夫婦は異邦人?

テーマ:夫婦は話し合ってはいけません

今日は夫婦の会話の話をします。
常日頃、夫婦は話し合ってはいけません、と書いていますので 会話と書くと、「おいおい!ちょっといつもの定説はどこ行った?」というお声が聞こえて来そうですが、勝手にしゃべらせて頂きますね。
私の所に来られる相談の内容の殆どが パートナーの不貞の悩みです。
しかし 中には 「夫が何を考えているか分からない」という相談が来ます。
そして 相談者のお話を聞いたり、中にはご夫婦でお越しいただいたりします。
そこで 夫婦の理解し合えない部分の内容をお聞きすると この答えは2通りあります。
1つは やっぱり どちらかが浮気をしていて それを隠している場合です。
その場合は、浮気をされている方、例えばそれが妻だとすると 妻の質問に答えていないという事が言えます。
妻「あなた、昨日も帰りが遅かったわね、何をしていたの?」
夫「うるさいな、いちいち詮索するな」
こんな単純な会話でも 話がすれ違っています。
つまり、妻は昨晩、帰りの遅かった夫を、もしお酒のお付き合いだったら 今朝はシジミのお味噌汁でもしようかというつもりで聞いたのかもしれません。
それに対し 夫は 詮索と感じているのです。
これは例題として書いただけなので 普通はもっといろんな背景があるかもしれません。
もしかしたら これまでも仕事の付き合いだと言って深夜帰宅が続き、お小遣いの使い過ぎの問題などがあったかもしれません。
そうなると 妻のどこで何をしていたの?という言葉の前に「まったくもう~」というため息交じりの嫌味っぽい言葉だったかもしれません。
字づらだけでは 見えない夫婦の「これまでの歴史」が 同じ質問でも健康を心配しての事か、深夜帰宅に不満を抱いている言葉かが、違ってきます。
妻の夫が何を考えているか分からないという嘆きの中に、妻自身の質問能力という事をまったく加味して考えていないのです。
何でも 正直が良いとは限りませんが 妻の立場にある人は 夫とは少なくとも正直な会話を望んでいます。
でも、妻にすれば日頃の不満を胸にしまいこんで、「あなた、何時に帰ったの?」と言葉は綺麗でも その質問する顔には目にも表情にも 不満が溢れています。
そこで夫は身構えるのです。
下手な事を言ったら また妻のご機嫌が悪くなると・・・・・・
ひょっとすると、夫も同僚とカラオケで馬鹿騒ぎしていただけの事で 特に心配する事はなかったのかもしれません。
でも 夫という生き物は なるべく自分の行動にケチを付けられたくないので、つい無難な答えを探そうとするのです。
しかし 朝、不意に背中越しで どこに行っていた?と聞かれると とっさに無難な答えを探そうとします。
だから そんな、ベストな答えが見つからない時に 質問に質問で返すという 防衛策に出るのです。

でも、妻にすれば 正直に言えばいいじゃん、と思うでしょうけれど、これが中々むつかしい。
ここが不思議な心理ですが とりあえず妻から質問を頭の中で、くるっと回して、一番難のない答えを探そうとします。別に嘘を付くという程 大それたことではなく、言葉選びと言う方が 正しいかもしれません。貴方が夫に嘘をつかせている

妻にすれば 単純な質問です。
妻「どこにいたの?」
夫「言う必要はない」
こんな短い質問にも答えられない、これが問題なのだと思います。
私は日頃 相談を受けていて 感じる事があります。
夫と妻の 言語が違うと。
もちろん同じ日本人なのですよ。
でも、まるで言葉の通じない外国人同士の会話のように 言葉が通じないのです。
ですので 時には通訳を買って出ることがありますが、では何故 同じ国の人間の言葉が通じないのでしょう?
答えは簡単です。
お互いの思惑が違うという事です。
それが顕著な例は やはり夫の浮気が隠されている時があります。
誰も「今夜は浮気相手と会うので遅くなる」と正直に言うはずがありません。
浮気をしている最中は その時間のすべてを仕事や付き合いのせいにしなくてならないのです。
そういう前科?があると もし浮気が終わった時も 習慣的に嘘を付く習性が身に付いています。
もう そんなにビクビクしなくていいのに、嘘を付いて 妻の質問を切り抜けた経験がある夫は 嘘を付く事の方が無難だという事を 身に染みついてしまっているのです。
嘘には 大きく分けて2パターンがあります。
一つは自分の危機を察しての防衛の嘘。
もう一つは 相手に対し「嘘ついてやれ、騙してやれ」の嘘です。
たいてい 夫婦の間で繰り広げられる嘘は 前者の方です。

