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村越真里子

夫婦の問題を解決する専門家

村越真里子(むらこしまりこ)

Re;婚かうんせらぴー

コラム

いけずな心

2018年4月3日

テーマ:夫婦関係修復について

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

コラムキーワード: 畳 掃除畳 張り替え

「いけず」というのは関西弁で「意地悪」に近い言葉ですが、意地悪と訳すのもちょっとニュアンスが違います。
いけずは、意地悪というほど、積極的で、行動を言う言葉ではなく、心の中での抵抗というか・・・・ま、今から書く事を読んで頂く方が早いかな。
今日はこの「いけずな心」について考えて行きたいと思います。
日々、カウンセリングをしていて、時々、この「いけず」という言葉が頭をよぎる事があるのです。
まず相談に来られた妻が、夫の浮気の酷さを訴えます。それに聞いている分には、概ね、どの妻も同じような状態です。私も若い時経験した事もあり、その妻側の立場に感情移入して、「ひどいご主人だ」と思いながら聞いています。
でも、それも踏まえた上で、今後どうして行きたいかを妻に聞くと、離婚をしたくないと言う方が9割強。
つまり相談の目的はご主人と壊れた関係を元に戻し夫婦関係を修復したいという事ですから、夫婦が壊れて行った原因をお聞きします。
それを聞いて、「物の道理」として、浮気をしていると言うことは、浮気を止めさせないといけないという事がまず、第一段階で、それをしなければいけないと説明します。
みんな、夫婦修復を急ぐあまりというか、夫婦を修復する事が一番の望みだから、修復すると浮気はおのずと止めているだろうと、考えていますが、それは違うと、これまでも書いてきました。
要は、妻はこれまでも、夫に問い詰めたり、何なら浮気相手の女性に直接電話をしたりで、別れさせる手段はしてきたという訳です。これが、私の言う「話し合ってはいけません」の実際の結果なのです。
何もご主人とも、そして浮気相手とも、喧嘩をしようと思った訳ではなく、恐らく最初は「話し合って解決しよう」と思ったという事です。
でも、私は世の中には、そういう話し合いが長けている人は「交渉」を生業としている弁護士しかいないと思っています。もちろん弁護士の腕にはばらつきはあり、絶対とはいいませんが・・・少なくとも難解な司法試験を合格した知能はあるわけで、それが素人の妻が、「別れさせる交渉」が上手いとは思えないないのです。
実際、それでよい結果か出なかったから、当方の門を叩き、相談に来られる訳で、話し合いが失敗したからこそ、尚更「壊れた夫婦関係」を修復するのが最後の手段と望まれます。
でもね、ここで分かって欲しいのは浮気で夫婦関係が壊れたのではない方が殆どです。
何故なら、夫の浮気に気づかずに、夫婦は表面的には上手くいっていたのですから。
しかし、何かのきっかけで、夫の浮気に気づき、それを止めさせたくって、話し合いを繰り返した結果、夫もとうとう認めざるを得なくなり、離婚宣言をするという「開き直り」をする訳です。
だから、夫から離婚を言い渡されたからと言って、夫が本気で離婚を考えいるのではなく、妻が問い詰めるから、離婚宣言をするしかないという事が、この離婚宣言の根本で有る事が殆ど。
では、妻も夫の浮気を知り、黙っていたらいいかというと、それが出来ない気持ちは分かります。
ただ、話し合いをした結果、良い結果が生まれてないとしたら、話し合いが逆効果だったという事を知って欲しいのです。
話しても夫は夫の目的があるから妻の要求を飲めないのです。
妻の望みが飲めないのに、妻が浮気相手と別れろというから、喧嘩になるのです。
話し合いがヒートアップするから、決裂するのです。
決裂するから、離婚しかないとなるのです。
そこで、困った挙句、「夫婦関係を修復したら、元どおりの夫婦に戻れる」と妻は考えるのです。
もちろん浮気をされた状態で、夫婦関係が健全とは言えない事は私も分かります。
でも、浮気に気づいていなかった頃のご主人は、特に家庭では、良きパパを演じ、表面的には家庭は上手くいっていたと言う事ですから、話し合いという「悪しき交渉」をしたせいで、夫婦関係がこじれたなら、やはりその話し合いは効果がないという事です。
そんな風に言うと、「だから相談に来たんデスッ!!」って?
ま、そんなプンプン怒りなさんなって。
分かってますよ、あなたの怒りは。
でもね、そんな風にあなたの怒りが夫にも伝わっているいるから、夫も身構えるのです。
それは何故か?
答えは一つ。
浮気は続けたいから。
止める気はないから。
だから、妻の浮気妨害に断固抵抗するのが夫の姿勢です。
そんな風に言うと、妻は「夫とは喧嘩をしたいのじゃないのです、出来れば波風立てずに・・」と言われますが、実はもう波風どころか、夫婦には、台風のような大嵐になってから来て、「波風立てたくない・・・」と言ってもねぇ・・・・
何度も言いますね。
黙っていられない気持ちは分かりますが、浮気を止めろと言って止める物ではないという事です。
だから、その話し合いが夫婦関係を悪化させるのだという事を、理解して、次の段階に進みましょう。

