夫婦は話し合ってはいけません Vol,1
当方に来られる相談者は、皆様、夫の不倫問題に胸を痛めておられます。
そして、これまでの夫婦に起きていた出来事を、訥々とお話下さいます。
その上で、どうしていいかわからないと、ドアをノックされるのですが、
解らないと言いつつ、実は、ある程度の解決プランは、ご自身で決めておられます。
その中で、特に拘られる事は、夫に逆らうと怖いので、夫の言うとおりにしたいという事です。
夫の不倫という裏切りに苦しめられ、それを咎めたら、「離婚するぞ」と
夫から宣言され、妻は夫を疑うことすら許されなくなります。
つまり、夫と膝を突き合わせて解決したかっただけなのに、
逆にこれ以上、不倫問題には 金輪際、触れられなくなるという事態を生んでしまいます。
気持ちの上では全くすっきりしていないのに、夫とは過去の事には触れないという
変な平和条約を結ぶ事になってしまいます。
これが、不倫問題を、話し合ったという事の弊害?なのです。
日頃から 「不倫問題は話し合って解決はしません」と唱えている私にとっては
まずいな~という事ですが、もう、そういう協定を結んでしまったのですから
後は、自分の決めたとおりに進むしかありません。
夫は不倫という快楽におぼれたのに、片や妻ばかりが苦しめられたという不公平感に、妻はやるせなさを覚えます。
しかし、その平和条約が、自分で自分の首を絞める事になり、その協定のお陰で消化不良が残ります。
その消化不良を妻は、夫との修復で、挽回を試みます。
そこで 残る問題はと言うか、課題というか、妻への罪滅ぼしをどこまで夫は出来るのかという事になりますが
浮気をした夫と言うのも、それはそれで、面倒な生き物で、自分の「傷」を癒すので精一杯です。
妻の傷まで癒す余裕はありません。
だって、そもそも夫は自分勝手な人間なのです。
自分勝手だから浮気をしたのですから、浮気が終った途端に妻の事を思いやるなんて、出来っこないのです。
妻にすれば、これまで苦しめられた仕返しとまではいいませんが、今度は妻が慰められる番で
妻にはもっと気を使ってくれるべき、と思っています。
しかし男性という生き物は 浮気をしてきた罰の悪さに妻には、腫れ物に触るような態度で
「ことさら優しく出来ないし、変に優しくしたら、妻に要らぬ腹を探られる」と考えています。
つまり、何も特別な事を妻には出来ないが、「まっすぐ帰宅している事」が罪滅ぼしと考えているのです。
その程度のことしか出来ません。
そうです、普通のことを普通にしている事が夫にすれば罪滅ぼしなのです。
それなのに、妻としたら、一日も早く、普通の元どうりの夫婦に戻りたいと急ぎます。
どれだけ夫が妻に気持ちを戻したか?
どれだけ、浮気相手のことを忘れたか?
と物差しを持って、計っているような生活です。
毎日、毎日、言葉に出さずとも、夫には問うているのです。
そんな、針のむしろのような生活の中では、夫は行動一つ一つチェックされている気がして、
会話ひとつにも、言葉を選び、迂闊に物が言えなくなってしまっています。
つまり、妻という「地雷」を踏まないように、戦々恐々と生活をしていると考えると
おおよそ、「普通の暮らし」とは、程遠い。
妻との普通の暮らしは、もう少し時間が掛かるものだとお考え下さい。
ただ、ひとつ、お伝えしておきたいのは、夫は妻をある意味恐れています。
恐れているからこそ、地雷と感じるのです。
でもその反面、妻は夫を恐れていると思いつつ、罪滅ぼしをして欲しいというのは
夫に甘える感情が出てきた証拠です。
その理由は、夫が浮気をしていた最中は、夫に甘えることなどは出来なかったはず。
夫が浮気相手の所に行ってしまわないか不安で仕方がなかった頃のことを思うと
夫をやっと取り戻せた安堵が、「今度は妻の私を思いやって」と甘えることが出きることが何よりもの進化です。
そんなに、急ぐ必要はありません。
むしろ、昨日まで、浮気相手の女性の方を向いていた夫が、その相手と別れたと言って、そんな器用には出来ません。
昨日まで浮気相手に向いていて、今日からは妻の方に向いて、優しくできるというほど、変わり身の早い夫であれば、
尚更これからも、信用できる人ではありません。
ばつ悪そうに、暫く妻の目を見られないというくらいの方が普通なのです。
だから、元どうりじゃないと感じても、そこは少し待ってあげて下さい。
転んで、膝をすりむいても、全治7日という診断書が発行されます。
ましてお互い、心の傷を負ったならば、もう少し時間が掛かるのはあたりまえ。
愛は勝つという歌がありましたが、「愛は待つ」です。
子供への愛も、成長を見守るという愛です。
夫も多少失敗しても、きっと更正?してくれると信じて待つのも、愛です。
一旦、夫を信じると決めたのですから、後は成長を待つのが、いいと思います。
夫もある意味立ち直ることを待ってあげる。
これが当面の妻に出来る事かな?
では、今日はここまで。