「社風が合わない!」は転職理由になる!
今の会社を辞めたいと思う理由の上位に「給与が低い」があります。
仕事のやりがいだとか、人間関係だとか、社風だとか、いろいろと辞めたくなる理由はありますが、実際問題、生活が苦しいほど給料が低かったり、激務なのに報われない報酬だったりすると、他の会社はどうなのか知りたくなります。
ただ、友人知人の収入は本人には聞きにくく、同世代の給与体系などなかなか把握しづらいものです。また、異業種で比べたところで、自分のところは景気が悪いからしょうがない、で納得してしまいがちです。
給料が低いという悩みは多くの人が持っていると思いますが、意外にも給料アップへの具体的な行動を起こす人は少ないようです。
ひとつには、正社員の壁があります。正社員を一度辞めてしまうと他社へ移ったときに正社員採用されないのではないかという不安があります。給与が低くても、正社員の安定性を手放せない人が多いのです。
また、基本給は低くても、手当や福利厚生でそれを補う恩恵を受けている場合もあります。
低い給料に悩んでいたら、社内でもらえる手当や福利厚生のメリット、昇給に必要なスキルなどを今一度確認して、今より収入を少しでもアップする方法を見つけてみましょう。会社に何も期待できないとすれば、早いうちに昇給できるような転職活動をするのもひとつです。
統計データにみる転職理由
厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の年収は304万円(42.2歳、勤続11.9年)となっています。格差のある男女の給与がいっしょの計算で、非正規社員も含まれるので、男性正社員のみだともう少しアップすると思いますが、それにしてもそんなに高いものではありません。多くの人が、ほぼ、月額25万円(手当なしの額面)ということになります。
もちろん、業種・業界によって違いもあるかと思います。それぞれの置かれている立場、役割、その方の望む生活等も様々な考え方があります。ですので、今回のデータで全てを語れるわけではありません。ここで、それぞれ転職を選んだ方々の理由をみてみましょう。
同じく厚生労働省の調査「平成28年雇用動向調査結果の概況」を見ると、平成28年1年間の転職者数は約478万人で、転職理由は、「その他の理由」「定年・契約期間の満了」を除けば「給料等収入が少なかった」がトップになっています。多くの人が、よりよい収入を求めて転職に踏み切っていることが分かります。
転職を決める前に給与アップ方法を考えてみる
給与に不満を持っている人が、別の会社に移ればすぐに収入アップになるかといえば、なかなかそういうわけにはいかないのが現状です。転職する前に一度、今の会社に在籍しながら収入を上げる方法を考えましょう。
会社の業績に問題がない場合は、一度、賃金アップの交渉をしてみるのもいいかもしれません。また、自分自身のキャリアアップで昇給する方法があります。仕事に必要な資格を取れば、会社によっては資格手当がつく場合もありますし、もっと給与のいい別の部署への転部が叶うかもしれません。
何か特技があったり、仕事とは関係ないけれど特別な資格を持っていたりする場合は、会社の仕事の他にセカンドワークを始めるのもいいでしょう。給与が上がりにくい経済状況の中で、公務員でもセカンドワークが認められるようになるなど、世の中的にセカンドワークを持つことを推奨する動きがあります。
最近は、アフィリエイトやWEBライターなど、WEB関係の仕事が手軽にできたりもするので、賢い時間のやり繰りをすれば収入アップが見込めます。
納得できる給与の転職先を選ぶ
会社にとどまるにせよ、転職するにせよ、いずれ自分に付加価値をつけなければ、現状は変えることはできません。給与が低いから高くなりそうな会社に転職します、だけでは、退職理由にも転職先の採用理由にもなりません。
厚生労働省の「平成27年転職者実態調査の概況」によれば、転職者の採用理由には「経験を活かし即戦力になるから」「専門知識・能力があるから」が多くを占めています。また、転職者の給与や役職を決める際に考慮することとしては「これまでの経験・能力・知識」が最も多く、次いで「年齢」「免許・資格」となっています。
転職を考える際には、自分の仕事の実績やスキルの棚卸しをして、現状できる範囲で実力をアップすることを考えましょう。その上で在籍する会社で活路が見いだせれば問題ないですし、転職先へのアピールにもなります。