そこで少し話を根本的な部分に戻しますと、例えば浮気相手を排除できたとします。
でも、あなたとご主人はそれで、夫婦が元に戻れるのではないのです。
浮気がなかった頃に戻るだけです。
だから、またもや、浮気の世界に、いつ戻って行ってもおかしくないという段階に戻るだけです。
では、浮気をする前に戻るというのはどういう事かというと、浮気をする要素を含んだ時代に戻るというだけです。
二度と、浮気をしないという事ではないのです。
これが、よく妻からの質問にありがちな「浮気を止めさせても、また同じことを繰り返しませんか?」という事を聞かれますが、その通りです。
浮気を二度としないなんて事は誰も断言できません。
まして、夫が浮気をした理由が 相変わらず、夫婦の間に横たわっていたら、また再発するに決まってきます。
それが、浮気をした理由は何だろうと・・・と私が問うと、「子育てに追われ、夫に目を向けていなかったから」と相談者は言われます。
でもね、それは貴女が本当にそう思っているの?と思います。
むしろ、その「夫を顧みなかったから」というのは 夫の言葉じゃないですか?
夫も自分の浮気を正当化したいから、妻を責める為に、「妻に構って貰えなかったから」と言います。
それを妻の貴女も、夫の受け売りで、私に伝えてくれているだけで、そんな妻が夫を構わなかったからという事を言うなら、世界中の夫婦は子供を持てないという事になります。
でも、子沢山の夫婦でも、何とか助け合ってやってる大家族のテレビはよく見ますよね。
家の中は洗濯物を畳む間もなく山積みで、家の片づけ何て言ってられないくらい、しっちゃかめっちゃかです。
もちろん、そういう状態が良いとは言いません。
でも、そんな家庭は夫の事をほったらかしで、夫に心も目も配ってなくても、夫も頑張って家族を守っています。
だから、貴女が子育てに必死で、家事にも追われて、夫に目を向けてなかったというのは、夫が浮気をした口実を後付けで言っているに過ぎないので、その言い訳を、妻の貴女も同じように、自分の口実にしてはいけない、という事を私は言いたいのです。

では、何が夫婦を冷たい状態にしてしまったか?
それは夫の精力が強くて、妻だけじゃ足りない男性もいるでしょう。
子育て真っ最中、それに応じていられないというのも分かりますよ。
でも、本当の理由はそうじゃないという事を妻は分からないといけません。
それは何か?
それを今から、説明します。
私が、この相談業の中で、感じて来た事なのですが、それは妻が「いけず」という性格を持っている場合に、夫は拗ねるのです。
何度も言いますが、意地悪とは少し違います。
「いけず」は「優しくない」という方が近いかな?
夫は、妻が子育てに必死なのは、実は感謝しています。
だって、夫は自分の子供を育ててくれている妻なのですから、そこに本気で寂しいと思うなら、それは本物の馬鹿です。
でも、夫は、妻に冷たくされていると感じるのです。
それは、妻が家事や育児に追われていようが、「冷たい」という事とは別なのです。
大家族の夫婦は夫の洗濯物にアイロンをかけるなんて丁寧な事はしません。
トイレットペーパーが無くなり、トイレから「お~い」と夫が妻を呼んでも「自分で取りに来い」です。
それでも、何となく夫婦や家族が上手く行っているのは「暖ったかい」からです。
家庭がハートウォーミング(心が温かい)場所だからです。
私の相談に来られる妻の殆どが、傷ついて、傷ついて、ボロボロになって来られますが、中にはとても強いタイプの妻もいます。
そんな強い妻も確かに夫の裏切りで、心は折れています。
それは分かるのですが、その心の折れというのに、気の強い妻は、「プライドを傷つけられた」というものが加わります。
そのプライドが、実は色々、夫婦の間に邪魔をするのです。
妻のプライドは、夫を下に見てしまいます。
妻は自分が優れていると思っていると、夫が馬鹿に見えて仕方がないのです。
だから、夫が帰宅しても、夫に感謝の念どころか、妻は足でまといというか、疎ましくすら感じてしまいます。
この何か偉そうな妻というのが、夫の目には、とても怖い存在に映ります。
ハリネズミのように、何か間違った事を夫がすると、いつ針が飛んでくるかわからないという事になると、夫も怖くて、妻に対しては、心を開けなくなります。
何か、妻の背中は「プリプリ怒っている」のです。
そんな腫れ物に触るような夫婦の関係では夫だって癒されません。
まして、夜の生活だけを求めるなんてしようものなら、「家事も手伝わないくせに夜だけは・・・」と妻の攻撃に遭ってしまいます。
つまり、妻が怖い。
妻の態度は、いけずに感じるというのが、夫の本当のところです。
でも、大の男が妻に「もっと優しくして」とは、そんな情けない事は言えないのです。
だから、しっかりした妻ではなく、馬鹿なくらいの女性の方が気は楽なのです。
下世話な下ネタをケラケラ笑ってくれる女性の方が癒されるのです。

