約束は破られる

村越真里子

村越真里子

テーマ:円満離婚大作戦

11月29日
今日は11月の最後の日曜日。
明日になれば、今年も残すところ1ヶ月となります。
皆さんは、今年何か、成し遂げた事はありますか?
私はあります。
実は今年の元旦、年頭に決意した事が一つあり、それは有言実行ではなく、無言実行で密かに努力しました。
意外と失敗が怖いものだから、人に話せば反対されるのが嫌で、叶うまで人には言わずコツコツ努力をしました。
そして、この秋にようやく実現しました。
それは京都に居を構えること。

結婚生活では2度、自分の家を失い、離婚をして母子家庭になって、家というものに何も意味を感じなくなっていました。
毎日朝から晩まで働いて、家に帰ると後は寝るだけ。
家とはまさしく、家族を雨風から守る器でしかなかった離婚後の生活。
一生懸命子供を育てる為に働いて、子供が巣立ち、やっと自分の為だけにお金を使えるようになり、やっと気づいたのは、家族が憩える場がないと。
息子たちがそれぞれ家庭を持ち、孫を連れて帰ってくる実家が、なくなっていました。
家族がみんなで会う時は、いつもファミリーレストラン。
乳児のいる時は、座敷を探すのにやっきになり、ふと気がつけば息子たちには実家がなくなっていたのです。
離婚とはそういうものです。
子供達が孫を連れて帰ってくる場所がないのです。
もちろん 夫婦の実家がそれぞれ裕福で、そこに離婚後一緒に住める広さがあればいいのですが 昨今の住宅事情は、田舎でない限り、そう広くはないのが実情です。
そうなると離婚後に、母子家庭で住む家は、家賃も考えるとそんなに広いところは望めません。
そんな狭いところに孫が来ても泊れもしない。
でも、怒濤の結婚生活のことを考えると、安心して眠れる家があるだけまし、屋根があって暖房があるだけまし・・・・母子家庭の行く末はそんなものです。
だから子供が巣立って、自分一人さえ食べて行けたらいいという段階になったとき、本当に肩の荷がおりましたが、気がつけば今度は 孫子が集う家がなくなっていました。

そうなると、今度はもし病気になって私が働けなくなったら 家賃は払えないし、施設に入るのも難しい。まして息子たちの家に転がり込むなんて迷惑は一切かけたくない。
今度は働けなくなった老後の事を考えないといけない時期にさしかかっていました。

そんなこんなで、何とか自分の暮らしくらいは人に迷惑かけない形をとるには家を手にいれるしかないというのが 今年の年頭の誓いでした。

今、夫婦関係で悩んでいる妻も、それは屋根があって、寒さから守ってくれる暖かい壁がある中での悩みです。これを失うなんて考えてない妻が多い。

離婚をするなら家をもらわなくっちゃ。
別れて欲しいなら慰謝料,○○百万円貰わないと別れないわ。
養育費は今もらっている生活費と同じくらい貰わないとやれないわ。

そんな風に考えている妻が多いです。
こういう人は 私の離婚後の苦労話なんて、何の参考にもなりませんよね。

だって、結婚生活にはちゃんと夫が払っている住宅ローンがあり、その上で貯金も出来ていて、家には暖房があって、水道も止められた事がない生活が当たり前になっている人は、私のような昭和の苦労話は、「なんでそんなご主人と結婚したの?」と、単に要領が悪い人に思われがち。
だから 私のところに相談に来る人は 最低限の生活が守られている人の悩みだから、一段上の悩みです。
もちろん、時代が違いますから 私の感覚は古いのかもしれませんが 私が籍を抜いたのはやく10年前ですから そんなに古い話でもない。

しかし 最近の相談者は、色んな事が満たされている人が多く、その中の少しでも欠けたら嫌だという妻の希望を聞いていると、何かしら違う世界のように感じます。

私の結婚生活は、あまり働かない元夫に不満を貯めながら、私も所帯の柱になって働きました。
それは、それは、ストレスの塊でした。
何故、男なのに働かないのか?
家族がいなくても、男なら、何か仕事をしないといけないだろうに、何故家族がいるのに働かないのか、そんなことを胸に秘めては、恐らく口には出さずとも態度はプリプリ怒っていたのだと思います。

そして今・・・・・一人になって働くということは簡単ではない。
ありがたいことに、今、こうしてお仕事をさせて頂いていますが、それでもお客さんに騙されるように、相談料などの未払もあります。
女でも、男でも、この世の中、仕事をするって大変です。
一定の仕事を、ずーっと辞めずに働き続けるには、どんな仕事でも大変だという事が身にしみて分かります。
そんな時、結婚をしていた時のことを思い出し、暮らしは楽ではなかったけれど、まだ、元夫に文句を言いながら働いていた時は 八つ当たりができる分、ガス抜きが出来ていたように思うのです。

