コーチング=質問する?

太田英樹

太田英樹

テーマ:コーチングコミュニケーション



誤解されやすいけれど、本質はもっと奥深い


先日、ある経営者さんとお話しする機会がありました。
その社長さん、以前コーチングを学んだことがあるそうで、コーチングに対して否定的な考えを持っておられる。
どんなお仕事でもそうだと思いますが、本質的には、一言で語れるほど簡単なお仕事はないはずです。

例えば、お医者さんだって、病気を治すのが仕事だと言う人もいれば、患者に寄り添うのが大事という人もいるし、未病だと言う人もいる。
舗装のお仕事をされる会社に関わらせてもらっていますが、社員さんそれぞれにこだわりや考え方が全然違います。

コーチングの仕事をしています、と言うと、「あー、質問するやつね」と言われることが多いんですが、私から言えば、その一面もある、という程度で、決して質問するだけの仕事ではありません。
前述の社長さんのお話を聴いていると、学んだスクールの問題か、ご本人の捉え方の問題かはわかりませんが、誤解というか、「そうじゃないんだよなぁ」と思うところがありました。

社長さん
「スクールで、質問しろって教わったからその通りにしたけど、うまくいかなかった」

「具体的に、どんな質問ですか?」
社長さん
「で、あなたはどうしたいの?って、聴いたけど、相手ははぁ?みたいな感じだった」

「なるほど、その質問をした時の状況を詳しく教えてもらえますか?」
で、詳細な場面をお聴きしました。

「そうなんですね、その時、どう思いました?」
社長さん
「コーチングなんて使えねーじゃないか」

「他には?」
社長さん
「金返せ!」

「他には?」
社長さん
「くやしい!」

「何が悔しいですか?」
社長さん
「社員の成長のためにと思って高いスクール費用を出したのに、無駄になった」

「本当はどうしたかったですか?」
社長さん
「社員の成長と会社の成長を進めて、利益を還元してあげたかった」

「イイですね!そのために、まず今できることは?」
社長さん
「勉強会を開こうかな」

「イイですね!いつ、どんな内容の勉強会をしますか?」
社長さん
「来週末、◯◯(専門知識)の勉強会をやります」

「イイですね!ここまで話してみて、どうですか?今のやりとりが、私がやっているコーチングですが」
社長さん
「私が学んだものと全然違います」
ここまでで、社長さんに気づきがあったようです。

受け取り方の問題もあるので、スクールでの指導が間違いというわけでもないと思います。
いろんな流派のコーチングがありますから、進め方も指導方法もそれぞれ違います。

コーチング=質問する
というのも一概に間違いとは言えませんが、タイミングや質問の仕方も重要になります。
どのお仕事でもそうですが、表面上は「◯◯する仕事」と簡単そうに見えても、本質的にはもっと奥深い。

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチングコミュニケーション研修により、社内コミュニケーションの円滑化、人材定着率や顧客満足度向上、事業成長に繋げます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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