理性で解決できるか?

村越真里子

村越真里子

テーマ:夫婦は話し合ってはいけません

夫に浮気をされたトラウマから、今後夫とはうまくやっていけるだろうか?という相談を受けます。
そして、浮気をする人は繰り返すというが、浮気癖はなおりますか?とも聞かれます。
これには、つれない言い方ですが、「分かりません」と答えます。
つまり妻は何が聞きたいかと言うと、夫の浮気がこの1回で終わると断言してくれるなら、耐えられるが、またこの先、同じことをされたら、耐える自信がないということと、また同じことを繰り返すなら妻の私が今、ここで耐える意味があるのか?いっそ離婚をしたほうがいいのではないか?と相談を受けます。

本当なら、「大丈夫ですよ、頑張って行きましょう」と私が断言すればいいのかもしれません。
しかしご主人のタイプによっても様々ですし、それが癖なのか、病的なのか、一時的に魔が差して始まった浮気なのか、その浮気の種類によっても、様々なのです。
しかも、長年妻とセックスレスだとしたら、それは夫にとっては不自由をしての結果の浮気であるかも
色々な結果に繋がります。
他の女性に取られて始めて夫の必要性を感じたと言うことで、「取られるくらいなら、我慢してこれからセックスします」と妻が決心しても、ご主人にすれば、他の女性は妻子ある人と覚悟して不倫している女性と、家庭を守るために歯を食いしばって夫の要求に応じる妻とでは、夫だって、どちらの女性の方が可愛く思えるかは、答えは明白です。
ここで、ひとつ問題なのが、妻があまりセックスをしたがらなかったからという原因がある場合や、元々妻がセックスを好まなかったことで夫婦にセックスレスが起きての浮気であれば、浮気を辞めさせたところで、その後の生活に不安がないわけではありません。よしんばセックスができたとしても、夫を奪還?する為や夫婦という形を死守するための義務的なものになると、それは夫にも伝わります。

よく、セックスレスの事を話し合った事はありますかセックスレスの問題を夫婦で話し合いたいという方がいます。
妻からそういうことを切り出すのはたいてい、子作りや不妊治療が影響している場合もありますが、子供も居て、結婚年数もそこそこになっている夫婦の場合は、夫に女性の影を感じて始めて、それを話し合いたと言う妻がいます。
本当は、女性からそんなことを言うなんて恥ずかしいと思っていますが、なんとか夫の気持ちを知りたくって、話し合おうとしますが、そういう状態の時は夫はテーブルには着きたがりませんし、話し合ったとしても、「別に他意はなく、仕事に疲れているだけだ」と言われるか、逆に妻も忙しくしているのでそういうタイミングが合わなかったと、ケムに巻かれてしまうでしょう。

