妻として親として

村越真里子

村越真里子

テーマ:子供の立場から見た夫婦問題

浮気の話を中心に考える時 子供たちにとって親という立場から、子供に被害を及ぼさない対策は大切です。
時々妻が大きくなってくることを良いことに、息子に夫の浮気を相談する例が見受けられます。
これは私は大反対です。
こういう妻の場合は「息子は最初から夫の浮気は知っていますから」と言うのですが これは逆に言えば最初から知らしめたのは、何故だ?という事です。
この場合、たいてい不安感を息子につい相談してしまったという事がありますが、実はこれは夫という依存先を息子に移行したというだけ、と言う場合が往々にしてあります。
そういう親の元で育った子供は結婚生活に夢を持てないため、中々結婚をしません。
そして 息子の独身を嘆いたりするのですが やはり結婚願望を持てるくらいの生活をしなくてはいけません。
夫婦として手本を示せとまではいいませんが、母が息子に相談するという課題ではありません。
家族の問題だからという人もいますが、本当は今まで夫を信じ、何でも夫を頼ってきたが、今はそれが出来なくなり、今度は息子に相談する・・・・
これすなわち、依存相手を息子に変えただけなのです。
もちろん 心細くてつい 息子に相談したという気持ちは解るのですが大人の醜い争いを見せる事になるのは間違いありません。
仮面夫婦をして、何もかも見せないようにという事は出来ないかもしれませんが、結婚して数十年、息子より、人生経験豊富なあなたさえ見えない模索している問題を 結婚もしていない、ともすれば大人の恋愛も未経験の息子さんが 結婚生活の夫婦の問題など解るはずがないのです。
しかし 息子さんは優しいがゆえに、母親が苦しんでいるのを見るに見かねて 相談されたから関わっているだけで、息子さんは進んで相談に乗っているわけではありません。

夫婦の醜い争い。
夫婦の駆け引き。
これらを見せてしまうと それは将来、息子の結婚願望も失わさせてしまう事に繋がる事を知っておいて下さい。

娘さんにしても同じ事。
女の子というのは思春期の時には、父親を毛嫌いするという事がよくあります。
これは成長期の一過性のものであると言われていますが、実は近親相姦を避けるためのものという風にも生物学的にはとらえられています。
父親という男性の悪口を娘と一緒になって言っている程度ならいいのですが、娘さんも成長しすると、いずれ男性そのものを尊敬する存在としての関係作りをしていきます。それが大人の女性への階段なのです。
そういう風に父親の存在を価値あるものにしていくのは母親の役割です。
女の子と男の子は幼い頃から、やっぱり違います。
娘とは年頃になると母親を手本ともしますが、ある種、反面教師にします。
これは自分の中にある母親とそっくりな面を否定しながら大人になっていく、これも成長の過程なのです。
そんな中、母親が夫である父親に苦しめられているとなると、娘はぐずぐずして不平不満ばかりを言っている母親にも、嫌気をさすようになります。
そしてそういう悩みを抱える母親を否定するようになります。
ここが息子と違うところです。
息子さんは、男気があるので、母親という女性を守るという立場を取るようですが、それに反し娘は母親を自分になぞらえて、踏ん切り悪い母親を否定しだします。
だから、息子や娘は、こういう事を母親に相談されたら「早く別れてしまえばいいのに」という事を言います。
相談者である妻は、今、人生初の経験で、離婚も考えるほどの苦しみに対面しています。
それを、結婚すらしたことのない息子娘に相談したのです。
未体験の事を相談されたら、その苦しみから救ってあげる手立ては浮かばないから、そこから逃れる事しか言えないという、これまた答える側の子供さんたちも、無策なのです。

これを妻である相談者が私の所にきて、「息子も娘も別れろ」と離婚を後押ししてくれているというのです。
だったら、親子一丸となって離婚の方向に進めばいいのに、なぜか、子供たちも離婚に賛成してくれているのに、母親として子供を育てていくこと自信がないというのです。
それどころか、子供たちを育てるためにあなたたちのお父さんの横暴な振る舞いも我慢して、あなたたちの為に苦労していると言わんばかりです。

私からすれば、だったら何故、息子娘に相談したの?と言いたい。

妻が夫に苦しめられたからと言って、父親の浮気という悪行を親子一丸となって夫を敵視していると、 ご主人は益々家には居場所がなくなります。

それなのに妻は夫と夫婦関係を修復したいというのです。
また以前のような家族になりたいというのです。
これって、どこか変じゃないですか?
妻にも子供たちにもにらまれる家庭に足が向くわけがない。
もちろん一番悪いのは浮気をした本人である事は間違いないのですが、それでもその夫とよりを戻したいというなら嘘でも、夫の居心地の良い場所くらいは確保してあげてほしいのです…嘘でも。


 万一浮気問題が型がついても 娘や息子の記憶に浮気をしたという記憶は残ります。
夫婦にとっては事件ではありますが、解決すれば、それは笑い話になることもあります。
もっと言えば、居酒屋などでは サラリーマンが「夫婦喧嘩したら、母ちゃん抱いちゃえば、あくる日ケロっとできる」口の悪い親父どもが豪語しています。
全部がそうとは言いませんが、夫婦はどれだけ罵り合っても、スキンシップをすえば名誉挽回できることもあります。
しかし子供たちにとっては 親としての信頼感を失ったら 今後、父として名誉挽回をする機会は訪れるでしょうか?
妻には 指輪を買ったり、土下座をしたりで罪滅ぼしは出来ても 子供たちの心の穴はぽっかり空いたままです。
多感な年頃の子供たちは人間不信の感情が芽生え、大事な人と人とのコミュニケーションを育む時期に 大変な思いを持ってしまうのです。
例え仮面夫婦を演じても 子供たちの青春を親の失敗で汚してはいけません。
そういう意味で極力 子供さんたちには相談はしてはいけないと私は思っています。
昨今結婚をする人口が減少しつつあります。
これは自分の育った家庭を見て、結婚に願望が持てなくなったという男女が多いことも影響しています。
喧嘩を避け、あまりにも表面的な仲良しを続けるのはどうかとは思いますが、何でもかんでも子供に相談するのは、母親の甘えです。
あなたが「おにいちゃん」と呼んでいるのは長男としてのお兄ちゃんであっても、母親の兄ではありません。
夫を頼れなくなったらと言って、今度は頼る相手を息子にスライドさせただけでは、何も解決しません。
どうか、そんなに苦しくて相談したいなら、相談所があるのですから・・・(てへっぺろっ)古っ!
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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