暗黙知コミュニケーションの形式知化
「なんでできない?」より、「どうしたらできる?」の視点へ
平本さんのセミナーに初めて参加したときに、一番印象に残っている話があります。
平本さんが子どもの頃のお話ですが、ポイントだけ伝えると、
当時の周囲の大人が、雨が降ったときに、
「こんな雨降りの日に仕事するなんて気分悪い」
と言っていた。
なるほど、この人にとって、雨の日に仕事をするのは気分悪いんだな、と思った。
また別の日に、同じ人が、
「こんな天気のイイ日に仕事するなんて気分悪い」
と言っていた。
あれ?この人は天気が良くても悪くても気分悪いんだ、と思う。
つまり、天気のせいではなく、この人の内面の問題、ということ。
この話をきいてすぐは、あまりピンと来てなかったんですが、なぜかずっと頭に残っていて、ある時、結局すべてそういうことだ、と思うようになりました。
何かのせい、誰かのせい、ではなく、すべては自分の捉え方次第。
どんなに仕事のできない、使えない部下だったとしても、見方を変えればイイところはある。
そのイイところを見ようとするか、しないかだけのこと。
もちろん、見えている部分、仕事ができない部分も事実であり、間違いではない。
だからといって、そのマイナス部分にだけ意識を向けていても、何も変わらない。
仕事ができるようになってもらうに越したことはないですが、「なんでできないんだ?何度同じことを言わせるんだ?」と追求しても、上達するわけでもないし、追求している自分もイライラするし、言われているほうも気分が悪いだけ。
だったら、モノの見方を変えて、互いに気持ちよく働いて、生産性を上げることを考えたほうが、よほど健全です。
できない原因を考えてどうにかしよう、ではなく、目的を意識して、そこに近づくようにアプローチしていくのが、目的論。
私が今の仕事をやる原点になったお話しです。




