夫婦は話し合ってはいけません Vol,3
前回のコラムの続きで、もう少し 罪業妄想の構造をお話ししましょう。
この罪業妄想が うつ病の中の一つだと言いました。
とは言え 悩める相談者を病人扱いしているのではありません。
うつ病と言っても それは病的と言う意味ではなく、「鬱傾向」であるという事ですが
信じていたパートナーに裏切られると誰だって、落ち込み、悩みますので鬱のような症状には誰だって陥ってしまうという事です。
悩みを抱えて、出口が見当たらない・・・・・・これは鬱に近いような精神状態になるという事ですから、何も「病気かしら?」なんて思う必要はありません。
問題が解決したら 鬱のような不安は無くなりますから、安心して下さい。
さ、今日は この罪業妄想の構造というより そういう事が引き起こす状態を説明します。
これは 「精神的DV」と一緒だと知って下さい。
特に浮気問題の場合は 腕力による暴力ではなく、精神的な暴力を受けていると一緒という構造を知って頂きたいのです。
日頃から夫婦は信じ合って、信頼し合って・・・・・
これは、当たり前です。
しかしパートナーの浮気により この関係はもろくも崩れ去ります。
妻は夫を信じたいと願っているのに、信じられない・・・・・
ここに妻は自分を責めます。
そして 浮気をしている立場の夫は この精神論を振りかざします。
「そんなに夫の俺がいう事を信じられないのか?」と。
妻にすれば 元々 信じたいと思っているので それが出来ない自分を責め、
その上、夫からも 「信じられないなら もういいっ!(怒)」とまで吐き捨てるように
まるで夫を信じない妻がおかしいとまで言われる始末。
思い出して下さい。
何も浮気事件の無かった 仲の良かった頃を。
夫の事を信じて愛しい存在であったはずです。
何も不安を感じずに、安心し信頼できた夫だったはずです。
でも、もう今は 色々あって、信じられなくなったという事です。
では、どうしたらいいかというと この「色々あって・・・・」と言う中身が解明されないと
以前のような まったり穏やかな日は戻って来ません。
しかし その中身を問い正そうと 夫婦は話し合います。
「何故帰りが遅いの?」「何故、そんなにお金使いが荒いの?」「何故 私の目を見ないでイライラしているの?」そんな話し合いが続きます。
そこには夫の明快な答えはありません。
「残業。付き合い。仕事が多忙」
こんなくらいの答えしかありません。
本当にこういう仕事の多忙さであったり、仕事で悩んでいる時は在ります。
でも、そういう時は 夫は心のよりどころを妻に求めてきます。
何故なら夫も苦しいのです。
しかし こういう状態にあって、妻を求めてこないというのは 妻とそもそも冷え切った関係であったか、または妻以外の他の女性に心を移しているというケースが殆どです。
そしてそれにも気づかず放置していると 浮気相手とどんどん付き合いを深めてしまいます。
そうなると夫は必ず、浮気を何とか継続しようと、妻には隠し事をたくさん持つようになります。
ここでは心がもう離れた状態で 何とか妻には解らないように浮気を続ける努力を始めるのです。
ですから 妻が夫のお金使いの荒さの中身を聞いても言えるはずがありません。
残業で深夜帰宅になっても いっこうに残業手当は増えません。
それどころか、残業をしていて遊ぶ暇などないはずなのに、お小遣いの範囲を超えてお金は出て行っているのです。
こうなると、夫に「何故なの?」と聞いても 答えるはずがありません。
でも 世の中の妻は 聞いたら答えてくれる、と考えています。
そして その質問への答えは すべて真実だと思ってしまいます。
私の所に相談に来られる妻が 私に自信を持って話される事があります。
「夫が鬱のように落ち込んでいます、浮気も疑ったけれど 夫は浮気をしていないと言いましたので 浮気はしていませんっ!!」と、私の目を見ながら真剣に話されます。
世の中の浮気男性に 「浮気をしてるか?」と聞いても、200%「はい」という男性はいません。
それなのに、夫は浮気はしていません、と妻は言うのですが それは夫がそういいました、と言うのが妻の結論です。
もっと言えば ある程度浮気の証拠をメールなどで妻が掴んだ結果、夫に問い質すと、
「確かに浮気は少しあったが、もう別れた、または別れる」という事で 夫は話を終わらせます。
これがいわゆる妻が言う「話し合いをしました」という事です。
ここで もうお分かりだと思いますが こんな嘘を付かれて それを信じ込まされて、これが話し合いでしょうか?
