コラム
わたしの法定相続分はどのくらい?
2015年8月7日 公開 / 2020年6月30日更新
相続する財産の割合は法律で定められています
これを法定相続分といいますが、これは誰が相続人になるのかによって異なります
1.配偶者と子供(孫など)が相続人の場合
【 配偶者 : 2分の1 / 子供 : 2分の1 】
☆☆ ここに注意! ☆☆
1.子供が複数いる場合は2分の1をその人数で案分します
2.代襲相続人は既に亡くなっている人の相続分のみを引継ぎます
※「代襲相続人」とは、相続の開始よりも前に相続人が死亡しているとき、その相続人の子供が代わりに相続人になる制度です
※ 仮に配偶者と3人兄弟(A・B・C)が相続人で、そのうちのお一人(C)が既に亡くなっており、その人(C)に子供(被相続人から見た孫)が二人(E・F)がいるケースでは、配偶者の相続分は2分の1、AとBの相続分はそれぞれ6分の1、EとFの相続分はそれぞれ12分の1となります。
3.養子であっても実子と相続分は変わりません
4.離婚した夫婦のあいだの子供も相続分は変わりません
5.婚姻関係のない男女の間に生まれた子供の相続分も実子である相続人と同じになりました
6.結婚して他家に嫁いだ(または婿養子になった)からといって相続権はなくなりません
2.配偶者と故人の親(または祖父母)が相続人の場合
【 配偶者 : 3分の2 / 親 : 3分の1 】
☆☆ ここに注意! ☆☆
1.父も母も存命の場合は、3分の1をさらに半分にしますので、一人あたり6分の1になります
2.養父母がいる場合は、その養父母も相続人となります
3.実父母と養父母の両方がいらっしゃる場合はどちらも相続人になり3分の1をその人数で案分します
3.配偶者と故人の兄弟姉妹(または甥姪)が相続人の場合
【 配偶者 : 4分の3 / 兄弟姉妹 : 4分の1 】
☆☆ ここに注意! ☆☆
1.兄弟姉妹が複数いる場合には4分の1をその人数で案分します
2.半血兄弟姉妹(異母、異父兄弟姉妹)の相続分は全血兄弟姉妹(両親が同じ兄弟姉妹)の相続分の2分の1です
3.相続人の兄弟姉妹のうち既に亡くなっている人がいる場合はその子供は代襲相続人となります
4.兄弟姉妹には遺留分がありません
4.配偶者だけが相続人の場合
【 配偶者が全部 】
このようになっています
私の経験上もっともトラブルになりやすいのが「配偶者と故人の兄弟姉妹(または甥姪)が相続人の」ケースです
夫婦で築いてきた財産を引継ぐために兄弟姉妹と話しをしなければならないというのは心理的にも負担がかかります
仲が良い兄弟姉妹であればまだ話しもしやすいですが、そうでない人が一人でもいて手続に協力的でない場合などは手続きが進まなくなってしまいます
このようなことでパートナーを困らせないようにするためにも、相続人が兄弟姉妹になるような方は遺言書を作ってください
遺言書を作るには費用もかかりますが、遺産分割協議書に印鑑を押してもらうためにハンコ代をお渡しすることを考えればむしろ安上がりという考え方もあります
なにより遺言書があれば手続きは難なく進みパートナーの負担はかなり減るのですから
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