夫の真意と 物の道理
今日は、少し夫婦問題の奥の部分・・・・いいえ、裏の部分に触れたいと思います。
よく当方への相談に、「浮気した夫を許すことが出来ない」という相談を受けます。
この許すことが出来ないという形の発展系で、「許した後、裏切られていた時の事が、フラッシュバックして苦しい」という相談が寄せられます。
ちょっと、この発展系の事は、また別の問題がある場合もあるので、ちょっとここでは置いておきます。
で、この浮気した夫を許せないという心理はよく分かります。
実際、パートナーの浮気が分かり、それをめぐり、日夜夫婦喧嘩が絶えなかったり、どうかすると、家を出ていくようなプチ別居のような事があった夫婦には、例え、夫が帰って来てくれたとしても、その時は、喜べても、浮気をしたという裏切りに関しては、落ち着けば、また腹が煮えくり返る気持ちも湧いてきます。
つまり、怒濤の時を終え、落ち着けば、「こんな苦しい思いをさせやがって・・・」という感情が湧いてくるのは当然で、帰って来てくれてありがとうという気持ちとは別に、妻を苦しめた夫が本当に反省をしているのか、どうか、
横で眠っている夫の寝顔を見て、改めて「浮気をされていたとき」の思いが、蘇ってくるのです。
そんな気持ちの持って行きように苦しむ妻が多いのも事実です。
でも、私はこの相談業の中で、反対のケースも多く見てきています。
それは、夫が帰還しなかったケースです。
そこには、恨む相手もいないということです。
あなたを苦しめた夫が何もなかったような顔で、のんきにイビキをかいて寝ているから腹も立つのですが、実は
離婚になってしまった場合は、恨む相手である夫も、もう家庭にはいないのです。
だから、妻の腹立ちは、夫が帰って来たおかげでの揺り返しのような物で、夫を確保できた余裕が、腹立ちという状態を呼んだということです。
つまり、夫を許せないと言うことは、夫が自分の手の中にあるという余裕が言わせている言葉なのです。
苦しむ妻に取れば、「余裕だなんて・・・」と思うかもしれませんが 許す、許さないということ、これ即ち、妻の優位を表すことなのです。
許すとか、許せないとか、立ち位置の面から考えると、その浮気の後の夫婦関係は妻の大きな裁量が方向性を決めるという夫婦のケースだと言えます。
と、言うことは 夫が、悪いと反省していて、許しを請うと立ち位置は妻が上から目線で見れる立ち位置だということです。
だから、この過去のトラウマを今すぐ取り除くことは出来なくても、その怒りの正体こそ、浮気問題を一山越えたという賜物だということです。
もちろん、終わった事ということですから、一山越えているということは当然ですが、こうして以前の事を思い出し
腹が立ってしまうということ自体が、浮気問題の終結という中での階段のひとつだと考えませんか?
確かに妻の苦しみも知らずに、あっけらかんとしている夫をみると、悔しい気持ちも当然ですが、怒濤の真っ最中は、どんなことがあっても夫とまた元の生活に戻りたいと願ったはずです。
で、実際に夫がやり直そうと家庭に戻ってきた、望みが現実になり、目の前にあります。
このように、一度でも、夫が離れて行ってしまうかもしれないと、危機を感じた妻は、もう少し喜びに浸れるのですが、夫の浮気を見つけ、または何らかでバレてしまい、妻に浮気は止めると夫が頭を下げて来た場合、妻はあまり苦しむ期間が少ないのです。
特に夫の浮気に気づかないでいた期間が長く、気づいた途端に、夫が浮気を止めると言った場合は比較的、妻が苦しむ期間は短いのです。
こういうケースほど、浮気が終わったと言われても、今度は信じられないという疑いの気持ちが落ち着けば起きてくるのです。
何故なら、夫の浮気に始まった時期も分からず気づいていなかった訳ですから、終わったと言われても、何も
表面上は変わらない訳です。
だから、自分の見えなかった謎解きを、始めようとするのがこの時期なのです。
