税収上振れ2.2兆円
消費税増税再延期
安倍首相は平成29年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを平成31年10月まで2年半延期することを正式に表明しました。
これによって私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。
消費税増税の反動減対策として講じられた住宅ローン減税は延長されるとみられ、マイホーム購入を焦る必要はなさそうです。
一方で消費税増税分を充てる予定だった財源の見通しないためが立たないため、年金や介護、子育て支援など社会保障の充実策は取捨選択を迫られるかもしれません。
例えば、低所得者への年6万円の給付金や、受け取りに必要な保険料納付期間を25年間から10年間に短縮する施策は、税率10%への増税と同時に実施する予定だったので、開始時期は再検討となります。受給資格の短縮を待つ無年金の人には残念な状況です。
なお、待機児童解消向けに保育分野の受け皿整備は、予定通り29年度から実施する方針で、子育て世帯には救いとなりそうです。
買い物などでの税負担が据え置かれるのは家計にとっては朗報ですが、増税分を充てる予定だった年金や介護への支援は、十分にできなくなる懸念があり、高齢者たちの生活への不安は解消されそうにありません。
=参考=
消費税増税時の家計の年間負担増税額
家族2人以上の勤労者世帯 年収 300万円→3万3600円
500万円→4万2000円
700万円→5万 400円
1000万円→6万3600円
1人暮らしの勤労者世帯 300万円→2万 400円
500万円→2万6400円
年金暮らしの高齢者夫婦世帯 250万円→2万8800円 (出典 平成28年6月2日付 産経新聞朝刊より)