大事なのは、目的とゴール

太田英樹

太田英樹

テーマ:コーチングコミュニケーション



回り道も逆走もOK。未来から考えるコーチングの実践


先日午前中、出版社の方と打ち合わせ、午後はオンライン1on1。
打ち合わせをしていて、あらためて思いますが、私の一番の強みは、
コーチングを普段のコミュニケーションに生かす実践実例を数多くもっていること。

アドラー心理学の解説やコーチングの理論理屈の説明は、大学の先生やベテランコーチがされたほうがよっぽど内容の濃い本になる。
コーチング的なコミュニケーション、アドラー心理学を実践した言動が、日常生活や仕事にどう生かせるか、実践したらどうなったかを伝えるほうが、私らしい。

午後からの1on1でも、平本さんに教わった基本的なコーチングの流れには沿うものの、私なりのアプローチを入れて、最後には「やってみよう」という気持ちになってもらえた。

私自身、いつもお題目のように口にしていることですが、
大事なのは、目的とゴール。
寄り道しても、回り道してもいい。
立ち止まってもいいし、なんなら逆走したっていい。
目的を見失わず、最終的にゴールに辿り着けばいい。
セッションでも、普段使いでも、いつもそれを意識しています。

目の前で、自分の意に沿わない言動や、明らかに間違ってることが起こったとき、その場で指摘したくなりますよね。
そんなとき、目的とゴールを考えてみてほしい。
目の前の言動を正すことが目的なのか、良い関係を築くことが目的なのか、直近のゴールではなく、最終的にどんなゴールに着地したいのか。

ずっと前の話ですが、
うちの会社で社員全員の会議をしていたとき、全体を2チームに分けて議論し、出てきた結論をそれぞれ発表する、ということをやりました。
Aチームは時間内に結論を出すことを優先し、テキパキと議論を進めて、結論が出ました。
Bチームは議論が白熱し、時間内で結論が出ませんでした。
発表の時間になったとき、Bチームは結論が出ていないことがわかり、Aチームの一人が、「ちゃんとルール通りにやってくれないと、先に進めない」と、Bチームを責めるような発言をしました。
それに対し、Bチームからは、「議論することが大事なんだから、責められる筋合いはない」と反論し、言い合いになりました。
私は黙ってその様子を見ていたんですが、ある女性社員が私をチラチラ見ていることに気づきました。
おそらく、仲裁してくれという合図なんでしょうけど、私は何もせず、自然に終息するのを待ちました。

会議終了後、その女性社員が私に、「どうして何も言ってくれなかったんですか?コーチングをやってる太田さんなら止められたでしょう?」と言ってきました。
もちろん、あまりに険悪になるようなら止めに入らないといけないとは思いましたが、私には「会議」のゴールではなく、「会社全体の関係性」のゴールが大事だったので、静観していたんです。

無理矢理止めに入ったところで、どんな状態になるかは容易に想像できたし、消化不良で終わって、会議後にも影口や愚痴が続くよりも、言いたいだけ言い合ったほうが、あとの関係性が良さそう、という未来がなんとなく想像できたので、あえて手を出さなかった。

同じ「静観する」でも、自分に矛先が向くのがイヤというのと、未来像を見据えるのとでは全然違います。
なので、方法が問題なのではなく、目的とゴール。

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチングコミュニケーション研修により、社内コミュニケーションの円滑化、人材定着率や顧客満足度向上、事業成長に繋げます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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