印紙税の基礎と平成26年4月以後の改正事項
2015年度税制改正(法人税)
(1)法人税実効税率の引き下げ
2015年度に法人税率が2.51%引き下げられることが決まりました。(「平成27年度税制改正の大網」2015年1月14日閣議決定)政府は法人税率を今後数年間で合計5~6%引き下げる計画を立てており、2015年度の法人税率引き下げはこうした計画の第一弾にあたるものであります。現在34.62%の法人税率は、2015年度に32.11%(2.51%の引き下げ)に、2016年度に31.33%(更に0.78%の引き下げ)になります。その後の税率引き下げ計画はまだ確定していませんが、数年で法人税率を20%台まで引き下げることを目指すとされています。
(2)欠損金の繰越控除制度の縮減
欠損金の繰越控除制度とは、過去の事業年度に欠損金が生じた場合にそれを翌年度以降に持ち越して将来発生する黒字と相殺できる制度です。
今回の法人税改革において2016年度までに繰越期間が9年から10年に拡大されるものの、一方で大企業は繰越欠損金と相殺できる所得の制限が現在の8割から2015年度2016年度6.5割、2017年度5割に引き下げられるため、実質的にさらに厳しくなります。
尚、中小法人等については、現行の控除限度額が存置されます。(控除限度100%)
中小法人等以外でも、再建中の法人や一定新設法人については、7年間、100%控除できる制度が新たに導入されます。
(3)受取配当等益金不算入制度の縮減
受取配当等の益金不算入制度は、配当原資が、配当支払い法人の側ですでに法人税が課税されていることから、配当受取法人で課税されると二重課税となるとの考えに基づき、受取配当等の全部又は一部の金額を、税法上益金に算入せず、二重課税を排除しようとする制度です。現在は、持分25%以上の保有株式に係る配当は100%益金不算入、持分25%未満の場合は50%益金不算入となっています。これが、2015年度税制改正では50%益金不算入となる持分の基準が3分の1まで引き下げられ、持分5%以下の配当については8割が課税されることになりました。