妻にすれば 何気なく聞いている事にまで 何故身構えられるのか分からない。
普通に聞いているのだから 普通に正直に答えてくれたらいいのに・・・・と考えています。
でもね、浮気が過去の事だとしたら、夫はすねに傷のある身体です。
まだ 生傷が癒えていないとしたら つい我が身を庇うという防衛に出るのが 無難な嘘です。
しかし、厄介なのが まだ、本当は浮気が終わっていないか、または微妙な段階の夫の場合です。
この場合の妻は 薄々浮気も気配も感じていて、夫とは冷たい関係になっています。
会話も少なく、ともすれば 夫の視線がとても冷たい状態の時もあります。
そういう時には 少しでも会話をする事で コミュニケーションを取ろうとする妻がいます。
でも、夫にすれば 下手な会話をして墓穴を掘るのも嫌だし、やはり妻の目を見て話す事なんてないと感じています。
そんな時に 私の所に相談に来られるのです。
夫が何を考えているか分からない。
夫の浮気が発覚したが 夫とどのように会話をしたらいいか?と。

つまり冷たい夫婦関係に疲れてしまっている妻は 会話で風穴を開けようとしているのだけれど
夫と話が会話が出来ないのでどんな会話をしたらいいですか?と聞かれます。

ごめんなさい、相談者への答えになっていませんが ご主人は会話は望んでいません。
望んでいない人間に話しかけるから ぞんざいな対応をされてしまうのです。
では、どうしたらいいか?
まずは 話しかける時の注意です。
男性は背中が弱いのです。
後ろを向いている時に 話しかけると妻がどんな表情をしているか分からないので 怖いのです。
動物界でもそうですが オスは背後をとても気にします。だからつい警戒してしまうのです。
ですので 背中越しに話しかけるのはやめましょう。
では 次に前に回って 目を見て話せばいいかと言うと それも少し違います。
目を見られると 睨み合いになるのは オスの習性です。
ごめんなさい、完全に猛獣扱いですね。
でも 妻にすれば 本当に何も疑わしい事が無ければ 目を見て話せるじゃないかといわれます。

でもね、考えても見て下さい。
例え もう浮気が終わっていて過去の物だとしても、昨日まで浮気をしていて 今日からはまっすぐに妻の目を見て話しが出来るかというと そんなにすぐは無理です。
では いつからかというと それは人それぞれですが 少なくとも半年くらいは待ってあげましょうよ。
もし、浮気後に妻に優しく、会話もすぐに明るく出来るようになる人なんて 反って嘘っぽい。

夫婦は明るく会話をして 正直に心を打ち明け合うべきと言うのは確かに理想ですが 浮気事件が終わって 
すぐにそれを求めるのは酷というもの。
別のご主人の浮気を 許しなさいとは言いません。
誰が悪いかと言うと種をまいたご主人であるという事は明白です。
確かに 罪滅ぼしをしてほしい事は分かりますが  とりあえず 浮気が終わったばかりの後に、そんな変わり身は早く出来ないのです。
そして何よりも 「正直に話して」という 嘘のない会話を望んでいる妻の本心が「この人の浮気はまだ続いているのではないか?」という疑いの気持ちを押し殺して 質問をしているものですから、妻も夫同様、正直とは言えないのです。
そういう事を言うと、「私は夫を疑うような言葉は一言も言っていません」と相談者の妻は言われますが、妻は何気ない質問をしたつもりですが 目にも顔にもすべて出てます。
長年連れ添ったご主人だから 妻の言葉の真意は感じてますって。
悲しいかな、こういう部分は ご主人は解っているのですが この妻の不安を解消してあげようという事にはならないのですよね。
では そもそも人間は 何故正直に話せないのか?
これは人にもよります。
ずーっと真っ正直に生きてきた人にとっては 嘘をつく動機も必要もありません。
こういう人は 本当に男らしい人です。
人生、嘘を付かないで生きて行くという事は 大変勇気のいる事です。
時には 誤魔化して 自分以外の物のせいにした方が楽な場合はあります。
正直に物事を言う事は 悪い事も自分が責任を取るという事です。
それに反し、嘘を付くという事は 「非を認めない」という事ですから 責任転嫁できるのです。
つまり 自分が責任を取らなくてよいという事です。
じゃ、何故嘘を付くのかという原点にもどると それは 究極は 「その方が楽」だという事です。
何故 何故?何故嘘を付くの?と何度、考えてみても 分からないはずです。
その本当の答えは 本当の事は言いたくないという事もあるし 嘘の方が楽だ、という事です。
では、何故、夫婦なのに心をあけっぴろげに出来ないかというと、あけっぴろげられない何かがあるという事です。
その何かとは それぞれ夫婦によって違いますので 一概には言えませんが あまり言葉にばかり真実を求めると 訳が分からなくなります。
妻も自分自身、言いたくても言えない事を押し殺して 表面的な会話をしているのですから 何でもかんでも言葉に出来る事ばかりではないという事は相談者が一番よく分かっていると思いませんか?
嘘は裏切りの嘘ばかりではなく、「今は言いたくない」という嘘もあるかもしれません。
では今日はここまで。

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村越真里子
専門家

村越真里子

Re婚かうんせらぴー

最優先は夫婦の危機回避。浮気問題解決と夫婦の関係修復は分けて考えまずは離婚を回避し、その上で夫婦の修復を図ります。行動心理学を基に、今後同じ問題が起きないように予防も含め対策を練るのが使命です。

村越真里子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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