そうなると、元々見えてなかった部分ですから、何が本当で何が嘘か、もうその区別どころか、何もかもが疑わしくなって、終わったと言われても、信じられないということになるのです。
しかし、夫に終わったと言われた為、これ以上疑うことを口にすることも許されず、信じると妻も決めた以上、疑いを口にすることもできなくなる。
これが夫の浮気の終焉となるのです。
つまり浮気の後始末は、妻が一手に引き受けたような形になり、これまで浮気をしていた夫が平気のへの座で何食わぬ顔で過ごす事へ、無性に腹が立ってくるというのが、この浮気劇の顛末です。
若干のシチュエーションの違いはあっても、夫を許す、許さないという妻のバックボーンにあるのは、決して離婚にならないという事が保証付きの生活があると言えるのです。
だからある意味妻が許そうと、許すまいと、夫が離婚をしようと言わない担保されている生活だと言えます。
これは、こういうラッキーな部分でもあると説明しても、当事者の妻にすれば、何がラッキーで、何がラッキーでないか分からないと思うのですが、私は多くの相談パターンの中から、沢山のパターンを見てきているので、つい、比較をしてしまうのです。
そこで、比較しやすいように真逆のケースもお伝えしておきます。
それは、妻の猜疑心が元々、強い場合のケースです。
これは、ある意味苦しむ時間が長いのが特徴です。
そもそも夫が浮気性のパターンもあるのですが、いずれにせよ、早い時期に浮気を気づき、夫と喧嘩が絶えないパターンです。
この場合、妻は勇ましいタイプが多く、ちょっとしたきっかけで夫の浮気に気づき、何なら探偵もどきの尾行をしたり、ある程度証拠を掴みます。
そして勇ましいその性格のせいか、掴んだ証拠を、鬼の首を取ったように、夫に突きつけます。
その段階で、かなりの気の強うさが災い?して、夫をやり込めるか、若干気の弱い妻なら、夫に「二度と浮気をしません」と誓わせるのです。
しかし、実際中々浮気は簡単には終わりませんから、こうして夫に浮気をやめろと約束させても、実際には終わらなかったりします。
そうして、何度かやめさせるべく、証拠を突きつけ、それをはぐらかされ、結果、夫が逆ギレするというケースです。
つまり、妻が証拠を突きつけて夫に謝らせたら、一件落着と考えていますが、浮気を終わらせるには、本当は
そんな事では終わらないということなのです。
これを何度も繰り返し、夫に嘘に疲れ果て、当方の門を叩かれます。
正直言って、こう何度も夫に直談判したり、何なら浮気相手にまで突撃している場合は、やれることをやり尽くしたと言えるのです。
何にでも言えることですが、本当に談判するなら、夫が嘘をついて、言い逃れしないように、お堀を埋めてから、取り掛からないといけないのですが、気の強い妻はとにかく、自分で何とかやろうとするのですが、計画性はありません。
それを言うと「苦しかったの、とにかく何かを言わなければ、居ても立ってもいられなかった」と説明されます。
苦しかった事はよくわかります。
でも、居ても立ってもいられず、とにかくやってみた・・・・・これを行き当たりばったりと言います。
夫の浮気で、家庭を失うかもしれないという、大事な取り組みは、行き当たりばったりではいけません。
「どうしていいのか分からなかった」と苦しい胸の内を告白されますが、本当にどうしていいか分からない場合、
人間は、立ち止まるものです。
そこで一歩出てしまったことは、とにかく一言、言ってやりたかったということです。
夫の浮気に困り果て、どうして分からなかったとは言え、実際、何かを言わずにいられないというのが、その人の性格になります。
この場合の夫婦は、妻もまあまあ口が達者で、夫も負けじと抗戦します。
これを何度か繰り返すと、最終的にはどちらからともなく、離婚話に発展します。
当方に相談に来られるのは、この時期です。
浮気も病気と同じで、早期発見、早期治療。
何でも問題解決は早いに越した事はないのです。
ここでは、夫を信じるとか信じられないではなく、実際信じられないと言って相談にこられますから
