どこでも使える目的論
「成果」と「やりがい」をつなぐ、ビジネスマン思考のすすめ
昔々、30代前半の頃だったか、当時の上司に言われたことが今でも頭に残っています。
社会で働く人には、2種類の人がいて、「ビジネスマン」と「労働者」だと。
時間もしくは作業単位で労務の提供をして、約束された対価を受け取るのが労働者なのに対し、
自分で価値を生み出し、その価値に見合う対価を得るのがビジネスマンだと。
どちらが良い悪いではない。おまえはどちらを選択するか、だと。
私は、その日以来、時間で働くという概念がなくなりました。
自分で価値を生み出すまではできていなかったかもしれませんが、「何時間働いたか」ではなく、「どんな成果を出したか」にこだわるようになりました。
その後、別の職場になって、その時の上司は、
「獲物を取って来ない猟犬は、猟犬にあらず」
と、よく言っていて、より成果にこだわるようになりました。
私が出会ってきた上司が、正しいのかどうかなんてわかりません。
見方によっては正しいんだろうし、見方によっては時代錯誤と言われるかもしれないし、みんなが同じじゃないという反論もあるでしょう。
これは私の持論ですが、
組織の管理職の人は、ビジネスマンの感覚を持ったほうがいい、と思っています。
管理職が労働者感覚だと、あらゆる負担が経営者一人にのしかかり、組織の成長が停滞します。
会社は常に「右肩上がり」でいないと、衰退します。
昔、私の部下が言っていたことがあります。
「うちの会社は利益出てるんですよね?だったら、その分をちゃんと私たちに還元してほしい」と。
もちろん、その通りですし、思いはわかります。
ただ、会社が今の利益を丸々社員に還元してしまっては、新しい事業や取組みに回す資金がなくなり、先行投資ができなくなります。
出た利益は、資本金にまわして地盤を固めたり、新規事業の投資にまわして、新しい利益を生み出すことにチャレンジしないと、倒産します。
社員全員がそんなことを理解しなくてもいいんですが、少なくとも管理職は理解していてほしいところです。
月曜日、火曜日で6名の1on1をさせていただきました。
気持ちよく働いてもらうため、ということだけではなく、経営的感覚をもつため、というだけでもない、
組織を創っていけるビジネスマン感覚も培い、個人としてのやりがいとの共有ゾーンを見出す、それが目的の1on1であり、そのアプローチのベースとしてアドラー心理学を用いています。
アドラーは、
「みんなが幸せになるために、自分の理論理屈を使え」と言っています。
経営者だけが儲けて、社員が疲弊したり、
会社だけが儲けて、顧客満足が置き去りにされたりしない、
経営者も社員も、その家族も、お客様も、みんなが幸せになる方法を考える。
アドラー心理学だからこそ実現できる、と思っています。




