長期優良住宅化リフォームに対する本音
自然由来の災いは、防ぐことが出来ない!?
防災の日。
「10〜20年以内に東日本大震災クラスの地震が再度発生すると思うと答えた人は9割近く(86.5%)にのぼり、地域差はみられなかった。」
そんなアンケート結果が先日公表されました。
歴史的に大地震が繰り返し襲う日本。絶対的な安全地帯は無いはずです。
大地震はもちろん恐ろしいけれど、それだけではありません。
津波、竜巻や台風、それに集中豪雨、洪水、土石流。
火山やそれに伴う火砕流、噴煙・・・
そこに住まう、ということは常に自然と自己責任の上で共存してゆく、ということなのです。
私たち建築士は建物を設計する際、最低限地震と風(台風)に対する安全性について検討します。建物の大きさや高さ、立体としての形状にもよりますが、どちらかというと風、つまり台風時に対する安全性の方が危険側になることが多い気がします。
地震力に対する検討ではOK判定が出ても、風圧力に対する検討ではNGになってしまうことがしばしばあるということ。このことは実はあまり知られていないのではないでしょうか。
ここ長野県は台風はめったに直撃しません。しかし昨今の気象状況をみるにつけ、いつどこで何が起こるか予想だにできません。
防災というと直感的に地震のことばかり発想してしまいますが、それら異常気象によるものも頭の片隅に、いや両隅に置いておかなければなりません。
いずれにせよ自然災害が主ですから、コントロールできるわけでもなく、ただただ備え、生き続ける手段を想定しておくことしかできそうにありません。
ただ、私たち建築士がなすべきことは耐震補強をもっと多くの方に行っていただくことです。
税金を投じてこれだけ耐震の促進をしているのをご存知でしょうか?
以下長野市のホームページより抜粋です。
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■「建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標の設定」
○計画期間
計画策定年度(平成19年度)から27年度までの9年間
○耐震化率の目標設定
(1)住宅 ・・・ 策定時 68% → 目標 90%
(2)多数の者が利用する特定建築物 ・・・ 策定時 69% → 目標 90%
(3)市有施設 ・・・ 策定時 60% → 目標 90%
■「住宅耐震改修工事補助金」
住宅耐震改修補助金の上限額が、昨年度と同様に通常の補助額上限60万円に30万円上乗せした、最高90万円までの補助となります。
■「耐震改修を行った住宅に対する税の減額について」
耐震改修した既存住宅が一定の要件に当てはまる場合は、改修工事が完了した年の翌年度分から最大2年度分の固定資産税の税額(1戸当たり120平方メートル相当分に限る。)を2分の1に減額します。
[減額要件]
昭和57年1月1日以前に建てられた住宅で、建築基準法に基づく現行の耐震基準に適合した、1戸当り工事費50万円超の改修工事を施したもの。
※工事完了時期と減額期間
・平成25年1月1日から平成27年12月31日までに改修した場合は1年度分
・上記のうち要安全確認沿道建築物については2年度分
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手続きの流れはこんな風に簡単です。
長野市の耐震補強促進事業は平成27年度まで行う予定になっています。
補助金申請は先着順になっており、例年年度初めの4月より公募、例年7~8月で定員に達することが多いそうです。
今年度私も一件の申請をさせていただきました。審査機関は事前相談を含め、約二か月程かかります。
長野市の建築指導課、窓口の吉田さんは良心的に対応してくれて大変助かりました。
ご自宅の耐震性について御心配の方は、今年度中に耐震診断を受けてみて下さい。
来年度がラストチャンスになるかもしれません。
なんだか面倒で気が進まない方は、この点だけでもチェックしてみて下さい。
ここでつまずく場合がほとんどです!
2階の外壁の直下に壁がのべ1.8m以上ない場合は、おおよそ「倒壊する可能性が高い」判定が出ます。
そこさえ補強しておけば、、、、なんて大地震の後思っても仕方ありません。
今時はこんなふうにコンピューター上で地震を起こすこともできるんです!
とにかく自然と共に生きる日本人は、過去の経験を忘れることなく、備えるしかありませんね。