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叱り方の上手い下手の違いとは?

2022年4月10日

テーマ:人材育成

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 組織開発組織マネジメント人材育成 研修

叱る

相手に対する腹立たしさを表現する際、
二つあります。

それは、「怒り」と「叱り」です。

似ているようにもありますが、似て
非なるものです。

心理学的には、怒りは「第二感情」、
叱りは「第一感情」と言われます。

ゴードン心理学では、「心」の動きを、
「第一感情」と「第二感情」で表現
します。

これは、ある出来事を感じとるときに、
最初に感じるのが「第一感情」であり、
次に感じるのが「第二感情」ということ
です。

例えば、

・「宿題」をしてくれない子ども

・話しを聞かない子ども

この子どもを「部下」と置き換えてもいい
かもしれません。

そもそも、「第一感情」と「第二感情」の
感情の動きはどうなっているのでしょうか?

何か「問題」が発生したとき

例えば、子どもの帰りが遅く、やっと
帰ってきた時

あなただったら、子どもにどんな声を
かけると思いますか?

家のドアが開く前、開く瞬間
その感情の流れを振り返ってみると

「第一感情」は、「心配・不安」でした。

これは「自分の感情」です。

そしてドアが開いた瞬間に、「第二感情」
に移行します。

「第二感情」は、「怒り」です。

これは、「相手への感情」です。

開口一番、「何やってたの!」と
爆発しませんでしょうか?

この感情の動きを詳細に見てみましょう。

学校から帰ってきた子どもが、
ランドセルを放り出してすぐに遊びに
行ってしまう。

さて、あなたは何と言いますか?

「どうぞいってらっしゃい」とは
なりませんよね。

おそらく、こんな光景が繰り広げられる
のではないでしょうか。

「帰ってきたらまずはお帰りなさい
って言えないの!」

「それに宿題もしないで、なにやって
いるのよ!」

「ホントあんたって子は!
口が無いの口が!挨拶もできないの!」

これこそ、まさに「第二感情」での発言
なんです。

これでは、お母さんがストレスを発散
させているだけです。

残念ながら、子どもには何の効果も
ありません。

「愛情を持って怒れば、治してくれる
はず」と思いたい気持ちは分かります。

しかし、冷たいようですが、これでは
ダメなんですよね。

では、なぜダメなんでしょうか?

それは、「第二感情」で「怒っている」
からであり、「第一感情」で「叱って」
はいないからです。

自分の「第二感情」の「怒り」を発散
させたら、相手は反射的に「ゴメン!」
と言うかも知れません。

しかし、これは反省しているわけでは
ありません。

要は、反省させずに、反射的に謝らせて
いるだけです。

つまり、「第二感情」で「怒り」を相手に
ぶつけたということです。

すなわち、これは、こちら側の問題なのです。

ここで冷静に考えてみましょう。

一体この場合の「第一感情」は何だったのか?

それは、元気に帰ってきて「ただいま」と
いう声を聞きたかったというこです。

ランドセルが傷つかないように、玄関先で
放り投げずに机の上に丁寧に置いて
欲しかったということです。

毎日、家で子どもの帰りを心配し待って
いるのに、がっかりした、寂しかった、
悲しかった。

そんな感情だったのではないでしょうか?

そんな「心の声」が確かにあったはずです。

それこそが、「第一感情」だったのです。

ところが、この悲しい思いをさせたやつは
誰だ。そう、目の前にいる我が子だ。
「なに放り出しているのよ!」と怒鳴って
しまうわけです。

ここで、視点を変えましょう。

この「第二感情」の言葉を浴びせられた
相手(子ども)は、「叱られた」と思う
でしょうか?

行動は改善されるのでしょうか?

結論は、改善されません。

叱るなら「第一感情」を伝える必要が
あります。

お母さんは、「ただいま」って大きな
声で帰ってきてくれることを楽しみに
していたの。

毎日学校で怪我をしていないか心配なの。

外にすぐに出かけるのは構わないから、
元気に帰ってきた顔を見せて。

そうしてくれないと、お母さんはの事が
嫌いになったんじゃないかって不安に
なってしまうの。

第一感情は・・・

・(私が)不安になる

・(私が)心配になる

・(私が)泣きたくなった

・(私が)がっかりした

全て私(I)メッセージです。

「自分の気持ち」を「悲しかった
気持ち」を率直に伝えることが
ポイントです。

ということは、「第二感情」だと、
主語が「You(あなた)」になる
事に気づかれたと思います。

そもそも目的は「改善すること」で、
自分の「ストレス」のはけ口にする
ことではなかったはずですよね。

この記事を書いたプロ

内布誠

会社中をワクワクさせる人材育成(研修)のプロ

内布誠(ウチヌノ人事戦略事務所)

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