今までの方法が間違っています

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦は話し合ってはいけません

このところの忙しさで暫く、コラムを書いてないと思っていたら、いよいよ師走。
今年も残すところ1ヶ月を切りました。
年々、1年が早く感じるのは同年代の友人と話すことですが、特に今年は早かった。
忙しかったと言い訳するのは簡単だけど、本当にこの1年、何をしていたんだろう?と思います。
色んなことを後回しにし、面倒なことを避け、自分に言い訳をしてきた1年。
そういう風に書くと、恐らくこれは私に言えることだけではなく、皆様にも心当たりがあるのではないでしょうか?
やらなければならないことがあるのに、それをやらない。
人はできない事の理由を探す事と達成できなかった事の言い訳には饒舌です。
しかし本当は その実行しなかった理由は、突き詰めて考えると、意外と自分本位な決めつけでしかない事がほとんどです。
夫婦の事は 妻が一番分かっている・・・・・
そういう言い訳をしながらアドバイスを聞いても、心は閉ざしています。
では何故、心は閉ざされるのでしょうか?
それは、未体験への恐怖心です。
でもね・・・・・・・・
本当は未体験だからではないのです。
自分の決めつけが、物事を見る世界を狭くしているのです。
ちょっと、こんなふうに書くと、ピンとこないと思いますので今日は具体的に書きます。
私のところに寄せられる相談で一番多いのがズバリ夫の浮気をやめさせたいという話です。
もう少し詳しく言えば夫の浮気を見つけて、その浮気を終わらせたいと頑張ったが、玉砕したという相談です。
その頑張ったというのは、どういうことかと言うと、私がコラムに書いている禁じ手を一通りやってしまった結果、
「村越さんの書いている通り、話し合いをしても何の役にも立たなかった」と言うことです。
その結果、今後どうしたらいいかという相談に来られるのですが、実はこの段階でもう戦闘意欲を無くしてしまい、
ご主人に抗議をする力を失っています。
これまでは、ある種、夫を縛り、監視し、詮索を繰り返した結果、効果がないから、そういう力づく抗議の代わりに、夫に改心させるソフトな方法を教えてほしいと言われるのです。
でもね、順番が違うのです。
ソフト路線の浮気が先なら、まだしも、先に夫に対し、怒るだけ怒っておいて、結局逆ギレされて、怖くなったから、夫を怒らせないような ソフトな方法はないか、ということなのです。
逆!逆! 順番が逆。
散々、夫を怒っておいて、逆ギレされて、今度は夫が怖いから夫の言うことに逆らえないというのは順番が違いますが、実はこれは妻が怒らなくても、逆ギレはするものなのです。
そこで 私は、夫が怒ろうが、逆ギレしようが浮気を止めさせるには、間違っている事はまちがっていると言わなければならないのです。
逆ギレに恐れをなして、逃げているようでは、世の中「悪」がはびこります。
でもね、いくら正しいことでも、大の男に逆らうのは、怖いという気持ちはわかります。
これ以上、夫を怒らせたくないという気持ちは分かるのです。
しかし、本当の事を言えば、この大の男に、腹が立つったとは言え、さんざん強気で好きなことを言ってきたのは
妻かもしれないのです。
私から言わせると、この初期の段階に、向こう見ずに思いの丈をぶつけた妻の方が、夫は怖がっていたのです。
だから、逆ギレとは、窮鼠、猫を噛む、です。
そうです、猫よりも小さい小動物、ご主人は本当はネズミなのです、
でも、その反撃をされて、始めて御主人の事を怖くなってしまったと感じているのですが、本当に怖いのは
妻の方なのです。
では、その怖さとは何か?
それは良心の呵責という怖さです。
何も腕づくで、押さえつけると言うことではなく、良心への訴えです。
しかし、これまでの方法はいかがでしたか?
話し合いと言いながら、ついエスカレートして、喧嘩腰になっていませんでしたか?
そうなんです。
妻にすれば話し合いのつもりでしたものが、実は夫を攻めて、問い詰めて、帰宅時間を約束させ、
お小遣いを減らし・・・・・
こんな事をしてきた上で、少しでも約束を破れば、「はい、約束を破りましたね」とばかりに玄関で腕組をして待っているような雰囲気の家には、余計に帰宅拒否症になります。
さんざんこうした事をしてきて、夫を追い詰めた結果、ネズミは噛み付いたのです。
ネズミにすれば、どっちが怖いかという話です。
しかし、この反撃をされた事で 妻はいっぺんに、夫の事が怖くなってしまって今後は、もっと夫の言うことを聞かないと、夫がもっと怒り出すと思っているのです。
何なら、夫にこれ以上怒ると、ただでさえ夫婦は冷え切っているのに、もっと最悪の関係になると考えています。
だから、夫の浮気に対してやめてもらいたい気持ちは変わってないのに、夫への強い抗議はできなくなっているということです。
私が浮気のやめさせ方という事を説いたとしても、妻にすれば、夫に浮気をやめろとなんて言おうものなら、益々夫に嫌われると言うことを言われます。
これ以上夫を怒らせたくないと。
これが 夫のタイプにより、別に妻に暴言を吐いたり、噛み付いたりしたりする夫ばかりではありません。
文系の男性や、口達者でない人なら、逆に黙りこくり、妻には無言の抗議をするでしょう。
冷たくするという抵抗をするでしょう。
こういう色んなタイプの抵抗に遇い、妻は自分の抗議の成果がなかった事を実感し、益々道を失うのです。
そうした中で 私が、今後の対策を述べたとしても、心の中では「そんなことをすれば、夫に益々嫌われる」と考えるようです。
でも、ここは浮気の本当の世界を知らないから、そのように考えてしまうと言うことなのです。
もう、ここまで、戦ってきたから、これ以上の冷戦状態にはなりたくないし、夫には嫌われたくないと、
つまり、何か言うと嫌われると・・・・・・・・
だから、もう何もしたくないと・・・・・・・・
何か、方法を求めに来ているはずなのに、本当は何もしたくないと。
もう二度と失敗はしたくないと。
これ以上苦しみたくないと。
だから、一回で自分の問題がパッと片付く方法以外は、嫌だと。
ね?
こんな風に書くと、そんなうまい話はないと 人の事ならわかるでしょ。
今までの方法は間違っていた事は分かるだけに、今度こそ、失敗は許されないと。