妻は・・・と云うか、女性はみんな話し合いが好きです。
特に夫婦として距離を感じ始めたら、話し合いでコミュニケーションを取ろうとしますが、意外と話し合いを好む割には、女性は話が下手で、男性は話し合いを好みません。
なぜなら男性は仕事をいう事を一生、やらなくてはならない生き物です。
会社では結果が第一なのです。
結果を出すためには、色々プログラムを組んで計画的に進めていきますがその前には、会議もします。
妻にとっては、この会議を話し合いのように捉えているかもしれませんが 男性社会の会議は言い訳は許されない、結果を出す為の、もっと建設的なものなのです。
何なら、会議等なしで、人には言わず無限実行で成果を出すことがかっこいいとされているくらいです。
しかし妻の考える話し合いというのは、まず妻がどれほど苦しんでいるかを吐露することから始まりますし、おまけにお互いの責任のなすりつけのような会話にもなります。
そして過去の「ああだった、こうだった」という風に話が寄り道し、どうかすると結論に達するまでに
タイムアウトとさえなるくらいです。
妻が考えている会議とは、夫にすれば単なる愚痴なのです。
私も女性ですから、妻の気持ちが解らないわけではありませんが、会議をしたがる妻ほど、話しが下手です。
ですので、話し合いをしようと思うなら、決めるべき事を箇条書きにして、一つ一つ課題を述べて、添えに対しての解決策である具体策を書き出して会議に臨むくらいでないと夫には通用しません。
特にサラリーマンという企業戦士には、過去の反省は2割、先の計画は8割というくらいの会議を体験していますので、過去の愚痴がそのほとんどとなると、話し合いの意味を見いだせません。
しかし妻にすれば長く冷え切った夫婦関係に、夫が向き合って座ってくれる、そこに満足をしてしまうケースが多いのです。
これが私の「話し合いがそれほど効果的か」という問題提起なのです。
特にセックスレスというのは、下半身の問題でもあります。
もちろん、下半身がひとり歩きするはずはないので、そこには上半身の中のハートの部分も大事になりますが、このセックスレスに浮気問題が加わると、男性は途端に、それを下半身だけの話にしたがります。
ここに妻は、何故浮気をしたのかとか、その浮気を何故やめないといけないのかと蕩蕩と話し出すので夫にすれば、理性を失って浮気をしたのに、理性的な解決法を言われても・・・となるのです。
確かに、遊びでの浮気は、魔が差したとかの言い訳をされたり、妻も素っ気なかったからと妻のせいにされてしまい、話し合いと言っても、妻にすればそれに応戦するのが精一杯で、本題からは程遠いものになります。
要はここで話が噛み合っていないと言うことなのです。
話試合を女性は好むと言いましたが それならば「好きこそものの上手なれ」ですが、好む割には女性の話しあいは決して上手くはありません。
でも、妻の頭の中には 上手下手ではなく、誠意を持って話せば解ってくれると考えています。
これは間違いです。
いえ、すべての問題において話し合いをするのが間違いとは言いませんが、こと、浮気の事に関しては話し合いでは終わらせることは難しいと思うのです。
下半身の上には上半身が付いています。
上半身には心と、脳が付いています。
切っては切れない。
切り離して考えられないとは言え、男性の理由は下半身の一人歩きのような事をいいます。
その人に、理性で解決する話をするのは釈迦に説法なのです。
では、どうしたらいいのかは ここのケースにより、また相手の女性のタイプにもよりますので
夫に浮気をやめてと訴えるよりは相手の女性がどういうつもりでご主人と浮気をしているのかを
探る方がよっぽど意味があります。
その女性も夫がいるか、いないかは大きな情報です。
独身で結婚願望があり、相談者のご主人がその女性を口説こうと思えば、一生独身でいてくれとは言えないでしょうし、僕は妻がいるから、遊びなのだということも言えないでしょう。
相手女性にもいっぱい嘘をついているはずですから、嘘をついているご主人に、話し合いで解決をしようとしても、夫は妻の方に向いているのではなく、むしろ若干騙している浮気相手の事を考えているのです。
つまり妻に浮気がバレたとしてもそれは妻に対して悪いと感じる前に、浮気相手の女性に妻が何かいうのではないかという心配をしています。
そうなると、妻をとりあえずなだめると言うことになりますので、話し合いも上の空になりがちです。
それがもう少し、性格が違って夫の性格がきついタイプなら、これを逆ギレという形で返されてしまいます。
またもっと、ずる賢い夫のタイプなら、今から浮気相手と別れて来ると外出したり、翌日にでも相手と別れ話をしてくると言えば、妻は反対できなくなりますが、浮気相手と別れることをすべて夫に託すと、結局のところ最後の決着を見届けたり確認ができません。

そういう場合の夫婦に限って、後になって、浮気後の夫が相変わらず冷たいとか、夫としっくり行きませんという相談を受けます。

そこで 冒頭の浮気夫と今後うまくやっていけるのかとの答えになりますが、うまくいくも、行かないも、大事なことは 本当にその浮気が終わったのかの確認です。
その確認がなされないままに、夫婦の修復を望むことを、「うやむや」といいます。
うやむやで曖昧なことには曖昧な結果しか生まれません。
今後、夫婦の立て直しができるか出来ないかは、その浮気が本当に終わったかどうか、ここに掛かっています。
ここを裏切りという浮気をしていた夫の言葉をすぐさま信じ、別れ作業まで夫に託すというのが、乱暴ではないかと思うのです。
別に夫を信じてはいけないとは言いません。
しかし信じるのは、もっと後でもいいのではないですか?
何も確認をしないままに、別れて来たという言葉だけで判断するのは、やや危険です。
信じるという事は、疑がう余地がないと言うこと。
信じたいから、話をして、浮気を止めるという言葉を信じたいという理屈はわかりますが、
浮気を止めるというその口からは、少し前には、浮気をしていないと言っていたのですから、言葉にばかり真実を求めるのは、その段階ではやめたほうがいい。
いつも書いている事ですが、そんなに簡単に浮気は終わらないのです。
妻にバレたという事は浮気相手と別れるということとイコールにはならないのです。
ここで妻と長年セックスレスという事情が加わると、尚更妻とのセックスのない暮らしに戻ろうという気持ちになるか、どうかなのです。
そうなると下半身の問題とは言え、本当は下半身の問題ではなく、夫婦がどうだったかと言うことに関わりますので、おおよそ、妻からの話し合いと云う理性を失った夫への不満と言うことになると、そんなことじゃないのだ、と夫の本音と乖離します。
と、いうことで結論からすると、妻との話し合いは、益々夫の本音を閉じ込めてしまうことになりがちです。
話し合いといえど、悪さをする夫とは交渉だと思って下さい。
交渉は駆け引きです。
と、なると誠意を持って話せば解ってくれると考えていることは間違っていると言えるのです。
どうしても話し合いをしない人は、それだけ交渉ができるという自信があるときのみにしてください。
とてもじゃなく、交渉なんて苦手ですという妻は 話し合いも上手くないのです。
そういう自分の特質を理解した上で、考えないといけません。

と、いうことで話し合いひとつとっても、妻の知らないことばかりです。
あまり下手に自分だけで考えずに、夫の浮気が発覚したら、まずは専門家に相談することをお勧めします。
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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