推し量る力

テーマ:夫婦関係修復について

星とたんぽぽ
(童謡詩人 金子みすゞ)

 青いお空のそこふかく、
 海の小石のそのように
 夜がくるまでしずんでる、
 昼のお星はめにみえぬ。
    見えぬけれどもあるんだよ、
    見えぬものでもあるんだよ。

 ちってすがれたたんぽぽの、
 かわらのすきに、だァまって、
 春のくるまでかくれてる、
 つよいその根はめにみえぬ。
    見えぬけれどもあるんだよ、
    見えぬものでもあるんだよ。

私の好きな詩です。
私達の日常は、目の前の事に翻弄されます。
見えているもの・・・・それが全てだと考えると、人は都合の悪い事は見ないように蓋をします。
でも本当の事は案外、目で見えないのだと思います。
いえ、もしかした形のないものこそ、見ないといけないのだと思います。

それが推し量る力です。

夫の誠意・・・・その時は感じなくても後になって、「あ~家族の事を考えてくれていたんだな」と解るものです。
男という生き物は【不言実行】が大好きです。
仕事でも黙って努力し、結果を出して、「こんな結果を出せる○○さん、凄い!いつ、こんな事をしてたんですかぁ?」って褒められてポリポリと頭を掻くくらいの謙遜が好きなのです。

でも家庭の中に入り、夫婦という単位になると、妻はいつの間にかあぐらをかいて、夫の長所より、短所を探しがちになります。
「男って子供よね~」って、女性は言います。
そうです、子供です。

子供の子育てって、褒めて伸ばすが善しとされているのに、夫には、つい、嫌味を言ってしまったりします。
その考え方の中心に何があるか?
それは、妻の「承認欲求」です。
「私がこんなに努力してるのに、何故判ってくれないの?」と妻は自分を認めて欲しいのです。
これが、妻のタイプによって、現れ方が違います。

弱いタイプの妻なら、家事や育児を一生懸命する事で、自分の価値をそこに作ろうとします。
でも、反対の強いタイプなら、夫に家事や育児の分担を当番制にしたりして、家に早く帰れとばかりに
家族に縛り付けようとします。つまりルールという事で夫を縛ろうとするのです。
(*夫に家事分担をさせるな、という意味ではありません)

この、強いタイプも弱いタイプも実は、根っこは同じなのです。
それは「私の事を愛してる?」という確認なのです。
つまり承認欲求です。

でも、男性の認められたい、出世をしたい・・・・これも自分の存在価値を、形のあるもので承認されたいという承認欲求です。

人生のある一定の時期、それは子供が幼かったり、手が掛かって大変です。
夫婦の危機に直面したら妻が皆、口にする言葉
「子育てが忙しくて夫に構ってあげられなかった」

そんな事を言っていたら、日本中の子供を持つ家庭は皆んな破綻しますよ。

私も兄弟の子育ての真っ最中、幼い下の子供を抱っこしながら、言葉だけでも上のお兄ちゃんに、話しかけました。
何なら、おだてながら、上の子供を、ご機嫌をとってあげていました。

直接、手をかけてあげられなくても、「ママはおにいちゃんの事を見ているよ」と声をかけるだけでもしいのです。
心はおにいちゃんに向いているよ、とアピールするだけでいいのです。

夫も子供と同じと思うなら、夫に心は向いているよ、と言葉だけでもいいから、メッセージすればいいのです。
それなのに、何故、夫には、心を配れないのでしょうか?

そこが、妻の負けん気なのです。

夫がお小遣いを沢山使うから?
夫が、家事を協力してくれないから?
夫が、早く帰って来ず、遊んでいるから?

・・・・・でも、本当は、「夫は私を愛してくれてないんだわ」
だから、家庭に早く帰って来て、家事を手伝って欲しいという事になりますが、本当は家事ではなく
早く帰って来て妻のそばに居てよ、という事なのです。

本当に家事を手伝って欲しい人は、本当に苦手な人です。これは、もう素直に「助けてよ」というしかありません。
私は、家事も育児も、別に苦手じゃなかったです。
でも、元夫が、家庭に居付かなくなった時、私は、家事も育児もする気がなくなりました。
元夫の夕飯も作らなくていいので、子供の食事くらいなら、さほど大変ではなく、時間は余るのに逆にそういう時こそ、家事も育児も手抜きになりました。
皆さんも、忙しい時にも必要と感じたときこそ、テキパキとできませんでしたか?
特に家事などは暇だから出来るものではなく、忙しくてもやれるときは出来るのです。

