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津谷良(つたにりょう) / 歯科医

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コラム

入れ歯安定剤の使用の功罪

2022年3月15日

テーマ:入れ歯相談

コラムカテゴリ:医療・病院

皆さん、こんにちは!いかがお過ごしですか?
津谷歯科医院 院長の津谷 良です。



我々歯科医師が総入れ歯を作る時に、難しい(条件の悪い)歯ぐきの一つに、
フラビーガム(ブヨブヨの歯ぐき)があります。

この状態は指で触ればクネクネと動き、容易に変形して、噛むと痛みを感じる状態です。
これは歯ぐきに適合していない入れ歯を入れ歯安定剤などを長期に使用することで、
歯ぐきがこんにゃく状に変質したものです。

入れ歯安定剤は入れ歯を安定さすために入れ歯の内面に塗るものですが、
入れ歯と歯ぐきの隙間の大きさにもよりますが、均一につけること難しく、
そのため入れ歯が動き、歯ぐきを部分的に圧迫し、
このような歯ぐきになっていくものと考えられています。

また入れ歯安定剤の使用で毎回安定剤を入れ歯から外し掃除をする煩わしさや、
合っていない入れ歯の使用により顎の骨の吸収を促進させ、
ますます結果として入れ歯の隙間を拡げることにもなりかねません。

あくまで一時しのぎの使用として頂いて、歯科医による診断の上、入れ歯を新製か修理をして、
入れ歯安定剤の使用が必要であれば歯科医師にご相談頂きたいと思います。

最近は総入れ歯でも患者の皆さんの高齢化と、
抜歯適用の歯でも無理に残したいという患者さんの希望のため、
残った歯への負担が増え、顎の骨や歯ぐきの変化で、
ますます総入れ歯の難しい条件の方が私が開業した約40年前とは比べ増えてきているようです。

特に入れ歯安定剤の使用が増え、患者さんとしては使用したい事もわかりますが、
TVコマーシャルのような安易な使用は控えていただきたいと思います。
あくまで歯科医の指導の下でのご使用をお願いします。

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津谷良

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