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中古住宅購入前に知っておきたい。普通のインスペクションでは「住み心地」が分からない理由

塩原真貴

塩原真貴

テーマ:リフォーム

こんにちは。私は長野市にある工務店「株式会社Reborn」で設計と現場監督を務めております。
建築士および宅地建物取引士として、日々の住宅現場や物件の売買に携わる中で、「中古住宅を購入してリノベーションしたい」というご相談を受ける機会が増えています。
空き家が年々増加し、住宅が供給過多となっている昨今、買い手の目はよりシビアになっています。
そこで物件購入前のインスペクション(住宅診断)が注目されていますが、実は「ふつうのインスペクション」だけでは、本当に安心して暮らせる家かどうかを判断するには不十分です

■ 現場の実体験から見えた「調査項目の不足」現行の一般的なインスペクションは、主に中古住宅の流通を円滑に行うための「最低限の情報開示」が目的となっています。
雨漏りや構造上の大きな欠陥がないかといったチェックにとどまり、家の暖かさや省エネ性に直結する断熱材の状態までは深く調査されないケースが少なくありません。
しかし、実際に床下や小屋裏に潜ってみると、書類上の評価とは全く異なる現実が広がっていることが多々あります。

現場のリアルを視覚的に共有する「補足資料」の重要性


現行の調査項目ではカバーしきれない建物の実態を依頼様と共有するため、私は通常の報告書に加えて、詳細な写真と見解をまとめた資料を添付することを強く推奨しています。
例えば、私が過去の調査で作成した「○○様邸インスペクション・補足資料」では、普段は見えない過酷な現状を詳細に記録しました。






そのお宅の床下では断熱材が多数落下しており、せっかくの床暖房の効果が半減してしまう無惨な状態でした。
さらに小屋裏や下屋の天井裏でも、断熱材が乱雑に敷かれているだけで気流止めもなく、気密性能も測定不可レベルであり、実質的に断熱材が無いに等しい状況であることが確認できました。
定型的な書類のチェックマークだけでは、この深刻さは決して伝わりません。写真付きの補足資料を提示することで、今後のエネルギーコスト高騰が生活費を大きく圧迫するリスクや、冬季のヒートショックによる疾患誘発の懸念を、皆様に具体的にイメージしていただけるようになります。


「断熱=省エネ性」に着眼したインスペクションを行いましょう


実際に暮らしてみて初めて「寒くて住み心地が悪い」「暖房費が高い」と分かるような調査では意味がありません。
これから中古住宅を購入・リノベーションするのであれば、調査項目がチープな現行制度に頼り切るのではなく、「断熱=省エネ性」にしっかりと着眼したインスペクションを実施すべきです。
建物の断熱性能が低いと日々の光熱費がかさむだけでなく、将来ご家族が相続する際にも重荷になってしまう可能性があります。老後への不安を払拭し、次の世代にそのままバトンタッチできるような拠り所とするためには、建物の性能を正確に把握する失敗のないリフォーム計画が欠かせません。
これから住宅を取得・改修される方は、最低でも「断熱等級6」、気密性能を示す「C値=1.0以下」、そして「耐震評点1.25以上」を一つの基準として目指すべきだと考えています。

納得できる住まいづくりのために本当の価値を知ったうえで物件を評価するためには、正確かつ公平な調査が不可欠です。
売り手は家の持つ性能を正しく評価して正しい値付けを行い、買い手はその価格と性能に納得して購入する。そうした健全な住宅市場の実現に向けて、高断熱な住まいづくりや省エネリノベーションの専門家として、皆様のサポートに注力していきたいと考えております。中古物件をご検討の際は、建物の構造だけでなく「省エネ性」までしっかりと見極めるインスペクションをぜひご活用ください。

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塩原真貴
専門家

塩原真貴

株式会社Reborn

的確なインスペクション(現況の調査・診断)により、既存住宅を地震に強く、夏涼しく冬暖かい高断熱省エネ住宅へと再生。「新築建て替えへの選択肢以外にも、こんなことができるなんて!」補助金申請お任せ下さい

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