今の時代、共働きが多いです。
夫も妻も、どっちが偉いか、どっちの仕事が大変か、なんて関係なく、皆んな頑張っています。

でも、こうして思うと、一生住宅ローンを払うために働くお父さんというのは、やはり偉いと思うのです。
私の元夫も、住宅ローンを一生懸命払うために働いてくれていた時代はありました。
でも、今、振り返ると 私はその時、感謝をしていたかというと、そうではありませんでした。

足りていることには無感覚になり、足りないものばかりに不満を抱いていました。
元夫には、「男だったら独身でも働かないといけないのだから、家族があるなら尚更働いて当たり前」と考えていました。だから感謝の言葉を言った事は少なかったように思います。

そして離婚により、住むところも失い、子供たちを育て・・・・
自分一人で育てたとは言いませんが、自分の苦労談ばかりを表に出していましたが、やはり居を構え住宅ローンを抱えていた夫は、「やって当たり前」と思われてたんじゃ、やりきれなかっただろうと思います。

そんな中、最近の妻の相談者が、ちょっと贅沢すぎる人ばかりで、自分の過去を見ているみたいで嫌になっていました。

寝食足りて・・・という言葉がありますが、まさに寝食保証された上での、妻の悩みはわがままだ。
夫婦で苦労したというけれど、家を買うのも実家の援助があり、夫は大企業勤務。
充分なお給料があり、心配は子供の受験。金銭的な心配は塾や習い事の授業料で生活は苦しいと。

そういう妻は夫に対して、夫の努力に感謝して来たかな?
夫の浮気に悩む妻の気持ちはわかるけれど、その理由を聞けば、子供にかかりっきりになっていた、と。

子供に手も、目も使うのはわかるけれど、気くらいは夫に掛けてあげて欲しいのに、夫は眼中にないかのように、髪の毛振り乱して、「子育てに必死でした」と。

でもね、その子が受験勉強できる環境は、やはり夫が仕事をしてくれたお陰なのに、なぜか妻の方が偉くなっちゃって、その屋根の下で暮らせる感謝の気持ちはどこかにいってしまってませんか?

私が世帯主になり、今にして思うのは、仕事をして家に帰ると、何かしら文句言いたげな妻が不満顔でいるなら、あまり帰りたくないだろうな、と思うのです。

私の息子は夜、遅く帰っても、二歳になる孫がバイクの音が聞こえたら、階段を駆け下りて玄関で出迎えるそうです。
たぶん、飛びついている絵が目に浮かびます。
そんな風に出迎えてもらったら 一日の疲れも吹き飛ぶだろうな。
私は今、一人になって、家族から感謝されることの有り難みをしみじみ身にしみてわかってきました。

確かに、私の元夫は、悪さもいっぱいしたので、それに感謝をするなんて出来なかったかもしれません。
でも、もう少し遡ると、悪さをしていなかった時も、軽んじていたのかもしれないと気づいてきました。
少々のやんちゃに文句で戦うより、も少しおだてて、持ち上げたら、浮気が収まったかはともかく、私に対して憎んだりはしなかったかもしれません。

それなのに、相談者に聞くと、子供を産んでから、夫婦でスキンシップもせず、寝室も別だという。

へんな話、お酒を飲まないようなご主人の場合、仕事をして、帰って来て、クタクタになったカラダを癒してくれるのは妻の柔肌なのです。
ちょっと、小憎らしいと思っている妻にも、こうして夜になって 添い寝をしてくれたら、一日の疲れも吹っ飛ぶというもの。
これが文字通り、添い遂げるということで その延長線に、一生添い遂げ、共白髪と言うことがあるのです。
夫婦の夜の生活が、ぎくしゃくした関係を潤します。
3歩後退しても、一歩また進み、離れた関係を近づける事に夜の生活は役立ちます。
これを文字通り歩み寄りというのではありませんか?

それを、夫のいびきがうるさいから、と寝室を別にするのはいいのですが そのままで、お互いが甘えることもなく、セックスレスになってしまいます。
部屋の温度が合わない、なんて生意気なことを言わず、たまには暑くても仲良くしてあげてくださいな。
そういう歩み寄りを一切しないまま、夫婦の修復をしたいと言っても、夫も妻も、セックスライフがある生活をイメージできません。

はっきり言いますね。
男性の浮気の目的はセックスがしたいからなのです。
「うちの夫は草食男子で・・」なんて言いますが それは妻に対してだけ淡白なのです。(ひどいこと言ってごめんなさい)
概ね、妻とセックスが順当にある夫はよ程の精力家でない限り、よそ見しても、軽くて済みます。
浮気が重症化するのは ほとんどの夫婦がセックスレスも原因の一つです。

そこを解決しないで、妻が夫婦仲良くしたいと言っても、男性からすれば 夫婦仲良くとはセックスの事だと考えているくらいです。

それなのに、セックスは今更出来ないけれど、離婚もしないと妻に言われると、寺に出家しろと言われたと同じ。
これは男性にとって拷問です。
だから 夫は離婚とまで言い出すのです。
そのセックスの面を妻は皆んな軽く考えがちです。

今の夫婦が、夫婦として機能するには お給料が順当に運び続けることでしょうか?
それなら夫は別居してお金だけ払うと言い出しはしませんか?
でもそこまで言われたら、これまでどうりの生活費をくれたらいいわ、と言いがちな妻は、もう一度よく考えてください。
結婚する時に、「健やかなる時も病める時も一生、妻を愛す」と言いませんでしたか?

