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鴇田誠治

遺言書作成と相続手続きのプロ

鴇田誠治(ときたせいじ) / 行政書士

社会保険労務士・行政書士 ときた事務所

コラム

Q.父が亡くなったのですが、母が重度の認知症で施設にいます。相続はどうなりますか?

2015年7月28日 公開 / 2020年6月30日更新

テーマ:相続のこと

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

A.お母様の代理人(成年後見人)を選任する必要があります。

お母様が認知症で意思能力がない状態であれば、お母様は遺産分割に関する意見を述べられませんし、内容自体も理解できないことのほうが多いでしょう。

だからといって、お母様を無視して手続きを進めることはできません。遺産分割協議は、相続人全員の参加が必要となるためです。

このような場合には、成年後見制度を利用して後見人等の代理人を選任して、この代理人がお母様に代わって遺産分割協議を行うことになります。

少なくとも、お母様の法定相続分を確保した協議内容にする

成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などによって自分で物事を判断する能力が不十分な人を「保護して支援する」ための制度です。

お母様を保護して支援するのが基本ですので、お母様の相続分をゼロにするなどのように、お母様が不利になる遺産分割協議は認められないでしょう。

お母様の相続分は、少なくとも「法定相続分以上を確保する内容」を前提に話し合いを進めることをお考えください。

成年後見人の仕事は遺産分割協議の後も続きます

成年後見人の選任手続きは親族が行うことになりますが、成年後見人は家庭裁判所に選んでもらうことになります。

最近では、親族ではなく弁護士や司法書士といった専門知識のある人が選ばれるケースが多くなってきているようです。

なお、成年後見人は遺産分割協議だけに関わるわけではなく、遺産分割協議の終了後も、お母様の財産管理等に「お母様が亡くなるまで」関わってもらうことになります。

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鴇田誠治(社会保険労務士・行政書士 ときた事務所)

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