後ろめたさ
ここでも何度か書いてきたことですが、私は今、あまり怖いものがありません。
それは、これまで、たいがいの経験をしたから、一通りの怖さの正体が分かったのです。
当時、怖い怖いと恐れていた事は、本当はそんな恐怖心を持つ必要が無かったことだというのは終わってみて分かりました。
でもその逆で、本当の怖い事は何かも大人になってみて、または経験してみて知ることが出来ました。
人生において、いろんな恐怖はあります。
天災地災に人間は無力ある事も感じて来ました。
また、色んな運命の歯車が狂い、考えもしていなかった人生を歩む人もいます。
もちろん、そんな抗う事が出来ない事を、全く怖くないとは思っていません。
でも、もうそんな自分の努力とか、警戒とかには及ばない自然災害には、恐怖感ばかりを持っていると
人生楽しくないので、なるようになると考えています。
ですから、鬼も幽霊も、宇宙人も人間の概念が生み出した物や人工物は、あまり怖くないというか
避けようと思うとなるべく関わらないという事で避けられるような気がするので、あまり怖くないというのが正直なところです。
でも、本当に一番怖いのは 生身の人間です。
こんな仕事をしていても、いつも思うのは、人は分からないという事です。
これまでの経験を当てはめて考えても、人は勝手に生きているので、結局は他人の事は分かりません。
生きた人間ほど、怖いものはありません。本当に怖いな~と思うのです。
ようやく逮捕されたあおり運転の容疑者。
決して許す事は出来ないけれど、彼は彼なりに自分の正義があるのでしょう。
こういう風に、その人が自分勝手な思考で自分を正当化させている理論は、私たちのような一般人には理解できるものではありません。
私の所に相談に来られる方もいろんな方がいて、自分なりの正義を持ってらっしゃいます。
私には「違うな~」と感じることがあっても、当の本人は大真面目に持論を持っていて、パートナーを糾弾します。
その結果夫婦仲が悪くなって行った根本的な原因かもしれないのですが、持論や、パートナーに接する姿勢が間違っている場合
どうしても夫婦仲は、こじれて行きます。
私が、主に取り組んでいるパートナーの浮気問題は、それを悩みの原因として相談に来られるのですが、実はそれは原因ではなく
むしろ、結果です。
パートナーに裏切られた人はとても傷ついています。
だから、その傷ついた人が悪いとは言いませんが、パートナーに対して相談者もどこか、無神経なのだと思うのです。
そこが 相談中に、そこはかと見えてきたりします。
相談者の目的は浮気相手と別れさせる事で、そのことだけに躍起になっています。
しかし本当に大事な事は、浮気相手と別れたところで、貴方のところにパートナーは心を戻すかどうかです。
また、もう少し突っ込んで言うと、そもそも、何故、相談者から夫や妻から、心を離して行ったか?
その事ぐらいが分からないと、「これから」に取り組めないのです。
そうしたことを、相談中にも、少し問題提議をしていきますが、全く そこを重要に考えてないのです。
確かに、浮気は褒められた事ではありません。
誰が一番悪いかと言うと、やっぱり浮気をした人が悪い。
でも、物事を「善悪だけの物差し」で計るのではなく、少し視点を変えて考えないと、浮気相手と別れて貴方の元に帰ってきても
貴方の気持ちが「断罪」という負のループから抜け出せないのです。
浮気という悪いことをした人にすれば、貴方の元に戻っても、償いだけの人生なら、いっそ貴方と別れて独りで人生をやり直す方がいいと考えるユニなります。
つまり、貴方との人生に希望が何もイメージできないのです。
だから、ここは、噓ででも?ウェルカムと大手を広げて、迎える意思は示してあげることが、第一歩だと思うのです。
私は相談を受けている間でも、色んな事を通して、やんわりアドバイスをしています。
パートナーのしている事を責める事で、傷ついた自分を奮い立たせているのかもしれません。
でも、本当の原因は、もっと前にあって、日頃の生活の中でも、パートナーを責める関係性があったのではないか?という事に気づいてほしくて
色んな球を投げかけるのですが、実は、ここに、気付いた人と、気付かない人とが、夫婦修復が叶うか、叶わないかの分かれ道になります。
あまり、遠回りな言い方をしてもピンと来ない人には、直球で、申し上げる事もありますが、どこまで行っても、相手を責めるスタイルしかない人は私のヒントにも気付きません。
相談者の方へ、「○○じゃないですか?」と私が問うときには、実は遠まわしに指摘しているのですが、やはり自分の短所は過小評価で、相手の短所は過大になる傾向がある人は、自分への指摘と感じないようです。
このように、その相談者が、どこまで、自分の内面に気付いてくれるかが、今後のやり直しに役立つのに、それをあまり重要と思ってないのです。
ただ、そういう自分の内面に気付きが無い人は、そういう指摘をする人に怒りの気持ちを持ちます。
だから、この人なら判ってくれるという人には、心を鬼にして、お伝えするのですが、人の感情ってどこで、切り替わったりスイッチが入るか
分からないのです。
人には色んな面があります。
ある面から見たら、しごくまともな人でも、ある面から見ると、どこかアウトレージな部分を隠し持っている人は、あまり踏み込まない方が無難と難じています。
そうです、私は、生きた人間の心ほど、怖いものはないと思うのです。
特に男性には、そういう裏表を感じる率が高いのです。
だから、男性からのご相談はお断りをして来ましたが、ま、世の中、男と女しかいないので、男性もとてもピュアーな人がいると判った時は 私は嬉しくなってしまいます。
そんなこんなで 私が一番怖いと感じるのは、夏のお化けでもなんでもない。
本当に一番怖いのは 男性の豹変です。
あおり運転の宮崎容疑者の映像を見ると、喜本容疑者には優しい顔を見せているのだと思うと、それぞれに正義はあるのだなあ、と感じます。
でも、私は絶対に、好きにならないタイプです、あの宮崎は。
それでも、好き合うカップルになれる人がいるんだと、人の好き云々に、驚きを隠せません。
人は判らん。
特に男性の、心の奥は、よう分からん。
何度も言いますが、この世で一番怖いのは、生きた人間ですね。
では今日はここまで。