夫は、あまり帰らなくなり、会社で寝泊まりするようになり、
そのうち、暑い日も寒い日もあって、浮気相手の女性が自分の家に迎え入れるようになった。

そしたら、今度は妻が、息子を引き連れて、浮気相手の家に乗り込んで、そこにいる浮気相手を責め続けた。

そして、妻との別居が始まり、3年目に離婚が成立しました。

確かにこの離婚原因は、夫の浮気だと思います。
でも離婚原因は浮気ではなく、妻の過激な言動です。

誰も最初から、離婚をしようと思って浮気をする人はいません。
ずるいかもしれないけれど、妻にばれないように、細心の注意を払って浮気をしているのです。
それがばれて、妻が起こるのは当然かもしれません。
でも、その怒り方が尋常じゃなかった。
もちろん、誰が悪いかと言えば、夫が一番悪い。
しかし、夫が離婚を決意したのは、妻の何を言っても理屈を理解しない、そんなやりとりばかりで、浮気云々よりも、妻に対する気持ちが疲弊していったのです。

そこで、浮気相手とささやかな生活は始まり・・・・・これも決して褒められたことではないことは夫は、自覚していた。
でも悪い事とは知りつつも、人間性を比べたら、浮気相手は、誰にも頼らず一人で生きて来て、独身を貫いた訳ではないけれど、結果的にかなりの年齢まで、仕事をして、たった一人で社会の中で揉まれ、裏切りに遭い、それでも頑張って仕事をしなければ、誰も助けてくれない中で、生きて来たせいで、多少の苦労に耐性があったのです。

それに比べ、夫の収入で、子育てを頑張ったとは言え、浮気を見つけた途端に、鬼の首を取ったかのように、年頃の息子にまで父親の浮気を告げ、浮気相手の所に乗り込むなんて、
私にすれば 息子の結婚観をゆがめてしまいそうに感じます。

夫は別居をしても生活費は充分に家庭には入れました。
そして定年になっても働き続け、家庭には充分な生活費を入れ続け、夫は年金で暮しました。

たまに家に帰っても、相変わらずの妻の嫌味に辟易としたそうです。
これは夫側からの相談でしたので、浮気をした当事者の気持ちが聞けた相談でした。

夫は離婚を望みました。
妻は相変わらず平行線でした。
そして結果的に離婚は成立しました。

でも、この離婚は夫の浮気のせいでしょうか?
確かに原因は そうでも、離婚を決断したのは 浮気相手と一緒になりたいという事ではなく、妻から離れたいという事でした。
現に夫は今もその浮気相手とは結婚していません。
大人同士として、一緒に暮らしていますが、犬を春日井として、二人でつつましく暮らしています。

夫は自分のしでかした事の罪の重さは充分分かっていました。
しかし、妻は何を言っても取り付くしまがなかったのです。

そんな妻の中身が、夫の浮気により露呈されたかというと、そうではありません。
過去にも妻のわからずやな部分に、げんなりした事がよくあったそうです。

これが、もし、私が、何が何でも浮気は悪い事と決め打ちしていたら、恐らく夫側を責めていたでしょう。
でも、夫は「言い逃れと聞こえるかもしれませんが」と前置きした後で、ポツリと。

一度罪を犯すと、謝っても何をしても、一生許さないという妻の過激さに付いていくのがしんどくなった、という事でした。

夫は反省もしていたので、家も、退職金もすべて妻に渡し、裸になって離婚をしました。
私はこの場合の妻が、もう少し、夫を責めるだけじゃない柔和なやり方をしていたら、離婚にまではならなかったと思っています。

仲良く余生を過ごせたかどうかは分かりませんが、ここまで妻がしなかったら、離婚は免れたと思っています。

それなのに、離婚になったのは、夫の浮気のせいとばかり言いきれないと思います。
「仕方がない」ではなく、仕方はある。
仕方を探さずに、自分の感情のままに、言い続けた結果が、今としたら、
自身の発言を振り返ってみませんか?

解釈の問題と言われるかもしれませんが 離婚の本当の理由が、夫の浮気という事とおなじくらい、夫からしたら、そういうことを通して、妻の性格が分かってしまったので、もう、妻の元に戻れないと分かったから、と離婚を選ばれた夫が、意外と多いのを知って下さい。

では、今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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