知っていると理解しているとは違う

テーマ:ムラコシズム、つぶやき

平成15年のベストセラーランキング1位の養老孟司さんの著書、『バカの壁』についての記事を読みました。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190503-00559771-shincho-soci
警鐘を鳴らしている本だと思います。

特に私が関わる相談者にも共通する事が多く、改めて興味深く、また読んでみようかなと思いました。

それは、男性にも女性にも言える事ですが、ネットなどで、知った気になって、頭でっかちになってしまっていて、深く考えない傾向があります。

知っているという事はウィキペディアなどを目で読んだことを、「解った」と感じてしまっている事は危険です。

例えば、妻が夫に話しかけると、「それで何が言いたいんだ?」と急かされる事はありませんでしたか?

それは、妻の話し出しの感じで、何を言わんとしているかは、夫は「もう知っている」と感じているのです。
しかし、貴女の説明は「前置き」と感じ、それが長いとイライラしているのです。
要は【結論を早く言え】という事で前置きは省力しろという事なのです。
何故なら、「何が言いたいのか?」と聞いている割には、夫は貴女が何を言わんとしているかを知っていると考えているのです。

でも、妻の貴女は何度となく伝えてきたかもしれませんが、夫がいっこうに話しに乗ってこないので、夫は何も解ってないと感じているのです。

つまり、夫は貴女の話のテーマは、とっくに知っていて、貴女は夫は何もわかってないと感じているという事です。

男性の脳は「仕事用」に出来ています。
どんな事でも、結果が全てで、物事を観察するときも、結果から、考察する癖があります。
何なら結果よければ全て良し、で、それまでの過程は関係ないと言っても大げさではありません。
そこに至る経過や苦労は関係ないのです。

でも、妻が言いたい事は少し違います。
これまで言い尽くしてきたことかもしれないけれど、それが未だに叶えられてきていないので、どうしたら、望みが成就するかを話す為に、「何故これまでが叶えられてこなかったか?」かの、失敗例から話すので、夫にすればじれったいのです。

つまり妻の言いたい事は、失敗を繰り返さないためにあえて、「失敗部分の共有」をしておきたいのです。

男性脳は「失敗」の話を嫌います。
まして、妻からの提案は、夫が協力的ではなかったという非難にも感じて、「そんな終ったことを言っても仕方がないだろう」とばかりに、「じゃ、どうしたいのか?」と結論を急ぎます。

特に子供の学力の遅れを取り戻す話は、「良い塾に行かせろ」という結論で終っている気持ちですから、それでも成績が伸びない話は、妻からの相談ではなく、愚痴にしか思えないのです。

最近は、夫婦共働きの家庭が多いですが、それでも、生活費の比重は夫が重い家庭が多いでしょう。

夫は、一歩家を出たら、そこでは企業戦士で孤独に戦っています。

サラリーマンの胸の中には、辞表の一つも胸に忍ばせ、仕事をし、常に結果を求められています。
半期ごとの数字を求められ、それを発表するときにも、結果の数字から発表します。
目標を達成できなかったとしても、その理由から話し始めるなんて在り得ないのです。
まして、その理由を言い訳にすることなどは許されないのです。

そういう頭で、1日8時間、何年も働いて、脳がそういう風になってしまっているのです。

それなのに、家庭に帰れば、妻は息子の成績が、近所の誰君より悪かったとか、どこの塾に生かせていて成績が伸びた誰君の話をとっぷりした後で、わが息子の成績の伸びを嘆きます。
そして、その結果、進学できる学校の幅が狭まったことから、それでも危機感のない息子本人はあまり勉強に熱心ではないと嘆きから話始めるものだから、夫は「前置き」を邪魔と感じています。

これまでも、夫婦は話あってはいけませんと書いてきましたが、それは、浮気問題に限っての事とは限りません。

家族のこと等は、夫婦で話し合うことは大事です。
しかし、話し合いたいと思うのは、夫側は、妻ほどではありません。

だから、話し合うなら、もっと夫が乗ってくるように話さないといけません。
家族のことだから、夫も話し合いに積極的になるべき・・・などはいくら思っても、夫はそういう事を好まない生き物ですから、やはり、話し合いを望むかぎり、そのテクニックは上げないといけません。

確かに家族のことに無関心とは言いません。
でも、同じ関心を持たせるなら、相手が興味を引く話の導入が必要です。

そういう意味で、結論から言うと、貴女も人にものを伝えるテクニックがありません。
そして、男性という生き物は、すべて解っているつもりでいますから、余計に長い話は嫌がります。
そこで、その題材に関わらせようと思うのなら、あまり前置きを長くしないことです。
そして、これまで上手く行かなかった過程を述べる際に、間違っても夫の非協力のせいなどと、言おうものなら、夫は自分を否定されたように感じ、話しの入り口から、心を閉ざします。

こういう事ひとつとっても、男性と話し合いをするのは、かなりテクニックがいるので、
その難しさを感じます。
ですから、もう子供の事は任せてあるだろうと、夫から言われている妻は、いっそ、そのとおりにすれば良いと思います。

それが心細いという妻は、夫が乗ってくる話法を工夫してください。

何故、夫にそれほど気を使わないといけないのかと、腹を立てられる方もいますが、協力を仰ぎたい貴女がいるわけで、別に 自分ひとりでやってのけるわ、という方は、いちいち夫に腹を立てなくてもいいのです。

そういう意味で、貴女が夫と共に、と望んでいるのですから、夫は、そもそも「すべて知っている」と考えている人間ですから、そこをうまく使うしかありません。

残念ながら、男性って、そう簡単には変わる事はないでしょう。

では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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