怖いものなし!
今、巷では「嫌われる勇気「アドラー」の教え / 岸見一郎」が売れているそうです。
どちらかと言うとビジネス本というか自己啓発の本ですが中身の話はともかくとして、この嫌われる勇気というのは、ある意味日常生活の中でも、人の顔色ばかりを見て生活すると、自分を見失うので、無理していい子ちゃんでいる必要はないと思うのです。
特に夫婦の気持ちが段々離れていくときに、このいい子ちゃんという言葉が結構キーワードになっています。
普段、私は妻側の相談によく乗っていますが、今日は少し、夫側の肩を持つかもしれませんのでお許しを願います。
と、言うのは 日ごろ 私のカウンセリングは夫婦に起きてしまった問題に対して、対処法のようなことを唱えていますが、本当は起きてしまってからでは遅い。出来ればそうなる前に、も少し最悪になる手前で、未然に防げたらとねがうばかりですが、実際には問題が深刻になってから相談に来られる方ばかりです。
その場合、手立てとしては、応急処置とはいいませんが、とりあえず離婚だけは避けられるように、アドバイスします。しかし、その後、夫婦が本当に末永く、仲良くできるかというと、元の状態に戻るので、本当の解決策というのはそれからになります。
夫婦の間に溝が出来ても、その原因は千差万別。
しかし、私が見てきた中で、最も多いのが妻が「一所懸命のいい子ちゃん」です。
一生懸命のいい子ちゃんと書くと、いいじゃないかと思われがちですが、これがある意味、「自分本位ないい子ちゃん」なのです。
家事にしても育児にしても一生懸命なのはいいのですが、自分本位の一生懸命だから回りが見えないのです。
もっと言えば、自分の一生懸命が、一番正しいと考えているから、夫が間違っているように見えてしまい、夫に対しての目線が冷たくなってしまうのです。
子供が産まれ、帰宅の遅い夫に成り代わって、子供を風呂に入れて、子供を寝かしつけて・・・・
一生懸命家事をして、子育てをして、その結果「私ばっかり頑張っている」という気持ちが夫への不満に変換されてしまうのです。
ただでさえ、男性って父親になりきれないでいるのに、そこで髪の毛振り乱している妻は、近寄りがたい。
何かひとつ喋れば、妻の怒りに満ちた駄目出しに恐れてよけいに帰宅時間が遅くなり、それに対して益々妻が不機嫌になるという悪循環が始まります。
この根源になっているのは、妻の頑張りすぎがあります。
妻はこうあるべき。
母になったらこうあるべき。
家はいつも整理整頓すべき
料理は手作りであるべき。
休みの日は、洗濯をすべき。
・・・・・・・こんな風に、色々な「べき」に囚われています。
でも自分の「べき」が夫への、当てこすりになってしまっている場合がありませんか?
「私がこんだけ頑張っているのに・・・」と言う言葉の裏には、裏を返せば「夫が頑張ってない」という嫌味になってしまう事もあるのです。
つまりそういう事を口に出さなくっても、顔にも態度にも表れて、「プリプリ」怒ってしまっています。
これを感じる夫は、家に帰ることが「叱られに帰る」という感触を持ち、どんどん帰宅拒否症陥ります。
夫が帰宅拒否症に陥ると、外の風景が目に入ってきてしまうのです。
そんな事から余所見が始まります。これが浮気のきっかけになる事も大いにあるのです。
こんな風なパターンに陥る相談者に言えるのが、実は夫と仲良くしたいと考えています。
その上で、もう少し付け加えるなら、家事、特に料理関係が、あまり得意ではありません。
これは、村越調べですから、当方に相談に来られた方ばかりを抽出したアンケートですから、他の業界のアンケートには、適合しないかもしれませんが、当方に来られる相談者はどういう訳か料理など家事があまり得意ではありません。
それ故に、家事をする事にテンパッテしまっているし、自分では頑張っているからこそ、それを判ってくれない夫には無理解という怒りを感じてしまうのです。
よく夫への不満は何かというアンケートを取ると。
1、家事や育児を手伝ってくれない
2、金遣いが荒い
3、帰宅時間が遅い
4、妻と会話がない
これは本当にその事自身だけが問題だという事もあれば、妻のテンパリが原因で、上記の4つを呼んでしまっている場合もあります。いや、実は言うと、妻が頑張りやさんであればあるほど、夫の帰宅拒否症が酷くなるという相関関係があるので、皮肉な話です。
でも、本当の問題は妻が頑張りやさんだから夫と溝が出来るという事ではありません。
本当の問題は妻が頑張る事を、止めないから、夫と溝が出来ると言っても過言ではありません。