夫にすれば、「ばれてしまった、ヤバい」だとすると、今度はばれないようにしようと言う事になります。
そうなると 夫は話し合いすら、うっとおしい・・…早く切り上げたいという事になります。
その言葉が 「そんなに俺を信じないのか、それなら離婚だ」という言葉に妻は恐怖を抱きます。
これが 「脅かし」なのです。
つまりこれが精神的暴力なのです。
しかし妻は 「信じろ」と言われた以上 信じられない気持ちが沸き起こっている私はおかしいの?という自分を責める事をし始めます。夫を信じるな?
信じろという命令と 信じられないのに疑問を持つことさえ許されない関係。
これがあなたの求める夫婦関係でしょうか?
夫が浮気はしていない、という言葉を妻に告げ、それをまんま信じられる妻はある意味幸せなのかもしれません。
本当に苦しいのは 信じられないのに 「僕を信じないなら、もう妻は要らない」と言われる恐怖心。
つまり 不安があっても 何でもいいから 「黙れ!」という事なのです。
これは暴力ではありませんか?
でも、中には そんな夫の言葉にひるまず、勇ましく事実解明をしようとする妻がいます。
私はこれは悪い事ではないと思います。
しかし夫からすれば浮気に邪魔が入るという事になります。
妻は 必死で話し合いという平和的交渉をしたがりますが 浮気を継続しようとしている夫にすれば、浮気を阻止しようとしている「敵」なのです。
敵と言う限り これは小さな戦争です。
敵は弱ってくれないと あまり力を付けて勇ましいと 夫は困るのです。
だから 敵の戦意を喪失させる事に作戦を切り替えないといけません。
皮肉な言い方ですが 夫と仲よくしたいと望んでいる妻にとっても夫は敵なのです。
そこで 夫は敵の戦意の威力を少しでも減少させないと 浮気が継続出来ないので
敵の妻に脅かしを仕掛けてくるのです。
そうです、この脅かしが 「精神的DV」と言う 作戦です。
妻から 牙と言うか爪を取っておかないと 夫もその爪で引っかかれては大変です。
だから、敵の戦意を抜くために、脅かしてくるのです
「これ以上、俺に逆らうな、もし逆らえば どういう事になるか 解ってるな!」という形では
妻が望む平和的交渉とは言えませんが そもそも妻は 話し合いがすべてだと思っていると
したら 夫にすれば そういう話し合いは望んでいないと、という事になります。
つまり 妻にすれば 話し合えば分かり合えると考えていますが 夫にすれば話し合って、
浮気を認めたりすれば 今後浮気がしにくくなるし、そんな事は話し合いでも何でもなくて
妻からの詰問としか 感じないのです。
これだけ 妻が期待する話し合いの目的と夫が感じる話し合いのデメリットとは意味が違うという事になります。
しかし 時々、別のケースが起きます。
夫がこの話し合いの結果、観念し、正直に浮気を告白し、「もう、どうしようもないのだ、子供は大切だが 妻の君とはもうやり直す気持ちがない」と 降参されてしまう時があります。
ある意味 これは夫から真実を聞きだせたから 「本当の話し合い」という事になりますが
中には残酷な事に 話し合いの結果、離婚を宣言される事があります。
こんな風に 振り子が振れてしまった後では どうしようもありません。
何故なら ご主人の気持ちの真実なのですから。
だから、話し合いが必ずしもいい結果を出さないとので 私は常に話し合いはしないで、と唱えているのです。
本当に困るのは 真実を言われる事。
こんな残酷な事が待ち受けていることがあるのも話し合いです。
皮肉なものです。
それで、結果的に何が言いたいかと言いますと、まだ夫に嘘を付かれている方がまし、という事です。
夫も嘘を付きたいという事は何等か、守りたい物があるという事です。
浮気と家庭と両輪でやって行きたいという事が「嘘をついてでも・・・」という事ですから
嘘もつかず、家庭を捨てたいと言わせるような 「参った」と言わせる詰問になると、
妻は自分で自分の首を絞めたという事になります。
では、どうしたら いいか?
