営業もコミュニケーション
これまで、たくさんの介護関係者が私のもとで学んでくれました。
その方たちは、
今も現場で高齢者のケアを続けている方
事業所や法人の要職に就いて指揮をとっている方
独立して自分で介護を事業を経営している方
それぞれの道で頑張っておられます。
うれしいのは、そんな皆さんから時々近況報告や相談があること。
先日も、1人連絡をくれました。
昔サポートしていた事業所で、当時指導していた管理者から私の話を聞いて、「太田さんに指導してほしい」と、現職の職場をわざわざ退職して、私のもとに来てくれた男性ケアマネ。
面接の時から闘志を全面に出し、
「太田さんの話を聴いて、自分がこれまでどれだけ自分勝手な甘い介護をしていたか気づかされました。厳しく指導してください!」
と言っていたので、私のすべてを伝授するつもりで本当に厳しく指導したら、2ヶ月で辞めてしまいました。
その後、元の職場に戻ったという噂は聞いていましたが、もう私の顔なんて見たくもないだろうと思い、私からは一切連絡しなかったんですが、
それが5年もっとかな?ぶりに彼から連絡をくれました。
2ヶ月で伝えられたことはたかが知れていますが、彼なりにちゃんと覚えていてくれていて、実践しているそうです。
コロナ禍で業務に影響が出たり、報酬改定で周囲がゴタゴタするなか、それらに振り回されない自分に気づいた時、私の顔が浮かんだそうです。
彼の言葉をそのまま引用すると、
「あの時、途中で逃げ出してしまいましたが、あの期間に教えてくださった「基本中の基本」があったからこそ、何があっても堂々とケアマネをできています。それがなかったら、ケアマネの仕事からも逃げていたと思います。」
最近、歳のせいか涙もろくなってしまい、その言葉に涙が出てきました。
当時、最近の若者にしては珍しく熱い男だなと感じ、私のもっている引き出しをすべて出しても食らいついてくれると、勝手に思い込み、最初から厳しくし過ぎたと反省していました。
今では、その反省から、指導内容をプログラム化して段階的に指導するようになりました。
ある意味、彼のおかげで「介護塾」が誕生したと言っても過言ではありません。
彼のように、マジメに介護と向き合っているのに、基本がわかっていなかったり、間違った指導を受けて、残念なケアをしている人は少なくありません。
それは、彼ら彼女らが悪いわけではなく、適切な指導を受けていないだけ。
ちゃんと学べば、
目の前の高齢者の自立支援につながるケアやケアマネ業務ができるし、
ご家族の応援協力も得られるし、
管理も運営も、健全に儲けをスタッフの賞与として還元できる事業経営もできます。
ひらめきや応用力が求められる時代ですが、基本を捉えていないひらめきは奇策であり、基本を知らないで応用はできない、と私は思っています。
万人に受け入れられようとは思っていませんが、
少なくとも共感してくれた介護関係者が全国で活躍してくれていることは、私の誇りであり、感謝しかありません。
同じ思いで日々頑張ってらっしゃる講師、コンサルタントの方々もたくさんいます。
そんな皆さんとも同志として協力し合いながら、これからの日本に必要な介護の実現に向けて、指導、応援していきたいとおもいます。