後ろめたさ
家事への夫婦の勘違い「家事と育児が夫婦の亀裂に?」
夫婦関係の悪化に家事と育児の事が大きく影響することがあります。夫婦が家事と育児を巡って意見が対立する事もありますし、家事、育児の後に協力という言葉を付けると、どちらかが相手に協力が得られないと不満を持つと夫婦関係の悪化につながります。
今朝のYAHOOニュースで「イクメンの暴走”で亀裂が走る夫婦が増加中」という記事がありました。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130118-00000501-sspa-soci
このイクメンの勧めが考案者の思惑と違う方向に行ってしまっているとのことですが、今日、私が言いたい事は 色々な相談者が居て、こちらの予想とは違う事も多々あるという事をお話ししたいと思います。
実は随分前に、コラムで家事の種類の事を書きました。
普通家事と言えば 炊事、洗濯、掃除を頭に浮かべますが これがひとくくりではないという事を述べました。
特に炊事の中でも料理と、洗い物というのが頭の中では「片づけ」という作業になり別の脳を使うようです。
そして家事という事で夫は妻がするものと決めつけている場合は 女性は家事は出来て当然と考えています。
しかし 家事も一つの能力と考えると、必ず得手不得手があるはずです。
男性は結婚していようが、してなかろうが仕事はしないといけないという宿命を負っています。
だけど、男性だって仕事が出来ない人はいます。
それと同じで女性だからと言って、誰もが掃除洗濯や料理が出来るということではないのです。
しかし 日本人は古くから 男性と女性の役割が決められて育つものですから、夫になれば
仕事がバリバリ出来るものと思いがちですし 夫からすれば妻なら家事は出来て当然と思う訳です。
でも、これをお互いが結婚する前に、確認できる機会があればいいのですが ともすれば自分の
仕事の能力を気付く事なく結婚をすると、相手は役割をこなせるものと思い込んでいます。
そして新婚生活の内はお互いに良いところを見せようと張り切りますが、家事も炊事も毎日の事になると、そんなに喜んで出来なくなると言うか、モチベーションがいつまでも続かないのです。
例えばそれが妻である場合、夫からは妻ならば炊事洗濯が出来ると思われているので、妻自身も
自分に苦手な物があるとは気づきにくい物ですし、夫に苦手だとは今更言いにくいものなのです。
この場合、一番自分の苦手な物から手抜きを始めます。
そうなると、その苦手意識から 相手の協力を強く求めるようになります。
そして夫がそれに協力的でない場合は夫に不満を持ち始めます。
こんな事で亀裂が入るくらいなら、むしろ自分の苦手な事をサクッと告白出来ればいいのですが
夫の性格にもより、妻が家事が出来ないという事を許せないような固定観念がある場合は夫が
家事協力するなんて出来ないのです。それ以上に妻が家事が苦手だなんて事も理解できないので
妻も苦手意識を隠して生活するしかなくなります。
これが気の弱い妻であれば 何か夫に苛められているような気持ちを持ってしまいますが
この逆で気の強い妻であれば とても無理して家事をこなします。
これは内心とても苦痛で、段々日々の生活も楽しくなくなっていく中で 夫が少しでも手伝おうとしたら それを取り上げるように、夫の家事協力を断ります。
その断る中で夫の洗濯物のたたみ方や 食器の洗い方を否定します。
こういう妻を見て夫は妻が潔癖症で、家事が得意だから夫にダメ出しをすると感じますが
実は そのダメ出しは、本当は妻が自分自身にしているという事に気づいていません。
これが家事協力を夫に命じながら、何をしても夫を否定するという事になりますが、こういう妻の場合は 家事を完璧にしたいから厳しい点を夫に付けているのではなく、実は妻は自分が家事を強いられていると感じている事への無意識の抵抗なのです。
ね、こう書くと、複雑すぎて理解ができないと男性は思うでしょうね。
でも、これを男性の仕事に置き換えて見て下さい。
妻が社会人として大人でないから、男性社会の厳しい仕事なんて理解できないだろうと
見下している時、実はその夫自身に仕事に苦手意識があり、自分の弱みを突かれたくない時は
妻を否定するという事をします。
何とも複雑すぎて、一度では理解しにくい事かもしれませんが、要は夫も妻も自分の苦手意識を
指摘されたくない時は 相手を攻撃するという事があります。
先のYAHOOのニュースとはあまり関係ない事かもしれませんが 家事や育児には、表面的な問題以外に、意外と複雑な問題は含まれています。
そういう事で 家事や育児を巡って夫婦が喧嘩をする時に その出来加減をし合う前に、お互いの苦手意識を見つめ直し、その苦手意識を隠したり、または押し付け合ったりしていないかという内面の洗い直しをした方がいいと思うのです。
掃除が行き届いていようが、料理がいつもちゃんと出てこようが、それが本当はとても無理した中での事であれば そこまでする必要があるかという事になります。
お互いを否定し合う前に、お互いの苦手部分を正直に話せる夫婦の関係が必要ではないかと思うのです。
少々、家が散らかっていても 埃じゃ死にはしません。
料理も手抜きと思われるのが嫌で 一生懸命にやり過ぎて 破裂するくらいなら インスタント物でも
充分良い物があると、鷹揚に考えるべきです。
家庭をきちんと保とうと思うばかりに 無理をして家庭が崩壊するなんて本末転倒です。
そういう意味で 整理整頓された家庭の中は 逆に夫婦関係が整理されずに崩れている事があると言うのが 今日の言いたかったことです。
この基本になる考え方は 女性だからと言って誰もが家事を出来る訳ではない。
家事と言っても 料理の好きな人と、掃除の好きな人とは、まっぷたつに分かれるという事を
以前のコラムに書きましたので、もう一度 おさらいをしてみて下さい。
http://mbp-japan.com/osaka/fu-fu-all-ok/column/12709/