「喝!」
その考えこそ間違っています。
これまで間違ってきた手法なのに、その後の事は、少しでも手直ししていきたいというならわかりますが、
間違った上での次の対策を一発で成功させるなんて有り得ません。
それほど、簡単な事ではないのです。
就職試験でも 何社も何社も受けて、滑っても滑っても、トライするのです。
人が起こす出来事は、人の努力で解決するのです。
一度でダメなら、何度か挑戦すればいいのです。
そんなたった一回頑張ったくらいで、物事は成功しませんが
反対に何か一つしたことで 全てが終わるというほど、単純でもありません。
あなたが間違った努力をしてきたなら尚更、今から軌道修正をすればいいのです。
でも、「夫に楯ついたら嫌われる」と 怖がって手も足も出ない妻がいます。
そうです。
それが夫の目的です。
「俺の浮気に口出すな」
「おとなしく黙ってろ」というのが、逆ギレの目的です。
何も、ここに力づくの喧嘩をしろとは言いません。
だって、もともと喧嘩なんてしたくなかったのでしょ?
それなのに、浮気はやめてほしいと言うだけのつもりがヒートアップして、喧嘩になっただけでしょ?
そうなんです。
みんな妻は話し合いをするつもりで 話したら夫を責める事ばかりになってしまったのです。
もう、ここでお分かりですよね。
妻がしたことは 話し合いでもなんでもなかったのです。
そんなことをしても浮気中の夫には何の役にも立たないのです。
その間違った事の上に、夫が乗っかって切れているだけ。
そのメカニズムを理解しないと夫の逆ギレに尻尾を巻いて逃げるしかなくなります。
夫が嫌っているのは、妻のことではなく、「俺の浮気を邪魔する邪魔者」が嫌いなのです。
「人の恋路を邪魔する奴は、犬に蹴られて死んじまえ」なのです。
だったら、嫌われないように、夫の恋路を見守りますか?
何度も言いますが夫が嫌いなのは、妻ではなく、浮気を邪魔されることです。
と、なると、もう邪魔しないで大人しくしていますか?
その結果どうなると思いますか?

私のところに相談にくる妻は、ここを誤解しています。
夫に抵抗することが夫婦を冷めさせることではなく、何もせず放置することが
この先の夫婦の行く末を、破綻へと導きます。
でも 相談者は放置したいわけではないのですが、究極は何もしたくないのです。
ここを冷静に考えると、これまでの方法が間違っていただけなのです。
間違っていたら訂正してやり直せばいい。
妻に対して夫がさよならする事があるとしたら、何もしなかった事の結果だと思って下さい。
こういう、浮気のメカニズムが分かれば そんなに怖がることはない。
むしろ本当に怖がっているのは、夫は浮気を壊される事なのです。
それほど、恐れているのですが 妻はそれを知りません。
つまり一番の怖がりは夫なのです。
逆ギレ?
それは弱い犬ほどよく吠える。
それが逆ギレの根源です。
どうですか?
ここまで書いても、「いいえ、夫はそんなタイプとは違います」と御主人の事を一番よく知っているのは私です、とばかりに妻が、夫の特性を分かるなら、何故、上手く操縦したり、浮気を見抜けなかったかな?
意外と第3者だから、客観的に見れることもあるのです。
失敗したからといって、次は一度で成功しなければいやだ、なんてただのわがままです。
子供だって、転んだら起きるのです。
こけたから二度とこけたくないというなら それなりに足腰を鍛えないといけないように、
二度とこけないようになんて、そんな方法はないのですが、つまずかないように、何度も失敗を
重ねるトレーニングをすればいいのです。
行き詰まっていたら、一度持論を捨てて、もう一度チャレンジしてみませんか?
ひつこいようですが、もう一度言いますね。
夫は妻が逆らうから、妻を嫌うのではありません。
逆に言います。
そんな事で妻を嫌うと言うことはありませんから 勇気を出してやり直しましょう。
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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