一番最初のケースと違い、苦しまれた期間も長く、ともすれば、何年も苦しまれている方もいます。
それだけ、夫のタイプも悪質で、浮気の深さもかなり深刻です。
時には夫婦の結婚期間と同様くらいのケースもあるので、その事がわかった場合の苦しみはいかばかりです。
さて、では、一番最後に、一番事態が深刻なケースです。
これも、最初の妻同様、あまり夫の浮気に気づいてないケースで、ある日突然妻に離婚を言い渡すケースです。
これは、夫が妻にばれないように浮気をしていて、水面下で相手との結婚を決めている場合です。
この場合、離婚の理由は何でもいいのです。
妻を悪者にしたり、これまでの結婚生活で、夫だけが苦しんでいたとか、我慢をしていたとか、何なら子供を叱る妻の姿嫌だからと、いかにも子供のためと言いながら、結論は離婚をして、子供と離れて暮らすことを選ぶという矛盾。
とにかく何が何でも離婚ありきで、妻が離婚を選ぶまで、妻を疲弊させるケースです。
これは、妻の方が離婚をまず、受け止められるはずがないので、まずは夫の希望を受け入れます。
しかし、その夫の希望は、実際は離婚することなのですから、夫は所詮、飲めないであろうという無理難題な課題を妻に要求してきます。
その上で、一応は夫の要求を飲むことを条件に、夫婦修復に向かい生活をするのですが、ここでは妻の方が、夫を疑わない、夫の行動には口を挟まないなどと、どちらが悪いことをしたのか分からなくなるくらい、妻が
無条件降伏をさせられます。
そんな時期に私の所に相談にこられますから、とりあえず、夫に捨てられまいと必死です。
夫に嫌われたくないばかりに、子供たちのためと妻は離婚にさえならなかったら、どんなことでもするという覚悟を持って、来られるのですが、夫の本音を教えようと、夫の浮気の実態を掴もうが、それを夫にぶつけることなどは
怖くて出来ません。
だから私が何をアドバイスしようが、夫と離婚寸前に追い込まれている妻の耳には、何を言っても、恐怖心で聞こえないようです。
そこで、妻には私は、現状のからくりを教え、離婚にならない様に、予防線の貼り方を教え、恐怖心を取り除くお手伝いをします。
いかがでしょうか?
夫の浮気と言っても、色んなパターンがあります。
妻の苦しみを一言で言っても、その哀しさは色んな形があります。
誰かの言葉で、幸せの形は、どれも似通っているが、不幸のパターンは、千差万別である。
不幸の順番は、ありません。
その人がどう考えようか、ということで、自分の足元が見えてきます。
自分が一番不幸だと思えば、それで思考がストップします。
色んな人のケースを学び、自分を不幸とばかり嘆かずに、次の打つ手を考えましょう。
一番最初に書いたケースは夫が絶対に離婚を言い出さないから、安全な上での「許す、許せない」は
半分は余裕が言わせているようなもの。
確かに不幸は人と比べて、どうのという話ではないですが、浮気問題の深刻さという点からすると、最初に書いた「許す、許せない」と書いたケースで言うと、浮気問題としては、随分マシな方だと考えてください。
しかし、どういうわけかこの許す、許さないと言っているタイプが、一番不幸を背負っている顔をされているのですが、要はそれだけ、離婚ということから遠い位置であり、夫からは離婚の危険性から遠ざけられている妻だと言えます。
だから、許すとか許せないと言っている事は、それだけ離婚にならないことを確認している作業というか、そうならないから、言えていると考えて下さい。
ね、そう考えると、少し気が楽になるでしょ?
でもね、本当に私が困っているのは、2番目と3番目に書いたケースです。
3番目の夫から突然離婚宣言をされた奥様にとれば、1番目と同様、何が起きているのか、全く自覚がないのですが、1番目と意味が違うのは、一刻も早く、解決しないと離婚になるということです。
だから、夫が突然の離婚宣言をされた方は、夫のいうことを聞けばいいのかとか、あまり自分で手立てをしないほうがいいです。手遅れにならないうちに早く相談に来てくださいね。
では今日はここまで。