それなのに、今の浮気があるとしたら その約束は見事破られた訳です。
例え誓約書を書かせて今後別居して、婚姻費用分担金を払うと約束させてもその約束は守ると誰が保証しますか?

何が言いたいかと言うと、離婚をするにあたり、○○万円貰ったら離婚するというより、本音は離婚したくないなら、口が裂けても慰謝料の話をしてはいけません。
お金を貰っても離婚はしないという方がましです。
それなのに、ココロに嘘を付いて、慰謝料や生活費をくれたら離婚も考えると、言うと、夫も離婚の手続きをした後、いつか約束を破りますよ。
だから、相手に嘘を付いて欲しくなければ、こちらもあまり本音とかけ離れた強がりは言わないことです。
でも、だからといって、「私、あなたの浮気の証拠、あんなこともこんなことも知ってる。証拠はこれだけ揃っている」なんて、バカ正直に言うのも厳禁。
夫は何も自分のことを白状しないのに、妻だけが自分の持っているお宝を見せてしまうのは、今後の出せるカードがなくなります。
おまけに、こちらの手の内を知られてしまい、その裏を描かれて、逆に隠されて証拠隠滅されます。

妻が、よく夫に女性と別れると一筆書かせたりしますが そうなると、夫はそれを書かせた事で妻にも反対に約束をさせることになります。
ではどういうことを約束させるのか、というと、「僕もおとなしくするから、妻である君は二度と夫を疑ってはならぬ」ということを約束させられたも同じなのです。
つまり 妻はこれから夫を疑う事も許されなくなると言うことです。
その結果、どうなるか?
ちょっとでも夫に対して、疑わしいことを問うと、「そんなに夫の俺を信じられないなら別れよう」といわれることがよくあります。
要は夫に、二度と浮気をしないと言うことは 妻も二度と夫を疑わないと誓わされる事と同じこと。
そうなるとその約束を破る確率は、恐らく妻が多いとなると・・・・言わなくてもわかりますよね。

そういう事で、ネットには書かれてある「誓約書を交わす」ということも軽々しくやってはダメとなります。
こういう当たり前の方程式はネットでは書かれてありませんが妻がとかく犯す間違いは、誓約書を書かせたら安心してしまうということです。
これは私に言わせれば、逆に危険水域だと思えるのです。

何故、こういうことを書いたかというと、寝食満たされている妻ほど、心の安定を求めます。
要は暮らしは満たされて当然なので、後は心の充足なのです。
こういう妻の場合、とにかく急いで自分の心を満足させることに急ぎがちです。
だから、あまりよく考えずに、文書などを交わすことで自分の心を落ち着かせようとします。
ジクソーパズルで言えば 全体の95%は完成しているのですが あとの5%だけ、見つからないのです。
普通、生活も困窮し、満たされない結婚生活を送っている人は、ジクソーパズルで言うと、生活満足度は60%くらいです。
だから 埋まってない部分も多いので 40%の抜けも気になりません。
埋まらなくて当然というか、はなから100%なんて望んでもいないのです。

それに対し、経済的に恵まれている妻の場合は、あと少し、何かが足りないとしたら、それは心の部分ですから、そこを埋めようと必死になります。

何が言いたいかと言うと、冒頭に書きました「家」という住まいに通じるのですが、高給取りの夫の場合、色んな事を手に入れる苦労が少なくて、それは「有って当たり前」になりがちだということです。
だから足りているものを数えずに足りてないものを数えてしまい、そのたった少しのたりない部分にこだわってしまうという傾向があります。
60%足りて 40%欠けていたら 充足も欠けもあまり変わらない。
しかし95%足りていて、あと5%足りないとなると気になって仕方がない。

だから 足りている事に関しゃが出来ないということになります。
このスタンスで離婚を考えるから 、足りないことを満足させてくれたら離婚してあげるという姿勢を前面に出すと、夫の方は簡単に、それを満たすような条件を出し、離婚を迫ってきます。
でもこんな約束は、すぐ反故にされる事を私は何度も見てきました。
だから離婚ありきで、物事を進めるのを止めて欲しいと思います。
約束を破った時は離婚だよ・・・と妻が宣言したら、夫が本当は離婚をしたいと思っていたら、知って約束を破るという事もあると知ってください。

こんな事を今日は伝えたかった秋の夜でした。
では今日はここまで。

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Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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