夫婦は話し合ってはいけませんVol,5
浮気後の夫の態度には2通りの答えがある
私が常々感じていることなのですが 物事には2つの答えがあると思うのです。
これだけでは、少し何の事を言っているか、分かりにくいかと思うので、私が日頃お受けしている浮気問題を 例に説明していきたいと思います。
よくある相談の内容なのですが 夫の浮気が発覚し、妻とゴタゴタした後に、何とか元のさや、つまり浮気相手と別れて、夫婦修復を誓った、とします。
それなのに、何かしっくりいかない、またはどこかしら夫の気持ちが家庭にないような感じがして、どうしたらいいかと、当方に妻が相談に来られます。
夫の帰りも早く残業もなくなり、毎日真面目に帰る夫。
以前のように、外泊もなく、怪しい出張もなくなり、一応家庭人として、やり直そうと言うことになったし、夫の携帯からは 浮気相手とのやり取りのメールもない。
だから浮気相手とは別れたはずなのに、何かしら、しっくり来ない。
ここには2つの答えがあります。
一つは、浮気とは言え、夫もブロークンハート、つまり失恋です。
間違った事だったとは言え、傷ついているので 妻に優しくする余裕など、まだありません。
しばらく、立ち直るまで時間が掛かると言うことです。
そして、もう一つの答えは・・・・・
早く帰宅し、休日も子供と遊び、浮気相手の存在を、まったく感じさせないくらいに善きパパで・・・
という完璧な演技をして、浮気の影を完全に消しているか、です。
こんな風に言うと、日頃夫の生活を見て、そして、そもそも嘘のつけない誠実な夫の性格をしっている妻は、「夫は嘘のつけない人だから、そんな演技をするはずがない」と言われます。
もちろん、頭から、夫を疑えということではありません。
長年、暮らした夫と、始めてお目に掛かる私とでは、どちらが信じられるかとなると、当然ご主人の肩を持ちたくなるとは思います。
要はどちらを信じるか、ということですが 実は変な話ですが、どちらを信じるというようなことではないのです。
信じるということは、信じる根拠さえあれば、信じたらいいのですから。
しかし、根拠という意味で言えば、夫が家に毎日真面目に帰宅するということは、浮気をしていないという根拠にはなりません。
世の中には、「カモフラージュ」という言葉があります。
日曜日には良きパパで、毎日寄り道も浮気をしていないと見せるための事だとしたら?
そうです、浮気をしていないと妻に思い込ませないといけない理由・・・・・
それは 逆から考えると 浮気を続けるため、と言えます。
では、いつ浮気をしているのでしょうか?と、私に問われます。
そして「毎日私が夫の生活を見ているので、怪しいところはありません」と 妻は言います。
つまり疑わしい点は見当たらないと。
私は人の夫を悪者に仕立て上げる趣味はありません。
でも 妻がどういう点に、疑いを持ち、どういう事で夫の浮気を見破ったか、それを全部夫はしっているので、その裏を描けば、妻の目を欺く事は出来ます。
毎日伝書鳩のように、規則的に生活をし、たまに仕事で遅くなる時も、飲み会のメンバーの名前をいうことで、妻を安心させる。
それはまさしく、妻が話し合いの時に言った言葉の裏返しでした。
「残業残業って、本当にどうなんだか」
「休日出勤ていって子供たちをどこにも連れていってあげないし」
「いつも家の中でも携帯を見て、何してるの?」
「あの時、出張って言ってたけど、本当は違うじゃない」
こういう事を、「話合い」という会話の中で、「私、この部分から浮気を見つけました」と教えちゃっているから その裏をかけば、逆に妻を騙せると、夫は学習してしまうのです。
と、いうことで、妻の発言は、自分の手の内を明かしちゃっているので、浮気をやめる気のない夫は
妻をごまかす技を習得してしまうのです。
夫は真面目で、基本的に嘘をつけない優しい人です・・・て。
でもね、優しいから嘘をつくのかもしれません。
本当に家庭なんてどうでもいいと考えていたら 浮気を認めて開き直ります。
妻は 私にする質問で、「何故話し合ってはいけないのですか?」と。
それはね、妻というのは 話し合いが好きですが 決して上手ではありません。
