夫婦は話し合ってはいけません Vol,1
一昨日、ASUKA(以後、飛鳥さんと表記)さんが覚せい剤使用の疑いで逮捕されました。
現段階では。その疑いが濃いということですから私が容疑者という言葉を使うのは、今は控えます。
恐ろしいですね、覚せい剤は・・・・これほど人の人生を、身体を、頭を、狂わせてしまうのです。
これは依存性という言葉を通り越して、蝕んでいるという病的なことなのだと思います。
病的というのであればそれは医療の範疇になるのだけれど、法治国家の日本で禁じられた薬物である以上、再犯は刑罰の問題だということです。
何でもかんでも、夫婦の問題に置き換えるのはこじつけだと思われるかもしれませんが、実際に私は一日の殆どが、夫婦問題のことを考えています。
それこそ寝ているときと食事をしている以外は全部仕事という頭になっているので、一日の7割は夫婦の問題が頭を占めています。何なら食事中もパソコンを見ながらと言うときもあるので、ほぼ全部と言ってもいいかもしれません。と、言うことは相談者の方も、夫婦問題に悩んでいると、それは一日中、頭の中には暗雲が占めていると思います。そういう意味では相談者と同じ位、夫婦の問題について四六時中考えているので、見るもの聴くもの、すべてに「それ」をなぞらえてしまいます。
そういう意味では芸能ニュースであれ、新聞の三面記事であれ、人生のヒントはどこにでもあります。
今回の飛鳥さんの言動も同じくで、薬物中毒とは言え、その言動には色んな事が表れます。
今回はこの事を少し考えてみたいと思います。
言葉は真実か?
この点から言うと、飛鳥さんが逮捕される前に話している話の中身より、自ら積極的に話すという心理に注目すると分ります。
薬物を使っている影響はあるとしても、人間の本来の心理は変わらないのです。
人は自分の嘘を隠したい時、雄弁になります。聞かれもしてない事に弁明という行為を自ら「先」に説明するのです。とにかく疑われている事を早めに払拭したいという心理です。
飛鳥さんも麻薬の疑いを、サプリの影響と言い、我々が聞いたことのない成分名を挙げ、「薬物じゃない」とわざわざ説明してます。
そういえば、以前の逮捕の時も、「アンナカ」という薬の名前を挙げ、それで疑われていると自ら弁明。
恐らく、今、日本中の人達が飛鳥さんを「やっているな」と感じているはずです。
でも、本人はことさら声を大にして「100%やってない」と言います。
この誤差を、一般の夫婦の間にも落とし込んで考えて欲しいのです。
「やっている」時こそ、「浮気はやってない」と説明するのです。
これは何故、説明するのかというと、聞かれるからです。
妻が正直に話して欲しいと聞くから夫は話すのです。
私はこれまでの色んな事件で、自ら「自供」を正直にした人は見たことがありません。
たいていやっている人ほど、「やってない」を説明します。
殺人犯は「殺してない」というのです。
泥棒は「盗ってない」と言います。
政治家の政務調査費は「使ってない」とか「秘書の記録ミス」というのです。
これは余談ですが、警察が泥棒を追いかけて「待て~~」と言われ、待つ泥棒なんていないように待てという言葉なんて何の役にも立たない事を皆知っています。
これは妻が言う「お願い、浮気しているなら正直に話して」というほど無駄な言葉はないのです。
では、何故、妻がこんなことを言うか?
それは、アホみたいな説明ですが、「正直に誠意的に夫婦として向き合いたい」という以外ありません。
しかし、ご主人は泥棒と一緒で、あなたから逃げたい一心なので、向き合うはずがないのです。
これを会話という手段で活路を見出したいと思うから、そういう会話になりますが、これは先の警官と泥棒と同じだということを分って下さい。
で、ここで一つ、また違ったケースもあります。
私は弁明したい人は雄弁になると言いました。
では、ここで反論をしたくなる妻もいるはずです。
「いいえ、雄弁どころか、夫は何も言ってくれないのです。だから雄弁ならまだ、ましです」という声もあります。
これは、もし不倫をしているとしたら、その不倫の「深さ」によるものです。
最初のうち、妻を誤魔化せると思っている夫は、妻を煙にまくため、色んな言い訳と嘘を重ねますが、それはまだ不倫が軽微なのかもしれません。
何でも最初から、深くなるものではありませんから、この軽微な段階を経て、ごまかしが成功したら、段々深刻になるのです。
だから、夫のタイプにより、口数が多い少ないという雄弁ではなく不倫の度合いがどの程度進んでいるかという段階の話なのです。
もう何もしゃべらない。
言い訳もしないとなると、それは夫なりに、何かの目的があると思います。
そ、いう意味では、最初の内は浮気そのものが、軽いので油断もあり、比較的ボロを出します。
しかし、軽微な段階を過ぎ、重大な段階に入ると、うかつにボロを出してはその不倫は続けられないので、その段階に入ると警戒心が強くなり、妻には本音を話さず、距離を置くようになります。
これがだんまりであり、無視につながるのです。
だから、この段階で「お願い誠実に、正直に話して・・・」と言っても夫は妻には誠実には出来ない段階に入っているということです。
こういう「会話」というメカニズムを知らないままで【お願い話して】と言っても無駄だということが分ると思います。
と、そういうことを言っていると「じゃ、どうしたらいいのですか?早く教えて」と、半ば逆切れの妻もします。
でもね、そういう二人の距離や、夫の計算が、しっかり妻が分らない内に、どうしたらいいかを知りたいといっても、それは根本を分ってないので上手く行きません。
その上手く行かない中で、またもや痺れを切らすと、もう失敗への道しかないのです。
何も分らないままで、体当たりをしてきた妻は「失敗」だったのです。
「成功」は失敗の積み重ねですが、失敗の理由も分っていなければ「成功」には近づけません。
しかし、中には「先生のコラムを読んで、これまでが失敗と気づきました」と言われる方は多くいます。
でも何が失敗かを気づいても、自分が何故、すぐに夫に問いかけてしまうか?
この自分の気持ちの奥にある「希望と勘違い」をしっかり体得しないと、また同じ繰り返しをしてしまいます。
希望を勘違い・・・・
それは、妻の願いの部分、「夫と言葉や会話でわかり合いたい」という希望を捨てきれないからです。
この希望を一生捨てろとは言いません。
でも今、夫は「言葉や会話」はボロを出すものという警戒しかないのです。
だから、今はそういう事を望んでは駄目と言うことになります。
そうなると。またもや私に質問されます。
「何故ですか?夫婦は会話以外でどうやって距離を縮めることは出来ないのですか?」と。
まあまあ、落ち着いて。
そんなにムキにならないで。
とにかく、会話でコミュニケーションを図りたい妻と、会話はボロを出すから危険と感じている夫。
この構図を、頭に叩き込むと、同じ失敗はしないと思います。
こんな説明をもう少し、分かり易く説明できる講座を準備中ですから、乞うご期待。
では、今日はここまで。