つまり、妻だって、家事から逃れたいし、仕事に逃げる事が出来るなら、夜、残業してでも仕事に邁進したいのです。でも、子供がいるので、そうもいかない。
こんな風に書くと、子供が可愛くないように誤解を与えるかもしれませんがそうではありません。
子供は愛しているのだけれど、夫と二人で愛したいのです。
それなのに、夫は仕事にかこつけて、帰りも遅いから、妻は一人で孤軍奮闘をしている感覚に襲われます。
本当は子供を夫婦で一緒に育てたいのに、夫がいまいち家庭に居つかないという不満を感じていると、夫を確保?する為に、家事や育児を当番制のように、夫にも役割を与えます。
そうして、夫婦が共同で子育てをしたいという気持ちの現われが役割分担と言う言葉になるのです。
この根源になっているものは何かと言うと、妻が実は家事が苦手という事があります。
自分が苦手だから、それを助けてくれない夫には倍ほど、不満を感じてしまいます。
中には夫なりに一生懸命家事をしても、妻が駄目出しばかりをするという、「監督」になってしまいますが。
実はこれは、妻自身が家事が苦手なので、夫の「家事の出来なさ加減」もよくわかるのです。
つまり、家事が要領よく出来ない夫への駄目出しは、実は妻自身が自分に向けたものなのです。
ね?複雑でしょう。
この事が当てはまらないケースも多々あります。
しかし、概ね、夫の家事や育児参加に不満を持つ妻の多くは、実は自分自身が家事が苦手というケースが多い事も事実です。
ここに根の深い問題があります。
実は妻自身も家事が苦手と気づいていないか、認めたくないか、ばれたくないか?
とにかく、出来れば家事は夫と一緒に分担してやりたいのに、それを素直に言えない所に、溝を深くしている部分があります。
だったら、「や~めた」って別に家事なんてほったらかしてもいいのです。
でも、ここが、頑張り屋さんゆえの強がりで、そんな無責任な事は言えないのです。
だから、夫が家事協力しないことに、無責任と感じてしまうという、長~い回りくどい不満を抱えてしまうのが家事苦手妻の特徴です。
ここで改めて、お伝えしたい。
家事なんて苦手でもいいんです。
子育てって、愛してあげて、お腹が空いたといったら一緒にお腹を満たしたらいいのです。
わざわざ、しんどい思いをして、手作りをしなくっても、ママがご機嫌いいなら店屋物だって、いいのです。
家も散らかっていてもいいんです、子供がいて、きちんと整頓されている家って、逆に落ち着かない。
少々埃が溜まっても、死にはしません。
でも、何故、夫に八つ当たりをしてしまうほど、家事を重要視するのでしょうか?
それは巷の本やネットに書かれている、「夫と仲良くするには、居住まいを正して、夫には好物の手作りを」という、怪しい説の呪縛にあっているからなのです。
妻が夫との心の溝を感じながらも、夫に甘えられない強気があって、余計に夫に家事育児分担で、一緒に共同作業をしたいという本音がありながら、それを素直に言えない性格があります。
そんな強がり癖は捨ててしまいなさい、と言いたい。
そして要らぬネットの情報などに惑わされるのはお止めなさい。
本当の意味で、夫婦問題を解決してきたことのないカウンセラーが、妻ばかりに、家を片付け、いつも笑顔でというような事を言うのです。
家が散らかっていても、いなくても、浮気をする夫はします。
凄くきれいな女優と結婚した俳優でも、浮気をするのです。
一般の妻が少々、綺麗におしゃれをしても、浮気をする夫はします。
だから、居住まいを正して、夫を明るく迎えましょう、なんていうカウンセラーは、そんな事しかいう事がないから、何でも妻のせいにするのです。
でも私があえて妻のせいとするならば、それは妻の、甘えられない性格にあると思います。
役割分担で夫が家事をしないと怒る前に、妻自身も、本当は家事が苦手だと認めたらいいのです。
それを出来ずに、夫には当番を課すから、上から目線になるのです。
「私は家事が苦手で、料理も下手で、独りで育児なんてしたくないんだ」と白状したらいいのです。
認めて正直に夫に協力を求めたらいいのです。
いいですか、あなたは家事が苦手なだけじゃなく、それを認めることが出来ないから、それをこじらせて夫に強く当たるしかできなくなっているのです。
自分で頑張って家事が出来ていると勘違いをしているから、強気になってしまいますが、本当に家事をこなせる妻は、むしろ、夫が家にゴロゴロいないくらいの方が、はかどると思っています。
夫も一緒に家事を担って欲しいと思っている妻は、素直に白旗を揚げ、夫に助けを求めて下さい。
それが本当の共同作業です。
では、今日はここまで。