夫に浮気をやめて欲しくて、つい夫の浮気に対して「あれも知っている、これも知っている」と言いがちです。
それだったら、夫はそれの裏を描いてやれということになります。
要は 話し合いでも何でもない。
妻が、夫に対して、全部手の内を明かしてしまっているだけです。
でも中には妻は、何故 白状させたいの?夫に白状させたいと、やっきになる人もいますが、その結果、どうなるかと言えば
夫が白状したら、もうそれで 精魂尽き果てて、しまうことも多々あります。
その後のことは 妻は 白状してくれたなら、浮気相手と別ると思っていますが、浮気を認めたことは
別れるということとイコールではないのです。
白状させたいということは言うならば、
①白状⇒妻に謝罪⇒二度と浮気をしない
こういう思い込みが 相談者にはあります。
確かに思惑通り、そういう流れになることもあります。
しかし、殆どが 女性へ別れような錯覚を持っていて、それは夫にとれば妻に浮気を知られ場合は
尚、一層これまでより、浮気を隠し上手になっています。
では、何故妻の願いが届かないのでしょう。
それは、ね、白状したら 次はどんなステージに行くのか知らないから 白状させたいのです。
浮気を白状したら 浮気相手と別れるというより、そこまで妻に正直に言えるということは それだけ妻に甘えていると言えます。
その結果、最後に・・ついで・・・浮気を謝ったから、もういいよね?という感じで夫の甘えは増長するだけならいいのですが、開き直ります。もっというと 白状と同時に、中にはそれでスッキリしすぎてしまって、白状させると全部の荷を下ろしたくなり、家族をも捨ててしまいたくなるやけっぱちになる夫もいます。つまり白状させるという妻が上から目線で攻撃的になると、夫は妻に頭が上がらなくなるイメージしか湧いてきません。だったら、と妻との暮らしを捨てようとする人もいるのです。
だから、白状させたら 夫婦が終わりになる確率が高くなるのですが、中には夫のほうが強いタイプがいて、そうなると、妻に対してこれからは疑うことも許さない、詮索をするな、と反対に命令をするという構図が出来上がります。
白状させたいという妻は 探偵などにお金を払って証拠を得るよりも夫に白状させたほうが タダだし、
何よりも夫の自主的な反省が引き出せると考えていますが これは、思い違いです。
証拠を撮るのに、費用をかけたくないという気持ちは分かりますが、白状させるということに、夫婦の立ち位置の刻印を押すことになります。
それでも、いいと思うならいいのですが こういう妻ほど、夫に浮気の証拠を突きつけては、妻がますます嫌われるという心配をされるのですが、だからと言って白状させるということに夫の気持ちが引かないかということは考えないのです。
つまり、夫に白状させるという上からの立ち位置を取りながら 夫婦はフラットであることを願います。夫に嫌われたくないと、言いながら、夫を詰問します。
夫を信じたいと言いながら、夫を信じられないと相談に来るのです。
要は妻の中にも矛盾した事をいっぱい抱えながら、夫の矛盾には追求の手を緩めない。
白状させるという強硬手段を取りながら、実は夫婦は仲良くやり直したいと言っても、悪さをした
夫は、妻のことがわからなくなっています。
妻は 夫にこれ以上嘘をつかれたくないと言います。
だのに、自分のココロにも嘘をついています。
誰が悪いかというと夫が一番悪い。
でも こうなると妻も正直じゃなく、ある意味喧嘩腰ですから、夫も仲良くしたいのか、どうだか訳がわからなくなっています。
これが概ねの白状させた結果、です。
おっと、話がずれてしまいましたね。
最初のテーマに戻しましょう。
要は 目に見えているものは 真実もありますが 真実を装った、嘘もあるという、2つのパターンを知って欲しいということです。
目に見えているものがすべてではなく、むしろ形のない物にこそ 真実が含まれているケースを知ってほしいということです。
夫は優しいから嘘がつけないと信じたくても、夫は優しいから真実を言えない事もあるのです。
あなたが本当に夫に白状させたい事は何ですか?
