3.11を振り返り、その時の描いた「絵」

芳賀健太

芳賀健太

テーマ:絵画作品

昨日は、3.11でしたね。
あれからまる7年です。

あの日は、独立して2年目で、
絵の仕事をどうやって成り立たせるか、と本当に必死の日々でした。

そこに、まさかの東日本大震災のニュースが入り、
津波、原発事故と、
とんでもない状況をテレビやネットを通じて見て、衝撃を受けました。

正直、真っ白になり、
こんな時に絵なんか描いてていいのか?って、自問自答しましたし、
絵はなんて無力なんだろう、、
と自分の立ち位置みたいなものも突きつけられたような気がしました。

それでも生活しないといけないし、、と葛藤していたように思います。


連日、現場の悲惨さを伝えるニュースと
様々な自主規制のムード。


遠い九州の地からなにかできないかと、せめてもの行動で、奥さんと献血に行ったり、支援をするイベントに参加したりと動いていました。

その後、様々な尊敬するアーティストが行動をしてる姿に、勇気をもらい、
ようやく自分も、絵でなにかできることはないか?
と制作に入ることができました。

その時にできた作品がこちらです。



「requiem」
(2011年作・油彩・90センチ×90センチ)

3.11で亡くなられた被災者を思い、
描いた作品です。

モチーフは
以前に、自分の祖父が亡くなったときに
偶然にも注文が入り、描くことになった奈良にある「石舞台古墳」と桜の風景です。

被災者への気持ちと祖父が亡くなったときのどうしようもない気持ちが重なり、
この作品となりました。

また、丸い画面は
人の魂の形と、
京都にある「悟りの窓」というものを意識して作りました。


その後、
大分の個展会場で披露し、
お客さんと東北への思いを共有することができました。

また、東京の個展会場では、

お客さんから
「画面の上半分が人が逆さになってる形に見えますね。
そして、下半分が鳥の形に見えます。
まるで、人を鳥が救いあげるようにも見えますね。。」
と言われ、自分でも初めて気がつきました。

両端に描いた桜の隙間がそのように見えるらしく、
描いた本人が気づいてませんでした。

作品を終わらせる時って、
ほんとに感覚なので、
どこかで自分が納得して
「完成!」とするのですが、

無意識にそんな形に見えるようになってることに驚いたのでした。

教えてくれたお客さんに感謝です。

7年経って、
風化されそうになっている現状ですが、現実はまだまだです。

いつまでも忘れてはいけないと
胸に刻み、
亡くなられた方々に想いを馳せて、
今を一生懸命に生きます。

また、残されて心が傷ついた方の力になれるような絵をこれからも描いていきたいと思います。

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芳賀健太
専門家

芳賀健太(画家)

空間ペインター

アーティストとして、絵画に関する幅広い業務を請け負っており、オーダーによる絵画制作・壁画制作等幅広い業務を行っています。

芳賀健太プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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