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松村篤

労働生産性向上のプロ

松村篤(まつむらあつし)

みやこ社会保険労務士事務所

コラム

労働基準監督行政に思う

2010年11月14日


お客様のところに労働基準監督官(以下、「監督官」)が、お越しになり、担当者が不在である旨を伝えても、
「これは「臨検」だから拒否は出来ない」とおっしゃる監督官がいるとかいないとか。

監督官に臨検する権利があり、書類を提出させる権限があり、尋問する権限があるのは十分承知しております(労働基準法第101条)。
だから、お客様に「拒否しましょう」等という事は一切お話していないのですが、先述のように「臨検だから拒否できない」等と居丈高に物を言われると、いかがなものかと思います。

監督官は労働基準法に「業務に関する権限」は認められておりますが、行政官としての業務の遂行(指導)に関しては、「行政手続法」にのっとって行われるもののはず。
そして、行政手続法によれば、臨検は「任意」のはずです。(行政手続法第32条)

ところで、もし、「申告臨検」であれば、違反事項を申告した労働者が違反に関する書類を労働基準監督署に提出させた上で、事業場に来るのが本来の筋のはずなのに、事業場に対して違反の証拠と思われるものを提示させるはいささか変な話です。

監督官の臨検(全部ではない。)には、色々と首をかしげることが多いですが、法治国家である限りは、法令にのっとった対応を期待したいものです。

【参考】
労働基準法 第101条(労働基準監督官の権限)
労働基準監督官は、事業場、寄宿舎その他の附属建設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うことができる。
2  前項の場合において、労働基準監督官は、その身分を証明する証票を携帯しなければならない。

行政手続法 第32条(行政指導の一般原則)
行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2  行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。

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