嘘を鵜呑みにするのもよくありません。
鵜呑みにすると その浮気はどんどん進行し、結局離婚を招く事にもなりかねません。
でも 疑って疑って夫にばかり詰め寄ると 夫はもう、逆切れするか 家庭を捨てるかに
追いつめられますので 話し合いで解決すると思っているのは 妻だけだという事になります。
夫が妻の爪を抜いておこうとするなら 騙されたふりをして 戦意を喪失した振りをして、爪を研いだらいいのです。
何も爪をとがらせて それを夫に見せる必要はありません。
むしろ 手の内を知らせると またご主人は違う作戦を立ててしますから、こちらの手の内は
見せない方がいいのです。
何でも 見せ合い、正直に話をし・・・・・・・・・
それが妻の理想かもしれませんが それは、無知です。
この浮気の世界の事は 私がようく知っていますから その構造はお教えしたいと思います。
但し、よくお電話で 「夫と女性の別れさせ方を教えて下さい。」という 無料相談が掛ってくるのですが、やはり それほど簡単な物ではありません。
夫の性格や仕事。女性の立場や 未婚、既婚。
色んな事が組み合わさってその浮気は構成されています。
私がこういうコラムで具体策を書かないのは それは不倫のケースによって 取るべき対策が千差万別です。全部書けるはずがない。
そういう事で 是非真剣にお考えの方は ご相談にお越しください。
遠方の方はお電話でも構いませんが 個々のケースへの作戦は 個々の事情をお聞かせいただかないと、誰にでも通用する方法はないという事です。
ちょっと、電話で、出来れば無料相談の15分の範囲で 答えて欲しいと言う方がいますが
少し それは自分の問題を簡単に考えすぎです。
これまで、悩まれたのは それだけ大変だったという事ですから 話は長くなっても良いという覚悟で是非一度、お越しくださいね。
今日のテーマは 罪業妄想という事でしたが 大きくまとめると、夫は自分の浮気を継続しようとすると、妻を黙らせなくてはいけません。
特に夫自身が浮気をした原因は妻が悪かったという事にすり替えて行かないと 夫が悪いと言われると 益々夫の行動を見見張るはったり、制限しだします。
そうされないために妻の勇ましさを、抜いておき、妻が悪かったと、妻のせいにすれば 妻は
大人しくなります。
まして浮気をしたことすら 妻の私が夫にかまってやらなかった、と反省という自分を責めだします。
そうなると 万一浮気が発覚してもそれは妻が原因だと責任転嫁をできて、夫は自分を正当化させることが出来るのです。
その為に 妻をやっつけておかないといけないから 自分の浮気すらも妻のせいにするという構造です。
それを真に受けて、妻が反省をし、身ぎれいにし、夫の好物を作って、明るく振る舞い、家も綺麗に整頓する・・・・・・
こういう努力に入って行くのが妻の反省なのです。
攻撃は最大の防御なり。
妻を攻撃しておくと 戦意喪失します。
では夫は何を防御したいのでしょうか?
それはひとえに 浮気の継続でしょう。
浮気のある生活を守りたい・・・・これが防御なのです。
ね?こういう風に書くと、妻の思いと夫の思いが、如何に交錯しているかお分かりになると思います。
これでも 「話し合い」という「詰問」を続けますか?
では、今日はこれで。
守