後ろめたさ
タレントの堀ちえみさんが舌がんの手術をされ、今現在リハビリをされている事は、周知の事と思います。
その堀さんが、ナレーション付きでワイドショーでインタビューに答えられました。
堀ちえみさん、テレビインタビュー
舌癌を宣告された時、がんは首のリンパ節にも転移しており、医師からは、今後の治療方針を、聞かれたそうです。
それは3つの選択肢があり、淡々と感じますが、実はとても残酷な内容です。
治療法としてまずは
1、手術して悪い部分を取り除く。
2、化学療法。
3、緩和ケアで痛みを取ってそのまま何も治療をしないで痛みだけを取る
この3つの選択肢を提示されたという。
でも、ここには、一番残酷な言葉が隠されています。
これら、3つの方法の先には、「死」と言う言葉が伏せられています。
でも、患者の願いは、「生きたい」のです。
では、どのくらい生きられますか?という事が 本当のリスクだと思いますが そのリスクが分からない以上、3つから選べと言われても
困るというのが患者の気持ちです。
もっと言えば、患者の本当の望みは、「死にたくない」と言う事です。
その言葉を、ぐっと堪え、どのくらい生きられますか?何なら、どれが一番長生きできますか?という言葉を飲み込んでいる気がします。
世の中、色々な奇跡は起きます。
医師だって、奇跡を願いたい。
でも、職業上、言葉には責任が出来ます。
だからこそ、無難な事しか言えないのです。
例えば1、だとどんな副作用が起きるかと言うことは 誰も答えられないのです。
もしあえて答えるとしたら、再発をしないように、検診をこまめに受けて、生活に気を付けて暮らす、と言う事。
もう少し、ざっくりした言い方をすれば、恐怖心との戦いになります。
そして6年後に再発していなければ、やっと胸をなで下ろすと言う事ですが、だったら、最低限、6年は安心できるのかというのは誰にもわからないのです。
では2の化学療法・・・・・これも、人それぞれで、どういう結果が出るかは、やってみないと分からない。
そして3は、どれだけ痛くて、どれだけ痛みを取り除けるのか?それも人によって痛みの加減は違うので、やはりやってみないと良く分からない。
それを、医師に尋ねられても、軽々に答えられないのです。
ですから結果を問われても、過去の良い例を話す事くらいしか言えないと言う事になります。
もちろん、患者さんは医師に、責任ある答えを言ってくれとは思っていなくても、どうしても医師は立場上、無難な答えしか言えないのです。
本当に言いたい事、本当に聞きたい事。
どうしても肝心な事を、口ごもってしまうお互い。
これを言い合える医師と患者。
この関係性が結べる治療が本当の治療だと思うのです。
夫婦問題において 私も改善策を提案する事はありますが、「それをして成功する確率は高いのですか?」と問われる事があります。
もちろん、良かれと思う事しか勧めませんが、成功した方の成果を聞かれても、成功した人の性格は人それぞれです。
言ってはいけない事や、やってはいけない事をぐっと我慢して乗り越えて頂けたら、ゴールにたどり着けるのですが、そのゴールに向かう中で、妻が感情を抑えられなくなったり、秘密裡に実行しないといけない事を、つい夫に喋ってしまうとか・・・・・
そういうブレーキが利かない性格の妻と、我慢強い妻とは、ゴールが違います。
それなのに、ゴールへの道筋だけを聞いて、それは成功するかどうかの質問はナンセンスなのです。
正直、成すべきことはどなたに同じことを言えても、結果が違うというのは、その道、半ばで妻の感情が出てしまうと、上手く行くものも、行かなくなります。
「浮気相手と別れさせる方法は成功しますか?」とノウハウだけを質問されて、成功の確実性を問われても、それを実行や努力を
出来るかどうかの部分の方がずっと大きいのです。
成功率が高かったら、取り組もう。
成功率が低かったら止めておこう。
そういう物ではありません。
但し、努力をする過程においても、全く痛みがないかというと、そうではありません。
多少、痛みを伴う副作用?はあるのです。
良い事ばかりじゃありません。
それは病気の治療でも、真っ直ぐに快方に向かう訳ではなく、一進一退を続けながら、快方へと向かうのです。
堀ちえみさんの選択肢においても、リスクはあったのです。
そのリスクを知った上で、「命」を取ったのです。
それを選択するにおいて、失うものはあったはずです。
そういうリスクと結果とをてんびんに掛け、リスクを覚悟して、命を長らえたのです。
夫婦の問題も同じ。
何もリスクがないなんてことはありません。
でも浮気相手と別れさせたら、妻と益々夫婦の溝が出来るなんて事はありません。
貴女がそこを、夫から脅かされているだけです。
浮気相手と別れさせるから、溝が出来るのではなく、ご主人は、貴女が抵抗してくることの方が都合が悪いのです。
だから 貴女の抵抗が何故邪魔かという意味を考えると、何もしないで置く方が夫婦の溝が生まれないというのは錯覚です。
本当は、ここがリスクを冒してでも、野放しにしてはいけない事なのです。
ではここで言うリスクとは?となると、リスクは何でしょう?
それは・・・・・
夫が機嫌悪くなることです。
家庭の雰囲気が悪くなることです。
いいじゃないですか、ご主人のご機嫌が悪くなることくらい。
今、一見、家庭が平和なのは、貴女が夫のやりたい放題にさせているだけの事。
貴女が夫の浮気に、勇気を持ってメスを入れないから、夫は何も痛まないのです。
貴女が溝と感じている物は、実はご主人には「逆らわせないための武器」であり、妻の無抵抗が好都合だと言う事です。
成功するかどうかの確率以上に、貴女の努力が成功へと導きます。
努力を怖がっている人には 幸運の女神はやって来ません。
多少のリスクは付き物。
若干の痛みは、副作用としてあるのです。
堀ちえみさんも、リスクを背負って、生きて行くのだと思います。
心から応援します。
では今日はここまで。