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鴇田誠治

遺言書作成と相続手続きのプロ

鴇田誠治(ときたせいじ) / 行政書士

社会保険労務士・行政書士 ときた事務所

コラム

遺産の分け方の5つのヒント

2015年8月6日 公開 / 2020年6月30日更新

テーマ:相続のこと

コラムカテゴリ:法律関連

1.法定相続分にこだわらなくてよい

法定相続分は、相続人間の話し合いで遺産の分け方を決める場合の目安です

法定相続分どおりに相続しなければならないというのものではありません

詳しくは昨日のコラムをご確認ください

2.二次相続のことも考慮する

一次相続は「両親どちらか一人目の相続」のことで、二次相続は「両親のもう一人も亡くなったときの相続」のことです

両親から受ける相続のうち2回目の相続ですね

何が問題になるかというと特に相続税がかかるケースです

一次相続では配偶者の税額軽減を使えますが、二次相続では当然ながらこの税額軽減はありません

一次相続の段階で子供もある程度納税するほうが二次相続の税負担が減るのか、配偶者控除の限度額一杯まで配偶者が相続して納税額を減らすほうが良いのか税理士さんも交えてしっかりシミュレーションする必要があります

相続税がかからなければあまり影響はありませんが、不動産を配偶者が相続すると一次相続の登記費用に加えて、二次相続の時に再度相続登記の費用がかかることになります

この費用負担を節約したいという方は、一次相続の時に子供が相続してしまうということを考えてもいいでしょう

3.不動産の共有相続は避ける

将来、相続人のどなたかが住む予定の不動産は複数の相続人で相続してしまうと、各人は勝手に財産を処分したり利用したりできなくなることがあり不便な状態となりますし一つ間違うとトラブルに発展する可能性もあります

不動産が相続財産のメインで不動産の評価額に相当する金融資産がない場合には、相続することによって経済的に得をする側の人が損をする側の人に「代償金を支払う」という方法をとることも検討すべきです

ただし、相続したらすぐに売却するような不動産であれば共有にしておいたほうがいい場合もあります

この場合には、売却した代金を相続した持分に応じて受け取ることになります

ポイントは、売却した場合に「どのくらいで売れるのか」を明確にしておくことですので、遺産分割協議で合意する前に不動産業者などに査定を依頼しておくといいでしょう

4.自社株は後継者の相続人が取得する

株式を相続するということは株主になるということです

株主は会社の支配権を持ちますので、後継者の株式数が少ないと経営方針の違いなどから会社経営に悪影響を及ぼす事態も考えられます

後継者がすべての株を相続するように話し合いを進める必要がありますが、話し合いがまとまらないときには株式を他の相続人から買い取るか、株式に相当する金銭を支払うなどのことを検討する必要があるでしょう

自社株の相続に関しては、遺言や生前贈与などで事前の対策をしておくことが大切です

また、会社の定款に「相続や合併等により株式を取得した者に対し、会社がその株式の売渡しを請求することができる」という内容を定めることで、会社にとって不都合な相続人から会社からの一方的な売渡し請求で取得することができますので、定款にこの記載がなければ定款の変更をしておくことも対策の一つとなります

5.相続財産はすべてを明らかにする

相続トラブルの原因は、もともと仲が悪かったなど様々な理由がありますが、相続が発生してからトラブルになるケースとして多いのが、手続を主導する相続人が財産を明らかにしないケースがあげられます

「預金があることは教えてもらえたが、残高は教えてもらいえない」とか「ハンコ代〇〇万円を渡すから印鑑を押してほしいと言われたが、どのくらいの財産があるのか教えてくれない」などということがあると不信感が募り、これが発展していくとまず間違いなく遺産分割協議は合意に至りません

相続のトラブルを避けるコツの一つは、どんなに仲が良くても「相続財産は客観的にわかる形で全員に明示すること」です
 

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