これから 二度と浮気はしません、と誓約書を書かせたい?
そんなことして 何になりますか?
本当に聞きたいことは何ですか?
夫が浮気で何を得たのか?
浮気相手の女性に有って、妻には無い物って何?
浮気相手とのセックスはそんなによかったの?
今でも浮気相手の事を好きなの?
浮気相手の事はいつ、忘れられるの?
妻の私がこれから 何をすれば、気持ちを戻してくれるの?
また、以前みたいな 幸せな日は来るの?
信じて待てばいいの?
本当はこんなことを聞きたいのではありませんか?
それなのに、白状させて、無理くり浮気はしませんって約束を取り付けても、それって本当に守ってくれるの?ということが不安なんじゃないですか?
夫にとって、それほどセックスは大事な問題なの?
・・・・そんなことを心から向き合って話せてこそ、それが本音です。
本当に聞きたい事も聞けない。
夫も本当の事を言えない。
そんな本音も話せないということは 何も意味もないのです。
そうです、あなたの夫は優しいのです。
だから、浮気相手の不倫は楽しかった、なんて言えないのです。
罪悪感があっても、妻には悪いなんて思ってなかった、なんて優しいから言えないのです。
だから夫に白状をさせても、本当のことなんて何も言わないし、恐らく今後も優しいから、浮気の内容なんて、言えないのです。
白状させて無理くり、口から出る言葉は、あなたを傷つけまいとする、偽りの言葉です。
浮気は、いつから始まって、どんなところで会って、何回くらいセックスしたなんて、正直に言えるはずがないのです。
だから そこをすっとばして、「もう浮気は終わった」と過去形で話すしかなくなるのです。
これはある意味優しさの変形ですが、だったら正直に言うとどうなるかということです。
浮気がまだ継続中である場合は 妻を悪者にします。
妻のこんなところが嫌いで・・・・夫が長いあいだ一人で耐えて来て、その結果、もうやり直しが出来ない・・・・こんな風に言う夫は もう自分の事しか考えておらず、夫婦修復は無理と宣言します。
これが、正直ということであり、これが白状なのです。
開き直るとは こういう事をいうのです。
正直に告げるとはこういうことですが ここまでの状態になっている夫婦は、本音で話すと破綻の一途をたどります。
だから 白状なんてされたら、困るのです。
私のところに寄せられる相談は、何故話し合ってはいけないか?ということが多いのですが その答えは、それをした妻なら殆ど分かっているはずなのです、無駄だったと。
どうしたら 夫に浮気を白状させられますか?という相談も寄せられます。
でも、その前に白状させて、その後どうなるか?ということを 考えていますか?
白状したから 反省と修復を約束するだろうというのは 妻の希望的観測です。
白状したら、夫の気持ちの中で 妻との何かが終わるのです。
これを知ったら 夫の自白に何を求めるか妻は自分の胸に手を当ててよく考えないといけません。
確かに白状させたら 証拠もいらないし、探偵に高額な調査費用は払う必要がありません。
でも、何故 そういう証拠を集めないといけないかというのは 今後の修復作業にとても役立つからなのです。
そこを費用を惜しむばかりに、妻が白状させるという強硬手段は、恐らく夫の心の中で何かを終わらせてしまう事にも繋がります。
そういう事で 勇ましさばかりで、物事を進めていくのは 私は危険だと思います。
ダメだしばかりで ではどうしたらいいのか?とお聞きになりたい気持ちは分かりますが
それこそ、千差万別ですので 一言では云えませんが、取り合えず私のコラムを読んでいる方は、
せめて白状させたいなんて、強さだけの交渉はやめてほしいな、と思います。
では今日はここまで。