夫の本音を知るには
「弁護士」に対して、昨日に引き続き、もう少し書いていきますね。
夫婦間で離婚が話題に上ったとき、まずは専門家に相談となると、皆さん弁護士の3文字が頭に浮かぶと思います。
確かに、法的な知識を得ておいて、今後に備えるというのは間違っていないでしょう。
しかし、例えば弁護士に依頼したとしたら、それでもう一段階終えたように、肩の荷を下ろす人がいますが、果たして本当に、肩の荷を下ろせるかという事です。
弁護士に依頼をすると、最終結果はともかく、入り口で着手金約、30万円が必要です。
その次に、調停や裁判に移行するときは 裁判移行費用なるものが必要です。(約25万円ほど)
そして裁判結果により、民事であれば慰謝料や損害賠償が得られた場合に その1,5割から2割が成功報酬料として弁護士先生に収めます。
つまり 裁判となると、最初の着手金+裁判費用+成功報酬という事で、手にした慰謝料の金額にもよりますが 弁護士に依頼をするという事は、概ね80万円から100万円ほどは掛かるという事です。
でも、これは決して高額ではなく、ここからが最低費用です。
ただ例外的に、内容証明の文書だけを書いてもらうというような簡易的な依頼もありますが
そこだけを請けてくださる弁護士はあまり沢山いませんから、日頃から弁護士とお付き合いをしておく事を勧めます。
また、日頃よりお付き合いをしておくとその先生の特徴も解ってきますし、力量も段々解ってきます。
弁護士と名がついたら、どなたも同じと考えるには、大間違いです。
一言で弁護士と言っても刑事事件に強いか、民事事件に強いかで大きく違います。
我々の関わる問題は 夫婦問題ですから、民事に強い先生の方が心強いですが 弁護士の先生は、どちらが得意かは、言いません。
当然プライドもある訳ですから、「民事事件はちょっと・・・・」とは言いません。
何でも任せてください、というスタンスだから、実際は得意分野はわかりにくい。
これまでの勝利した裁判結果が書いてあるケースもあります。その時は事件名で刑事事件や、何なら社会的に問題になった物議をかもし出した事件などに多く関わっていたら、その先生はその分野に明るい先生と考えましょう。
但し、その先生のホームページを見てみて得意な物が上の方に書いてあったりしても、それは最近の傾向で、単にヒットするキーワードを狙ったSEO対策の場合もありますから、ようく吟味して頂きたいと思います。
ここからが本題です。
よく、浮気相手を排除するのに、内容証明などを送ることに、こういう法律家を使う場合がありますが、その場合、私は「知っている先生はいますか?」とお尋ねします。
そうすると、「はい、一度相談したことがある先生がいます」と答える方が殆ど。
それは昨日のコラムで書いた、市民法律相談に行った時に名刺を貰った先生であったりします。
中には、夫が会社経営をしていて その事業で関わった弁護士を知っていると言われる方がいますが、それは、ある意味夫側の弁護士となります。
夫婦問題の場合、夫側の弁護士が、妻側の弁護士も兼任する事はありえませんし、普段は社長婦人として弁護士と会話はしても、いざ夫と対立するとなると、その弁護士は社長夫人から相談をされる事すらも困るでしょう。
だから 自分に対して味方になってくれる立場の弁護士でないと、「顔を知っている」という先生の事を、「先生を知っている」とは言わないのです。
貴女を味方してくれる先生でないと意味がないのです。
と、いう事は「知り合いに弁護士がいる」と言う事は父親や兄、親友の夫とかでない限り、貴女に遠慮する関係の先生は忌憚のない意見は言ってくれません。
つまり本当の意味で貴女の味方とは言えないのです。
では、ここで、何とか心安い弁護士が見つけられたとします。
弁護士に依頼をするという事は、先ほども書きました着手金を支払い、裁判になるのか、示談交渉をするのか方針を決めて、次のステップの費用を支払います。
ここまでして弁護士に相談した、と言えるのです。
だから、弁護士を知ってますか?という答えは、ここまで腹を割って依頼できる先生がいるか?という事ですから、単に顔見知りというだけなら そこから弁護士選びをしないといけないという段階がまだ残されているという事なのです。
そして、そこから弁護士との二人三脚が始まる訳ですが、ここで多くの人が間違いを起すのです。
弁護士に依頼をしたら、そこからは弁護士にお任せだと考える人が多いのですが それは間違いです。
どうして良いかわからないから 弁護士に頼んだとお考えでしょうけれど、次の段階に進むには
弁護士に任せっきりではダメなのです。
最初の打ち合わせで、今後の方向性を告げても、それはその段階の希望です。
進めていく途中で相手からの言い分もありますから その答えが先生を通じて返ってきたとしたら、次の段階への考えも貴女が告げないと前に進まないのです。
つまり、あなたはゴール地点の話をしてあるから 弁護士に一任していると、何もしなければ そこからは何も動きません。
解らないから 弁護士に頼んだので、いかなる場合も弁護士先生にお任せした限り、プロなら、依頼者の意を汲んで、進めて欲しいと思っても そこまではしてくれません。
もし、依頼者の気持ちを、先に先に察して取り組んでくれるとしたら、もうそれはお抱え弁護士というか顧問弁護士と言うか、そんな普通の料金では そこまではしてくれないのです。
「私の気持ちは伝えてあるはず」と思っても、問題は刻一刻変わります。
だからその都度、貴女は自分の気持ちを伝えながら、次の段階を指示しないといけないのです。
例え弁護士は貴女の代理人であっても、貴女の気持ちを読んで先回りして、物事を進めてくれません。
なので、弁護士から「次はどうしましょう?」と聞かれて、腹を立てている場合じゃありません。
そんな事を全て丸投げして弁護士に、完全にお任せするなら それはもう顧問弁護士ですから、着手金以外にも顧問料が必要になります。
と、いう事で。弁護士に依頼したものの、もうひとつ進行してないとか、これからの方向性を決めるところで、示談交渉などが停滞している場合は、きっと、貴女の思いと先生の思いが交差しているのだと思います。
浮気相手排除と言っても、貴女は素人で先生はプロで、お金を払えば先生がリードしてくれるはずという期待は間違っています。
弁護士に依頼しても「すべてお任せ」というのはありません。
と、いう事で、少し弁護士に依頼したものの、問題が停滞している場合は この点を考え直して再度弁護士の先生と、相談を開始してください。
問題が頓挫しないうちに、もう一度、取り組まれる事をおススメします。
では、今日はここまで。