何度も言いますね。
貴女の夫は下ネタが好きで、もっと下世話なエッチもしたいのです。
それを、道徳の先生みたいな事ばかりを言う妻には、冷たくされているように、夫は勝手に卑屈になっているのです。
これを「ちっちゃい男」と思うのは自由です。
でも、このちっちゃい男を、こよなく愛してくれる馬鹿な女がいて、その女性があなた下の部分も馬鹿にせず大事にしてくれているのです。
私もこうして書いている内に、段々、頭の整理が付いてきました。
そう・・・・いけずの反対は「大事にする」ではないでしょうか。
私も離婚をしています。
相談者の中でも離婚を望む妻もいますし、離婚を望まない妻もいます。
そして残念ながら、結果的に離婚になる夫婦もいます。
離婚を望んでないのに、離婚になる夫婦と、離婚宣言までをされているのに、離婚にならない夫婦もいます。
その違いは何なのだろうか、と考えました。
その離婚になる、ならないのボーダーラインは何なのかと感じた時、離婚になったケースにはある一つの共通点があります。
やはり、夫を大事に思ってないという事が冷たさとなって夫には映っているケースです。
もちろん、妻にはそういう自覚はありません。
でも、私が相談を受けていて、たいてい何でも分析出来るのですが、その夫婦が壊れていった理由が、全く見えてこない時には、妻がこの自覚がないという事です。
相談の入り口は、「子育てに翻弄され、夫を大事にしてなかった」と妻は口にされますが、それは夫に言われて後から、そう思うという事というより、夫の受け売りだから、本当の意味では理解してないのです。
何度も言いますが、大家族の夫なんて、世話は妻にはしてもらってませんが、気持ちは繋がっているように思います。
夫も髪の毛、振り乱して子育てをしてくれている妻に感謝しています。
家の中はひっくり返ったような状態で、整理整頓なんて縁がない家に住んで、布団も家族の人数分ないでしょう。
それに反し、家を綺麗に整え、子供の離乳食も上等なものを買っても、夫に冷たいようでは、夫は喜びません。
私が相談を受けていて、まずは先入観なくお話を聞くと、妻の言い分は「私も家事や育児に必死でした」と反省は述べても、夫に自分が冷たかったという気づきはありません。
それどころか、家族で出掛けたり、子供にも優しい夫を見て、「家庭は上手く行っていた」と感じてたというのですが、もしかしたら、それは夫の優しさの土台の上での話かもしれないのです。
「家族が上手く行ってたのに、浮気をされていた」という被害?を訴えるのですが、本当に上手くいっていたか、考え直す必要があります。
妻は自分の冷たさには気づいていないので、私が、話を聞けば聞くほど、夫婦不和の理由が分からなくなるのですが、妻が分からないければ、想像も出来ませんので、解決策のアドバイスのしようが無いのです。
私が妻からいくら話を聞いても、訳がわからなくなりアドバイスが出来なくなるケースは、妻は自分の短所に全く気付いてない場合です。
つまり妻は自分の非を分かってないか、または分かってはいても、それを横において話すタイプの場合は、問題の解決は夫が鍵だと思っているケースです。これには私も困ってしまうのです。
これが今日の冒頭に書いた、「浮気の無かった時代に戻るだけ」という事です。
浮気の起きた原因が依然としてあるなら、また同じ問題は起きます。
妻が子育てで忙しいのは分かりますが、夫も自分の子供をほったらかして、夫の面倒を看て欲しいとは思っていません。
子供が泣いているのに、夫の面倒を看る必要はありません。
でも、夫に「心」でだけは、語りかける事をしてあげて下さい。
夫の事を、「甘えた人間」だと見下すのではなく、男は「甘え」を言うのは恥ずかしいと思っている事を分かってあげてほしいのです。
夫を批難し、批判するのではなく、甘えた人間だったら尚更、甘えさせてあげるほうが上手く行きます。これが、相手を大事に思うという事です。
離婚になるケースとならない違いは、浮気が発覚した段階と比例しますが、夫婦のヨリが戻るか戻らないかの違いは、妻が自分の「いけず」な部分に気づけるかどうかだと、思えます。
女性の優しさって何でしょう?
夫の身の周りのお世話をする事ではありません。
一生の内で一番忙しい時期、それは子供が幼い、子育ての時期で、夫もそんな事は分かっています。
私だって二人の兄弟を育てていたから、分かります。
幼い方に母親って手が掛かるに決まっている。でも、その時でも上のお兄ちゃんに上手い事を言いながら、次男のおむつを替えなど、手は掛けて、長男には心を掛けました。
心を配るのは、そんなに難しいことではありません。それが大の大人の夫だから腹が立ち冷たくしてしまってませんか?
でも、その前に、妻の心の中に、何かいけずな気持ちがないか?
何故、夫に対していけずになってしまうか?
それは結婚して、妻が何か満たされてない事への小さい抵抗かもしれません。
この満たされない不満が何か?その為に夫に対していけずになってしまう心の傷に目を向けないと根本的な解決はできません。
ここを自分で、「私はいけずだ」と自覚するところから、始めましょう。
では今日はここまで。

この記事を書いたプロ

村越真里子

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