つまり、夫に家事当番などで、早い帰宅を望む妻は、家事を手伝って欲しいという気持ちは4割。
それ以外の6割は、本当は夫に家庭へ、妻へ、目を向けてよ、という気持ちが、当番という言葉になってしまいます。

お小遣いを無駄遣いする夫に対して、小遣いを減らすとか、制裁というルールで縛りがちですが、本当は、妻は自分の方に縛り付けたい人なのです。
家事や、小遣いやルールで縛りながら、本当は「心」を求めているという事なのです。

これって、書いていながら改めて思うのですが、すべての根源は「心」を中心に動いているという事です

夫がよく言う、浮気の口実に、「妻が子育てに追われ、夫を大切にしなかった」
妻がよく言う反省に「夫の事をないがしろにしていた」

でも、本当は、自分の存在価値の承認欲求だという事です。
こんな人間の当たり前の要求を、何故、回りまわってややこしくしているのでしょう?

口に出して言えなくても、または恥ずかしくて口に出せなくても、目の前にいるパートナーの心は推し量ることは出来ると思うのです。

それが何故、出来ないか?
その答えは、「素直に口に出せない」という事です。

何なら、妻のルールで縛るという事は 強気だからこそ、素直に協力要請をする前に、

「家庭を大事にしない」
   ↓
「家族の事を何も考えてない」
   ↓
「だから妻の事も愛してないんだわ」
   ↓
「だったらルールで家庭に縛り付けよう」

と、負のスパイラルループです。

何度も言いますが、私もこういう状態に陥った事がありました。
でも、この時、たとえ元夫が早く帰宅しても、家事を手伝うより、子供と一緒に遊んでくれたら、それを見ながら私は家事がはかどりました。
私は用事をしながら、元夫が子供と話をしている情景をみるのが好きでした。
逆に変に台所に立って手伝われると、邪魔?で仕方が無い。

全部、ひっくるめて、素直に言うと、「家族で仲良く一緒に居たい」という事なのです。

それを当番制のルールで縛るより、ここのお互いの気持ちを前に出して、素直に言葉にすればよかったのです。
でも、それが出来ないことへの「核」になるものは「恨み」です。
夫も妻も「私を大切にして」と、いう事が先に恨みが出てしまうと、修復の可能性を遠ざけます。

本当は仲良くすることが 一番の望みなのに、取っている手段は、一番、相手を遠ざけてしまう手段なのです。
この根源にあるのは、「腹立つ」や「恨み」を溜め込んでしまい、自分の気持ちを素直に言えない性格を知らないという事が、ドンドン問題を複雑にしてしまうのです。

皆んな、「夫は、どんな人間なのでしょうか?」と尋ねますが、本当に知らないといけないのは
相手ではなく、「自分」です。

こういう問題が起きた時、自分がつい取ってしまう行動を。
そして、その取ってしまう行動の根底にあるものを。

それを知らなければ、夫の事が解ったところで、そこに対して、自分の取るべき行為と、自分が取ってはいけない行為も防げるのです。
自分の特徴がわからないから、相手への対処法を見間違うのです。

こういう部分は、夫の顔にも書いていませんし、何も表に見えることではありません。
これが、推し量る力という事です。

そういえば、以前のコラムで書いたと思いますが、私は「社名」というものに、とても興味があります。
それは、その会社を現す、一番のメッセージだからです。

ABCDと言う風にローマ字や頭文字を省略して表しますが それはあまりメッセージ性を感じないのです。
TKG。玉子掛けご飯のように、逆に笑わしに掛かっているならいいのですが、英語の略を頭文字にしてもピンと来ないのです。

とかく人は、本当の事を隠して、カッコよく見せたがりますが、私は相手に解って貰いたいなら、一番最初に見えるものを複雑にしてはいけないと思っています。

そういう意味では、私の大好きな社名は
「一発練炭」です。
これは恥も外聞も、格好よさも抜き、とりあえずどんな会社か、社名で知らしめるって、むちゃむちゃ格好いいと思うのです。
その最たるもので、もう一つ。

【非破壊検査】っていう会社です。

物を壊さず、外から、中を見る会社だそうです。

これが、本当の「推し量る力」だと思います。
カッコいい~♪

今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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